タイ人母が作る、スパイシーで自由な日本料理
家で食べる日本料理は他所のとなんか違う。
美味しいんだけど、何かが違う。
幼いながらにそう感じていたけれど、大人になってからその理由が分かった。
それもそのはず。
うちの「和食」には、かなりの確率でタイ食材が入っていたのだ。
たとえば、
オムライスのケチャップライスにはナンプラー。
カレーライスには生唐辛子が丸ごと一本。
味噌汁の具にナスとバジルが入っていたこともある。
きっと、揚げ物なんかにもタイの調味料が入っていたに違いない。
タイ人母なりに、子供のために「日本の家庭料理」を作ろうとした結果だろう。当時はまだスマホや翻訳ツールもなく、日本語もそれほど得意ではなかった母にとって、日本料理をきちんと学ぶのは難しかったはずだ。
だからきっと、テレビ番組で理解半分に見た日本料理のレシピと、自分の慣れ親しんだタイの味を掛け合わせて、感覚的に作っていたのだと思う。その結果、我が家の日本料理はどれもほんのり、いやかなり(?)、タイ風になった。
それが「うちの味」。
他所では食べられない、うちだけの、とっておき。
母が作る日本料理は、どこかスパイシーで自由だ。
それは、異国で子供のために料理を作り続けた母の、
試行錯誤と愛情のかたち。
mari.
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