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叱ると子どもが黙り込む。そのとき親ができること


子どもを叱ったあと、黙り込まれてしまうことはありませんか。

何を聞いても返事をしない。
目を合わせない。
うつむいたまま動かない。
「聞いてるの?」と言っても、反応が薄い。

親としては、つい不安になります。

「無視しているの?」
「反省していないの?」
「何か言い返すこともできないの?」
「ちゃんとわかっているの?」

中学受験の時期は、親も余裕がなくなりやすいものです。

宿題が終わっていない。
テスト直しをしていない。
約束を守らない。
何度言っても同じことをくり返す。

そんな場面が続くと、親も強めに言わざるを得ないことがあります。

ただ、叱ったあとに子どもが黙り込むと、そこでまた親の感情が揺れます。

「何か言いなさい」
「黙っていたらわからないでしょ」
「そういう態度がよくないんだよ」

そう言いたくなることもあると思います。

でも、子どもが黙る理由は、必ずしも「反抗」だけではありません。

黙る子は、何も考えていないわけではない


叱られたあと、子どもは子どもなりにいろいろなことを感じています。

怒られて怖い。
何を言えばいいかわからない。
言い返したら、もっと怒られそう。
自分でも悪かったとわかっているけれど、すぐには認めたくない。
泣きそうだから、黙ってこらえている。
頭の中がいっぱいで、言葉が出てこない。

そんなこともあります。

特に小学生は、自分の気持ちをその場ですぐ言葉にする力が、まだ育っている途中です。

大人でも、強く言われた直後に冷静に自分の考えを説明するのは難しいものです。
子どもなら、なおさらです。

だから、黙っているからといって、何も感じていないわけではありません。

むしろ、言葉にできないくらい、気持ちがいっぱいになっていることもあります。

すぐに答えを求めすぎない


子どもが黙り込んだとき、親がまず意識したいのは、すぐに答えを求めすぎないことです。

「どう思ってるの?」
「何が悪かったかわかる?」
「次からどうするの?」
「ちゃんと答えなさい」

これは、親としては確認したくなる言葉です。

ただ、子どもの心が固まっているときに答えを迫ると、さらに黙ってしまうことがあります。

そんなときは、少しだけ逃げ道を残してもいいと思います。

「今すぐ答えなくてもいいよ」
「落ち着いたら、少しだけ話そう」
「黙っていることを責めたいわけじゃないよ」
「でも、あとで次にどうするかは一緒に考えよう」

大事なのは、話を流してしまうことではありません。

今すぐ言葉にできないことは待つ。
でも、あとで戻る場所は作っておく。

このバランスです。

「黙るな」より「言える形」を渡す


子どもが黙ると、親は「黙らないで」と言いたくなります。

でも、「黙るな」と言われても、子どもはどう返せばいいかわからないことがあります。

そんなときは、返事の形を用意してあげると、少し話しやすくなります。

たとえば、

「今は話したくない」
「あとで話す」
「わからない」
「言葉にできない」
「少し時間がほしい」

このくらいの返事でもいいことにします。

黙って終わりにするのではなく、
自分の状態を短く言えるようにする。

これは、子どもにとって大切な練習です。

最初から立派な反省の言葉を求めなくてもいいと思います。

まずは、
「今は話せない」
と言えるだけでも、一歩です。

親ができる声かけ


子どもが黙り込んだときに、使いやすい声かけをいくつか置いておきます。

「今すぐ答えなくてもいいよ」

「でも、この話をなかったことにはしないよ。落ち着いたら少し話そう」

「黙っていることを責めたいわけじゃないよ」

「言葉にしにくいなら、うなずくだけでもいいよ」

「怒られるのが嫌だったのかもしれないね」

「何が悪かったかを言わせたいんじゃなくて、次にどうするかを一緒に考えたい」

「今は少し時間を置こう。あとでまた声をかけるね」

こうした言葉は、子どもを甘やかすためのものではありません。

叱るべきことは叱る。
でも、子どもを追い詰めすぎない。

そのための言葉です。

黙ったあとに、戻れる道を作る


子どもが黙ったまま終わると、親も子も気まずさを引きずります。

だからこそ、少し落ち着いたあとに、戻れる道を作りたいです。

たとえば、時間を置いてから、

「さっきの話、少しだけ続きをしてもいい?」
「責めたいわけじゃないから、次にどうするかだけ決めよう」
「今日は全部話さなくていいから、一つだけ決めよう」

と声をかけます。

大きな反省会にしなくて大丈夫です。

次にどうするかを一つだけ決める。
それで十分なこともあります。

叱ったあとの目的は、子どもを言い負かすことではありません。
子どもが次に戻ってこられるようにすることです。

おわりに


叱ると子どもが黙り込む。

その沈黙は、親にとって不安なものです。
つい、何か言わせたくなる。
反省しているのか確かめたくなる。
親の言葉が届いているのか、知りたくなる。

でも、子どもが黙っている時間の中で、子どもなりに気持ちを整理していることもあります。

急がせすぎず、でも見放さず。
問い詰めすぎず、でも話を流さず。

「今は話せなくてもいい。あとで戻ろう」

そんな余白があるだけで、子どもは少し安心します。

中学受験の中で、親子がぶつかることはあります。
叱ることが必要な日もあります。

でも、黙り込んだその先に、また話せる道を残しておくことはできます。

子どもが言葉に戻ってこられるように。
親も、感情ではなく関係に戻ってこられるように。

その小さな待ち方が、親子の信頼を守る種になっていくのだと思います。

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