【詩】Amber Waves
ゆらゆら 波が心をなでる
ゆらゆら 雲が思考をほどく
答えはいつも 風のなか
今はただ この揺れにまかせて
自販機の灯りに蛾が寄って
迷いの粒が光に沿って
プルタブ弾く手 小さく震えて
缶の炭酸 心に浮かべて
笑い声が波に混ざって
街のノイズと夜が重なって
何でもないはずのこの時間
なぜか少し 胸をつかんだ
風がそっと頬をなぞる
問いかけるみたいなその温度
「今ここにいる意味って何?」
影が影と交わした合図
笑ってるのに ふいに曇る
誰かのまなざし 刺さって残る
たった一言さえ言えずに
また問いだけが 夜に沈む
ゆらゆら 波が過去をさらって
ゆらゆら 雲が涙をうばって
声にならない気持ちさえ
夜の海が そっと飲み込んで
花火の煙が空に残って
言葉よりも沈黙が響いて
手すりのサビに指をすべらせ
「今」ってやつを掴みかけてた
坂道は少し濡れていた
それがなんだか心に似てた
隣にいた それだけのこと
なのにどうして 胸がざわつくの?
まばたきの間 こぼれた光
言えなかった想い まだここに
近すぎず 遠すぎずの距離
何も言わずに 救われるとき
夜の海は ただ静かで
問いも答えも なにもなくて
でもそれがいい そんな気がして
少しだけ 肩の荷がおりた
ゆらゆら 波が胸に触れて
ゆらゆら 雲が記憶をなぞる
笑っていた瞬間さえ
どこかで問いを抱えて
正しさばっか 探していた
でもそれすらも 不確かでさ
揺れるたびに見えてくる
誰にも見せない自分の芯
孤独はたぶん輪郭みたい
なくなればきっと曖昧
だけど今は この揺れのまま
ひとつの答えにしなくていい
ゆらゆら 波も 雲も
ゆらゆら 夜も 心も
止まらないから 優しくなれる
そんな気がした あの海辺で
考えすぎるくらいが ちょうどいい
揺れながら ただ 続いていく
また この海に会いにこよう
作詞 山本ホップ
