親子キャバ嬢ほっこりエピソード
働き始めて程なくしてから、店の更衣室で知った顔を見かけたんですよね。
子供がまだ乳幼児だった頃、地元の情報誌の読者親子モデルをしていた時のお仲間に似てるなーと。
読モだとかママモデルだとか大体そういうことをする女は、
目立ちたがり、出たがり、いくつになってもチヤホヤされたい!ママになっても綺麗な私!!
という承認欲求と自己顕示欲の塊のような、とにかく私と同じ種類の人間なので、そんな女がこんな熟キャバで働いていても不思議ではない…
と思いおそるおそる声をかけてみたら、
「◯本◯◯さん!?」
とフルネームで返されて、8年くらい前なのによく覚えてんな〜と思ったけどこっちは名前が出てこんので、懐かしい〜久しぶり〜とキャッキャ言うて名前部分をぼかしつつ会話を始めた。
「おっとりした普通のママさんだと思ってたのになんでこんなとこいるの〜!?」
と向こうもかなり驚いていて、それは自分でも不思議だがアナタは当時からフェロモン撒き散らして夜の雰囲気出しまくってたから不思議ではないわよね?とは言わんどいた。
そんな感じで昔話で盛り上がっていたら団体さんが入ってきてそのフェロ子と一緒についたのだけど、四人組のその人たちは若い子のキャバクラからの3軒目らしくかなり酔っていて、
「いやー、ここは普通だね、さっきの店すごい子いたのよ。仕上がりが。もうMattみたいな」
「そうそう!20歳のMatt!」
まあ最近の若い子は整形とか普通ですからねーハハハ、と話を流そうとしたのにまだMattいじりをしたい1人がその店の名刺を取り出しその中の1枚を「この子!」と指差した瞬間フェロ子が、
「それ、うちの娘〜!!」
ってその場が凍りついた。
にも関わらずフェロ子は「めっちゃ可愛いでしょ〜人気なの〜」と言って娘の画像やtiktok見せ始めて、冗談かと思ったらほんとに娘だった。
昔私が見た小学生の頃の面影が、一欠片くらいは残ってるフェロ子の娘さん。すっかり大人になって…といろんな意味で感慨深い。
お客さん今更「いやほんとに…綺麗な子で…」って一瞬で酔いが冷めて青い顔してんのにフェロ子本人は全く気にしてない様子なもんだから「お、親子で同じ仕事だとドレス代浮くね〜」とか私もよくわからんフォローしたりでなんとか愉快な雰囲気にするよう努めましたわ。
でもでも、客の手前平気なふりしてるだけで実はフェロ子傷ついてるんじゃないかしら?だってもし自分なら、娘の整形いじられたらその場で客の髪の毛ひっ掴む、と思ったけどその後も彼女は本気で気にもとめていない様子で明るく仕事してた。
謎の強メンタル、フェロ子。
しかしフェロ子は、まだ私ごときには計り知れない更なる謎と闇の持ち主だったのだ……次回へ続く。
