【映画感想メモ】『それいけ!アンパンマン ばいきんまんとえほんのルルン』幾多の失敗を自信に変えて
小さい頃から、アンパンマンよりばいきんまん派だったという夫。
何やら今年のアンパンマン映画はばいきんまんが活躍するらしい、そして大人にも刺さる内容らしい…!という噂を耳にして気になり、ばいきんまん古参ファンの夫を誘って共に30年ぶりくらいにアンパンマン映画を観てきました!
あらすじ
ある日、1冊の絵本を見つけたばいきんまんは、絵本の中から助けを求める声が聞こえたかと思うと、絵本の中に吸い込まれ、そこで森の妖精ルルンと出会う。怖がりで勇気が出せないルルンは、森で大暴れする「すいとるゾウ」をやっつけてほしいと言う。最初は嫌がりながらも、すいとるゾウに立ち向かっていくばいきんまんの姿に勇気をもらうルルンだったが、すいとるゾウの強さに苦戦を強いられる。絶体絶命のピンチの中、ばいきんまんはルルンにアンパンマンを呼ぶように伝えるが……。
感想メモ
とにかくばいきんまんの良さが詰まりまくった作品でした。ばいきんまんの魅力に30を過ぎて気づきました。めちゃくちゃ良かった、泣きました。
ばいきんまんの圧倒的な技術力と強靭な精神力、すごい。
これまで沢山の失敗をして、それらを絶対に無駄にせず毎度失敗から学び、改善を続けてきた彼だからこそ「おれさまは最強だ!」と言える自信がついたんだろうと思う。積み重ねてきた努力に裏打ちされている自信だから、たとえ何度アンパンマンに負けたとしても、折れることがないんだなあ。
ばいきんまんが絵本の国で限られた資源のなかでメカをつくるシーンは完全にDr.STONEだった。
森と寂れたお城しかないなかでどうするんだろう…と思っていたら、まずはお城にある鉄(ドアノブとかシャンデリアとか)をあつめて、レンガで溶解炉つくって、鉄を溶かして製鉄して、色々な工具をつくるところからはじまった。…すごくないですか???
ルルンのドジによって火傷してからはちゃんんと手袋つけてて、こういう細かいとこからも、ばいきんまんの「失敗を無駄にしない」精神が現れててめちゃ良い。
続いてそれらの工具を使ってメカを作っていくのだけど、墨壺で線を引いて木を切ったり、カンナ削りして加工していったり、プロフェッショナルすぎるよばいきんまん…!
ばいきんまんって毎回色んなメカでアンパンマンに挑んでくるけれど、そのメカを作っていく過程がこんなに丁寧に描かれていたことってなかったよなあと思う(少なくともわたしはみたことなかった…!)。こんなに長尺で作業工程がみれてよかった。初めてその工程を目の当たりにして、ばいきんまんの凄さを思い知りました。
ばいきんまんのルルンに対しての接し方もめちゃくちゃ良くて。
安易に慰めの言葉をかけたりしない、でも突き放すわけでもない、絶妙な距離感。泣いても仕方ない、今できることを淡々とやるしかない、ということを、言葉だけでなく姿勢で見せていくのがとても良い。
アンパンマンは問答無用で守ってくれるけれど、ばいきんまんは背中で語りながら釣り方を教えてくれる人だな、と思った。
ルルンへの接し方とも通じるけれど、ばいきんまん、マネジメント力も素晴らしい。冷静に状況を把握して判断するし、感情に流されないし、優秀すぎる…!
ルルンが余計なことばかりして色々台無しにされて、わたしだったらきっと怒っちゃうと思う(観ててもイライラしてしまった)けど、ばいきんまんはほとんど怒らなかったし責めないしですごいなあと思った。
失敗ばかりだと嘆くルルンに対し、「自分はもっと失敗してきた」と話すばいきんまん。自分のかっこ悪いところもしっかりさらけ出せるところも良い。
ウッドだだんだん完成の最後の工程をルルンに譲るのも素晴らしかった。ラストシーンでばいきんまんがルルンに対して言った「お前ならできる!」という言葉に説得力が生まれてルルンが自信を持てたのは、ウッドだだんだんの制作過程でばいきんまんがルルンに成功体験を積ませたからだと思う。
ピンチの場面で「アンパンマンを連れてこい!」と言ったばいきんまん。アンパンマンのことを心の奥では認めてリスペクトしているからこそ出た言葉だと思う。
でも、それなのにアンパンマンはばいきんまんが負けてしまうかもと不安になるルルンに「ぼくがいるよ」って …。そうじゃなくて、少しでもいいからばいきんまんをリスペクトする一言が欲しかったなあと思ってしまった。でも、「ばいきんまんを助けて」って言われて当たり前に助けに行くアンパンマンは、やっぱりヒーローだなあと思ったな。
最後、ばいきんまんが「ありがとう」と言われている姿になんだか泣けた。なかなかばいきんまんが感謝されることってなかったと思うから…。ばいきんまんの技術力と精神力は、ヒーローにだってなれることをこの映画は示していた。
ばいきんまんに足りないのって、同じ志をもった有能な仲間なんだと思うんだよなあ。もちろんドキンちゃんやホラーマンもいるんだけど、同じ方向を向いて一緒に頑張る仲間ってわけじゃない。
もしアンパンマンと一対一で戦ったら、きっとばいきんまんのほうが断然強い。だけどアンパンマンには一緒に戦う仲間がたくさんいて、新しい顔をつくってくれるジャムおじさんのおかげで無限に等しい命があって。そういう仲間がばいきんまんにも居たらいいのになあなんて思ってちょっと切なくなってしまいました(そりゃ悪役だから仕方ないんだけどさ…!)。そして同時に、毎回ほぼ一人の力で立ち向かっているばいきんまんの凄さにも気付かされました。
まさか30を過ぎてばいきんまんの魅力に気づくとは…!
今年のベスト10に入るかなあと思うくらい心に残った映画でした、観れてよかった!!
ばいきんまん、これからも君らしく頑張って!!
そしていつか、信頼できる良い仲間に巡りあえますように。
[鑑賞メモ]
2024/7/28 横浜ブルク13 シアター9(H-10)にて
(同日に『ルックバック』も鑑賞しました◎)
