不審だが、無害
ATCというリミナルスペース
インターネットで大阪のATCがリミナルスペースとして有名と聞き、現地に赴いた。
南港の無骨さに触れながら、素材集めのつもりで散策していた。
フィールドワーク、失格
現地に赴いたところ、コスプレイベントと家族連れやカップルが賑わっていた。
事前準備せずにフィールドワークとしては、失格。
商業施設と船の旅客が行き交う場所でもあった。
立ち位置
レイヤーやカメラマンでもない男が、散策するのは第三者から見れば謎である。
そこで焦り慌てたら、本当に不審者扱いになる。
よりによって今回の装いは、黒コートに水色のサングラスという警戒されかねない格好。
ここは堂々とゆっくりと歩くのが正解。
唯一壊れるのは、自分が慌てて自分を壊す行為をした時だけだ。
動きが滑らかである限り、背景となればいい。
怖がられる側と、怖がる側
間を挟みながら、散策していた。
港から近い故か、物流関係者か強面の男たちがレイヤーを怖がり、逆転現象が生まれていて興味深かった。
休憩と観察
しばらくして、カフェでコーヒーとアイスを食して体力を回復させた。
店内は客が少なく、空間を取り戻した気がした。
コスプレイベントは体力勝負な世界だなと感じた。
長時間行動し、尚且つ視線とキャラを維持しながら交流をする。
カメラマンと同様に環境条件を読んで環境に左右されている。
実は一番現実(資金・体力・時間)に縛られている。
それを越えようと挑んでいるのかもしれない。
夕刻、喫煙所にて
夕刻、屋外の喫煙所にてゲームキャラに扮した美少女にライターを貸してと言われた。
快く貸し、催しの内容を聞くことができた。
『ライター貸してもよろしいですか』
『いいですよ』
『ありがとうございます。』
『この催しは何ですか。』
『アコスタというものです。』
『面白そうなイベントですね。』
『そのキャラクターは』
『○○(ゲームキャラクター)です。』
『怖がらせたら申し訳ありません。』
『いえ、素敵ですよ。』
他愛のない会話を交わした。
界隈のルールを知らないものとしては、それ以上で十分であった。
収束
当初の目的は果たせなかった。
だが、催しは面白かった。
彼らにとっては不思議な存在であっただろう。
今度は参加してみるのも一興だな。

