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編集スキルで手に入れた「心のゆとり」と「選択肢」。専業ライターからキャリアを広げられた理由とは

「ライターとしてある程度仕事は取れているけど、これからもこの働き方を続けるのかな?」
「執筆本数を増やして収入を上げるのはそろそろ限界…」

書けば書くほど稼げる一方、自分の働く時間で収入の限界が決まるライターの仕事。フリーランスとしてある程度の経験を積んでいても、将来に対して漠然とした不安を抱いている人も多いのではないでしょうか?

今回は、編集スキルを身につけることでキャリアの壁を乗り越えた3人のフリーランスにお話を聞きました。

独立したてのころ、執筆一本の仕事でキャリアの限界を感じていた3人。未経験から編集スキルを身につけたことで仕事の幅が広がり、働き方にゆとりも生まれたと語ります。

キャリアに悩むライターの方、「書く」を軸に仕事の幅を広げたいと願う方は、ぜひお読みください。

おのまり
新卒で神戸のソーシャルビジネス系の企業に入社。八百屋事業の業務と並行して、個人でブログを運営。退職後、本格的にライター活動をスタートさせ、2021年にフリーライターとして独立。現在は広報サポートのほか、ビジネス記事を中心に、採用広報やメディア記事・サイト・プレスリリースなどの編集・執筆・ディレクションなどを手がける。
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徳山チカ(とくやまちか)
ウェディングプランナー・住宅営業などを経て「どんな場所でも自分らしく誰かの役に立ちたい」とフリーランスライターに転身。現在は、キャリアや生き方にまつわる記事の企画・取材・ライティング・編集などに関わっている。5歳と2歳の男の子のママ。
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やまさきたえこ(ぱん)
接客・販売業を経て未経験からライティングを学び、2023年からフリーランスライターとして活動を開始。SEOや取材記事を中心に600以上の記事制作に携わる。現在は、記事執筆のほか編集・ディレクション・動画編集・SNS運用など幅広く活動中。
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「書く」だけで生きていけるのか。不安と隣り合わせだったライター専業時代

写真:おのまりさん

―― 現在の仕事内容について教えてください。

おのまり(敬称略):
主に担当しているのは、ビジネスや働き方にまつわる取材記事の編集です。また、企業の採用広報の支援にも携わっていて、戦略立案からコンテンツ制作まで幅広く担当しています。

チカ:
個人の生き方や働き方にフォーカスした取材ライティング、グルメ系やキャリア系のオウンドメディアでの編集が主な業務です。ほかには、Webメディア内のコンテンツ制作、紙媒体の制作ディレクションにも携わっています。

ぱん:
SEO記事や取材記事の執筆のほか、編集・ディレクションも担当しています。記事制作以外には、動画編集やSNS運用などもお受けしていますね。

―― 独立してしばらく、ライターとしての稼働が収入のほぼ100%を占めていたという皆さん。当時の悩みについてお聞かせください。

おのまり:
ライターは自分に向いている仕事だと感じていて、居心地は良かったんです。ただ、ある程度まで経験を積み上げたタイミングで成長の鈍化を感じて、「これからどうキャリアを広げていけばいいのだろう?」と悩んでいました。

チカ:
独立当時はまだ子どもたちが小さく、仕事に割ける時間が今以上に限られていたので、執筆業務だけでいっぱいいっぱいでした。一方で、将来のことを考えると、仕事の選択肢を増やす必要もあると感じていて。

ライターの仕事は、書けば書くだけ稼げますが、逆に言うと本数を増やすことでしか収入が上がらないですよね。

育児と両立しやすくて今の自分に合っている仕事だとは思いつつも、「子育てが落ち着いて自分がもっと働けるようになったときに、ほかのこともできるようになっていないと怖い」という不安がありました。

写真:チカさん

ぱん:
ライターになって最初の1年はほぼ休みなしで、目の前の仕事をがむしゃらにこなしていました。2年目に入ったときに、ふと「このままずっと、書くことに時間を捧げ続けるのか?」と疑問が湧いたんです。

おのまり:
ぱんさんの言うこと、わかる気がします。私も駆け出しのころは根性で、限界まで働いていて。もしあのまま執筆一本だったら、フリーランスを続けるのは難しかったと思いますね。

自分の職歴から「編集者カード」を探す。未経験から最初の仕事を取るまでの創意工夫

写真:ぱんさん

―― 編集未経験の状態から、どのようにして最初の仕事を獲得されたのでしょうか?

