わたしの娘は令和のナポレオン。日曜日は決戦の日。
決戦の日は近い。
だがしかし、彼女は戦場に立てるのだろうか。
彼女には、ある奇妙な現象がついて回る。
これは未だ解明されていない、未確認症候群。
その名も【ここぞというときに"なにか"あるで症】だ。
「よりによって今日?」というタイミングで、体調を崩す人がいる。 怪我をする人がいる。
うちの娘・まるは、まさしくそのタイプだ。
病気、怪我。
行事の前。旅行の前。イベントの前。
彼女には、いつもここぞという場面で”なにか”が起こる。
ヒヨコさんの帽子
人生初の保育園のお遊戯会。 ひよこさんになる予定だったのに、当日はまさかの発熱で欠席。
先生が手作りしてくれたヒヨコさんの帽子。 それを家で被って撮ったまるの写真は、今もアレクサで定期的に表示される。
そのたびに「残念だったね」と言いながら、なぜか家族は笑っている。
舞台には立てなかったけれど、家族だけの特別なステージで、まるはちゃんと、ヒヨコさんになっていた。
デカガーゼ卒園式
保育園卒園式の10日前、公園の雲梯から落ちて、顔面を強打。 転倒の衝撃で歯が顎に突き刺さり、唇下を大怪我。
縫った数は覚えていないけれど、顎にでっかいガーゼを貼って登園したとき、 先生たちの驚いた顔は今も忘れられない。
「まるちゃん、大丈夫?」
「卒園式、どうしよう…」
でも、ここからがまるの真骨頂。
治りが異常に早かった。 医者が「えっ?」と驚くほどの回復力で、 なんとか卒園式当日はガーゼを外して出席できた。
卒園式の写真の中のまるは、とびきりの笑顔で写っている。
そこに、ガーゼはない。
まるで「え?最初から何もなかったけど?」と言わんばかりの誇らしい笑顔をして。
この写真もまた、アレクサに登場するたび、家族の誰かを笑わせてくれる。
水疱瘡とピアノ
そして今回。
人生初のピアノの発表会を目前に、まるは水疱瘡を発症した。
発表会の一週間前の金曜日。
まるの身体に赤い発疹がポツポツと現れた瞬間、私は思った。
「またか……」
いや、正確には
「またかよ!!!」である。
もう驚かない。
でも、「今回は無理かもしれない」 と覚悟した。
ピアノの先生にも連絡し、発表会の出場可否は“今週中に医師からの登校許可が出て、 金曜日までに一度でも登校していること”ということになった。ちなみに、発表会は日曜日。
正直、「少し微妙なラインだな」と思った。
でも、まるはかゆみと戦いながら、家でピアノの練習を続けていた。
「発表会、出られるかな?」 不安そうなまるに「大丈夫」と笑って答えながら、 私は裏でずっと頭を抱えていた。
だけど、水曜日の夜、通っていた皮膚科の先生から登校許可が出た。木曜日から学校に行けた。
ギリギリセーフ!!発表会、出られる……!
まるの回復力は、想像以上だった。こうなってくれば、もはや“そういう体質”としか言いようがない。(もちろん、ワクチンのおかげで軽症だったのも事実。)
令和のナポレオン
何事も無いのが一番だけれど、まるには、なぜかいつも“なにか”が起きる。ここぞというときに"なにか"あるのは、もはや彼女の仕様なのだ。
そんな彼女を見ていて、ふと思い出した。
ナポレオンである。 そう、あのフランス皇帝。
ヨーロッパ統一の夢をかけた「ワーテルローの戦い」で、 ナポレオンは歴史的な敗北を喫する。
その理由は【痔】。もう一回いいます。理由は【ぢ】。
(ちなみに、いぼ痔らしい。)
決戦当日、あまりの激痛により馬にも乗れず、戦場に立てなかった。 部下に指揮を任せるも判断ミスが続出。 ナポレオンは、のちにこう語ったという。
「痔さえなければ勝っていた」と。
あの、「吾輩の辞書に“不可能”という文字はない」と言った人の、尻には痔があったらしい。
ナポレオンは痔で戦場に立てなかった。
けれど、まるは水疱瘡を乗り越え、ちゃんと舞台に立つ。
まるの方が強い。 まるの方が偉い。まるの方がすごい。
なので、【令和のナポレオン】と言ってもいいと思う。
(なんでそうなった?という問い合わせは来週までは受け付けない。)
決戦は日曜日
自宅待機中、まるはアマプラでアニメをたくさん観ていた。でも、それと同じくらい、いや、それ以上に、ピアノにも向き合っていた。
今度の日曜日。その日が決戦日だ。
かつて、ナポレオンが「痔さえなければ」と嘆いたように、 まるが「水疱瘡さえなければ」と言わずにすむように。
まるの頑張りが、ちゃんと報われますように。
まるがちゃんと舞台に立って、笑顔で演奏できますように、ただただ祈る。
これはコンクールではない。勝ち負けのない、ただの発表会だ。
でも、 ピアノを習い始めて4ヶ月。
楽譜もほとんど読めなかったところから、ここまで来た。 そんな、まるにとっては、間違いなく「戦いの日」。
弾く曲は、ミッキーマウスマーチ。
彼女は、戦場に立つ。
そして、自分の手で、勝利をつかみ、奏でるのだ。
勝利のマーチを!
ちなみに、まるが自宅待機中、わたしも自宅にいました。まるが、アマプラでたくさんのアニメを見ている間、わたしはたくさんの漫画を読みました。
…と、いうことで、だんだんと定期開催となってまいりました、
まーさん的おすすめ漫画紹介

本記事の見出し画像をみてピンときた方はいるでしょうか?タイトルはあまりオマージュ出来なかったのですが、見出し画像の“ピアノ”と"場所"と”裸足”でピンとくる方もいるのではないでしょうか?(いてくれると、嬉しいのですが…)
今回紹介するのは
【ピアノの森(一色まこと)】です。
森に捨てられたピアノと、そのピアノに導かれるように出会い、惹かれた少年。
『ピアノの森』は、音楽に人生そのものを重ねていく人々の物語です。
ただ演奏が上手いだけではなく、何を背負い、何を伝えようとしているのかその姿勢が問われる音の戦場。
登場人物たちは、迷い、もがきながらも、自分だけの音を探してステージに立ちます。
読んでいるこちらも自然と背筋が伸び、手に汗を握りながらページをめくってしまう。
読後、しばらく静かな音が胸に残るような作品です。また、美しい師弟愛の話でもあります。
最終話は涙もの!
なお、物語には、かつてナポレオンのために交響曲《英雄》を捧げたベートーヴェンも登場します。
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まるにアニメも見せたいなと思ったのですが、残念ながらAmazonプライムの対象作品ではありませんでした😭またの機会に見せようと思います。
#これから大きくなる君へ
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