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morikoharu
喉の奥で
眠れないのはきっと時差があるからだよと、あくびは思った。時差というのは心の時差のこと。
喉の奥で、今という時へ追いつこうとあくびが、「もう出してもいいんだよ」と何度も小さく膨らんだり縮んだりしている。
あの子は今夜も、ため息の代わりにこのあくびを溢そうとしているけれど、どうしても決心がつかないらしい。口をきゅっと結んで我慢するたび、あくびは行き場をなくして、喉元で不完全燃焼を繰り返している。
「… ふにゃっ」
そんな、間抜けな空気が喉から漏れた。途中で行き止まりになった生あくびだった。あわてて口を覆われ逃げ場を無くしたあくびは、涙目になったその端で、小さな時差を連れてむにゅっ…と心地よさそうに収まった。
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