おのまり:
とにかく、周囲に「編集がしたい」とアピールしていましたね。初めから有償の案件を取ることは難しかったので、ライター関係のコミュニティに身を置いて、無償で経験を積むことから始めました。

実績として見せられる記事が何本かできた段階で求人サイトから応募したのが、最初にいただいた仕事です。

チカ:
おのまりさんと同じく、周りにアピールしていました。

私の場合、編集に興味を持ったのがMarbleスクールの受講中だったので、添削課題を通じて現役編集者の講師に自分を売り込むことができたのは良かったですね。実際、1本目のお仕事はMarbleの講師経由でいただきました。

ぱん:
私は求人サイトで運良く、「ライティングの実績があれば、編集は未経験でもOK」という求人を見つけて応募しました。

実績を作りたい一心だったので、「未経験OK」の条件を見て、「これはチャンスだ」と思いましたね。テスト編集をクリアして採用となりました。

―― スキルを磨く、自分を売り込む、未経験枠に応募するといった方法で、最初の仕事を獲得されたのですね。ただ、そうは言っても、経験が浅いうちは仕事を獲得するのが難しいように思うのですが、未経験から編集者になれた理由は何だったのでしょうか?

チカ:
編集案件に応募するときには、経験の浅さがマイナスにならないように、今までの社会人経験全部から、編集者として活かせる要素を並べてアピールしていました。

たとえば、前職のウエディングプランナーでは、結婚式を作り上げるために、新郎新婦の潜在的な要望や心情を汲み取る必要がありました。その経験は、取材相手やライターの意図を汲み取る編集者の役割にも通じます。

自分の職歴の中から「編集者カード」を見つけて言語化したことで、未経験からの受注につながりました。

ぱん:
私も未経験から編集の仕事に応募したときは、記事のリライトなど今までの経験からアピールできそうなポイントを探しました。ほかの未経験者と差をつけられる部分を見つけて一歩リードできたのが、受注につながった理由だったように思います。

おのまり:
未経験者に仕事を任せられない理由のひとつに、信頼感がないことがあると思っています。その不安要素を取り除くのは、すごく大事ですよね。

もうひとつ、周りとの差別化も意識したいところです。私も編集者になりたてのころから、「ここまでやる編集者、あんまおらんよな」と思えることを見つけて実行するようにしています。

たとえば、初めて一緒に仕事するライターさんには、編集後に必ず「今回の編集でわかりづらいところありませんでしたか?」などとメッセージを送って、コミュニケーションを取るようにしているんですよね。

ライターさんが安心して働ける関係づくりを心がけ、2回目以降の改善をスムーズにすることで、クライアントさんからも信頼を得られて、安定した発注に繋がっているような気がします。

「編集のフィードバック」をもらえる環境で力をつけ、ゆとりのある働き方を実現

―― 書く+αのスキルを身につけるMarbleスクールで編集を学んだ皆さん。実務で学びが活かされた経験を教えてください。

ぱん:
編集講座の課題にいただいた講師からのフィードバックが印象に残っています。ライターの文章の癖と同じように、編集にも癖が出ていることに気づかされました。よりよい編集のために必要なポイントを自覚できたことが、今でも実務に活きています。

おのまり:
私も編集のフィードバックをもらえたのが、すごく大きかったです。普段の仕事で編集に対するアドバイスをもらえる機会はほとんどないので、自分の編集の癖を知れたのは、ありがたかったですね。

もうひとつ、「ライターと編集者は上下関係ではなく、一緒に記事をつくり上げる対等な関係」と教えてもらったことが実務に活きていて。

実際の仕事でも「この部分について、私はこう考えたのですがどう思いますか?」など、ライターの方とコミュニケーションをとりながら進めています。

チカ:
現役メディア編集長の講師の添削課題を通して「どのように赤入れをすれば良いのか」を体感できました。講座で学んだわかりやすいコメントの返し方は、今でも真似して使っています。

Marbleスクール編集講座の添削課題

―― 編集スキルを身につけたことで、キャリアや働き方にどのような変化がありましたか?

