記録のしかたは一つじゃない ― 子どもたちに必要な「複数の手段」
「ノートを全部、きれいに漢字を使って書き写さないといけない」
そんな思い込みが、子どもたちの学びを重くしていませんか?
大切なのは、選択肢を知ることです。
苦手意識を抱えやすい「ノートをとる」こと
書くことが苦手な子どもたちにとって、「ノートをとる」「板書を写す」といった場面は負担が大きく、苦手意識が強くなりがちです。
しかし、文字を書きとめる方法は一つではありません。「漢字で丁寧にノートを書く」だけが唯一の手段だと思ってしまうと、それが苦手な子どもたちはつまずき、学びの意欲まで失ってしまいます。
大切なのは、複数の選択肢を知り、状況に応じて使い分けられるようにしておくことです。
「今日はこれならできる」「この場面ならこの方法が合う」と思えるようになると、負担は軽くなり、自分で学びを続ける力につながります。
文字を残す方法のバリエーション
(視写の場合)
●手書き
板書通りに漢字で書く
漢字にこだわらず、ひらがなで書く(必要に応じて50音表を活用)
箇条書き・略字・記号でメモする
マインドマップのようにキーワードをつなげる
用紙や筆記用具を工夫する
●デジタル機器を使う
スマホやタブレットで入力
(フリック入力、ローマ字入力、かな入力など設定で変更可能)キーボードでタイピング(ローマ字/かな入力)
音声入力(状況が許せば)
試してみることでわかること
いくつかの方法を試してみると、「意外とこれならできる」という発見があります。
例:
「漢字で書くのは大変でも、ひらがなだけなら書けた」
「拡大用紙とザラザラ下敷きを組み合わせたら、書きやすかった」
「タブレットは、かな入力よりフリック入力の方が入力しやすかった」
「マインドマップなら書きやすくて頭にも残った」
また、入力方法が複数あると知ることで、他の場面にも応用できます。
例えば、スマホのリマインダー機能を便利だと思っていても、入力が面倒で活用できない人がいました。
ところが音声入力を試すと、多少の変換ミスがあっても手軽に記録でき、「自分だけのリマインダー」として使いやすいことに気づいたのです。
様々な条件で比較してみる
「1分間でどれくらい書けるか(入力できるか)」を試してみるのも有効です。
教科書などから書き写す文章を用意する
1分間でどこまで書けるか挑戦する
その後で、どんな書き方なら負担が少なかったか、そして書いた内容を思い出せるかを一緒に確認する
ここで大事なのは「速さを競う」ことではなく、自分に合った書きとめ方を知ることです。
また、視写、聴写、自分の考えをアウトプットする場合など、条件が変わるとやりやすさも変わるかもしれません。そうした違いを検証してみるのも良いと思います。
全てを書き写すことにこだわらなくてもいい
とくに日本の学校では、「学んだ漢字を活用してノートを全部きれいにとる」ことが求められやすいように思います。
ですが、それだけが方法ではありません。
大事な言葉だけメモする
キーワードを拾ってあとで整理する
マインドマップ的に関連づけて残す
このように「全部書かなくてもいい」と知っていると、子どもたちは学びをあきらめずに続けられます。
大学に進学した後や社会に出た後、「全部書き写す時間が足りない」という声を聞くことがあります。だからこそ、「書きとめ方にはいろいろある」と知っておくことは有用です。
写真や録音という補助
ここでは文字で残す方法を中心に紹介しましたが、環境が許される場面では写真や録音も有効です。
ただし、職種や場面によってはプライバシーや安全面の理由で禁止されることもあります。そのため、複数の文字を残す手段を持っておくことが安心感につながります。
子どもたちをサポートする大人の方へ
私は、子どもたちに「このやり方しかない」と思わせないことが大切だと考えています。
一緒にいろいろな方法を試し、「これもありだね」と選択肢を増やしていくことで、子どもたちは安心して学びに向かえます。
その経験は、自然と子どもたちの自信にもつながるのではないでしょうか。
まとめ
書きとめる方法の「選択肢」を持つことは、子どもたちの学びを支えるだけでなく、将来どんな場面でも自分に合った方法で情報を残せる力につながるのではないかと、私は考えています。
これは、学校の授業だけでなく、社会に出てからも大きな財産になるのではないかと思います。
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