おのまり:
ただ文章を書くだけでなく記事の先を見据える視点が身についたことで、仕事が「点」から「線」になり、できることもすごく広がりました。広報戦略の仕事ができるようになったのも、編集スキルを身につけた延長線上にあると感じています。

働き方の面では、「1記事書いたら何円」という稼働時間で収入の限界が決まる状況を脱することができて、より持続可能なフリーランス生活に近づいてきた感じがします。

チカ:
育児で稼働時間が限られるなか、取材ライティングだけで食べていくのは、時間の面でも体力面でもしんどい部分がありました。その点、編集は、ライティングに比べると効率的に稼働できて、働き方が楽になったと感じています。

ライターとして稼働するときも、編集者目線を持った取材やライティングができるようになったのは大きいですね。

「読者は何を読みたいのか?」「このメディアが発信したいメッセージは?」など、自分の仕事の先を考えて動けるようになったのは、編集の仕事を始めたからだと思います。

ぱん:
ライターだけをしていたころと比べると、仕事の選択肢や収入の軸が増えたことで、心が楽になりました。

編集視点を身につけたことで、執筆の仕事でも赤入れの量が減った体感があります。ライターとしてのスキルアップにもつながったので、編集に挑戦してよかったですね。

「書く」仕事はライターだけじゃない。キャリアに悩むあなたへのメッセージ

―― 編集スキルを活かして、さらに挑戦してみたいことがあれば、教えてください。

ぱん:
「これからライターとして頑張りたい」「もっと文章をうまく書けるようになりたい」という方に向けて、添削などで力になれたらと思っています。

私自身がこれまでたくさんの方に編集していただいたり、フィードバックを受けたりしたからこそ、今の自分があるなって思うので。

おのまり:
ぱんさんと似ていて、自分の今までの経験を活かして、何か始めようとしている人のサポートや、サービスを立ち上げることにも挑戦をしてみたいと思っています。

あとは、自分が応援したい企業さんの広報サポーターとして、戦略からコンテンツ制作まで一貫して引き受けられる人になりたいですね。

チカ:
たくさんあります(笑)。まず、4月から始めた個人のnoteなどの執筆をサポートする仕事がまさに編集スキルが活かせる業務なので、これまでの経験を活かしてがんばっていきたいです。

ほかには、編集者目線を活かしてディレクターとしての仕事ももっとたくさん担当していきたいですし、取材ライターとして記事の質も高めていきたいですね。

―― 最後に、キャリアに悩むライターに向けてメッセージをお願いします。

おのまり:
ライターと編集者には、求められる資質や役割が違います。向き不向きがあるので、「ライターとして完璧じゃないから編集はできない」と諦める必要はないと思います。

もうひとつ、自分の経験から感じるのは、必ずしも「好き」ベースでキャリアを考えなくてもいいということです。興味より得意や資質を活かすキャリアの切り開き方もありだと思います。

挑戦してみて違ったら、また違うものを選べばいいのです。不安でも、いったん徹底してスキルを磨き続ければ、いくらでもキャリアの軌道修正はできます。

チカ:
ライター、編集者に限らず、「書く」にまつわる仕事は本当にたくさんあります。自分が好きな作業を書き出してみたり、思いつく職種をリストアップしてみたりすることで、挑戦したい仕事が見つかるのではないかと思います。

周りで働き方や生き方が素敵だなと思う人の真似をしてみるのもいいですね。

ぱん:
自分の頭の中だけで考えていると、視野が狭くなりがちですよね。信頼できる人に相談したり、交流を広げたりしながら自分にない発想を取り入れることで、キャリアを前に進めやすくなるのではないかと思います。

***

編集スキルを身につけたことをきっかけに、仕事内容や働き方が変わり、今後のキャリアを描けるようになった3人。目の前の仕事に真摯に向き合い、挑戦を続けてきた彼女たちの言葉には、説得力がありました。

これまでのライター経験を活かして、ぜひ編集の仕事に挑戦してみませんか。この記事が、あなたの新たな一歩を後押しするきっかけになれば幸いです。

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〈取材・文=なおみ(@beteko555)/編集=まりしゅん(@bubbly_free)/監修=えるも(@chanmoexx)〉

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