あの日ごちそうになった仙台のせり鍋、からのお雑煮風 仕事のある日ごはん1月6日
大学受験のために泊まった、仙台のゲストハウスで作ってもらったせり鍋の味が忘れられない。
ゲストハウスに泊まること自体もほぼ初めてだった中「夜せり鍋作るので一緒に食べませんか?」というスタッフさんからのお誘いには驚いたが、せっかくなのでごちそうになってみた。
買い物から帰ってきたらちゃぶ台の真ん中で鍋がグツグツ煮えており、それを囲む輪に入れてもらう。せり鍋が仙台名物であることもその時初めて知ったけど、鶏肉からの出汁とシャキシャキで香り高いせりのハーモニーは衝撃の美味しさで脳に刻み込まれている。「せりの根こそが美味しいんだよ〜」と熱弁されたことも。
以降せりを見るたびに美味しかったせり鍋が頭をよぎり再現したくなるのだけれど、まだあまり上手くいったことはない。
今日せりを手に取ったのは翌日の七草がゆのため。七草セットもあるけれど1人分には多すぎるのがオチだし、好きな味のせりだけあれば十分かな。
しかしまたもや美味しかったせり鍋が思い出されて、せっかくなら鍋もするかと鶏もも肉と豆腐もカゴに入れた。
ちょうど作ってあった水出し椎茸昆布だしを土鍋に注ぎ薄口醤油を加え、煮立ったところに鶏もも肉を入れる。続いて豆腐と主役のせりの根を加えて、温まったところで火を止め切ったせりを載せて蓋をし食卓へ。

大根おろしも用意しいざ実食。鳥の旨みが出たスープにせりの風味が最高、これはかなりあの日の味に近い…?少なくとも今までトライした中では一番美味しい。今回は出汁があったことが良かったのかもしれない。
作っているなかでふと思い浮かんだ。この美味しいだしと家にあるお正月食材の残りで宮城のお雑煮は作れないだろうか?
仙台のお雑煮は焼きハゼという魚でだしを取りそのまま丸ごと入れるのが有名だけれど、鶏肉で取った出汁に角餅を浮かべるというご家庭も多いそう。私の愛読していたおせちの本で紹介される宮城のお雑煮にも焼きハゼは載っておらず、澄み切った汁に伊達巻やイクラが載った具だくさんさが印象的だった。
いくつかのページを調べてみると
・大根、人参を千切りにして凍らせた「お引き菜」と呼ばれるものが入る
・凍み豆腐を細切りにして入れる
・せりを添える
ことは多くのお雑煮に共通していそう。
鶏肉だしはクリアしているし、生のせりもある。お引き菜風のものを作って冷凍庫で凍らせる間にせり鍋を楽しみ、少し具が減ったところで餅を焼いて、高野豆腐とかまぼこを加えお雑煮にアレンジ。

私、一番好きな食べ物が高野豆腐なのでお雑煮に入っていると聞くだけでテンションが上がります。お出汁が染みて言わずもがなのおいしさ!細切りと言っても存在感がかなり出てしまっているけれど、「凍み豆腐」は元から薄く戻しても大きくならないそうだからその差かもしれない。
そして印象的なのがお引き菜のおいしさ。シャキシャキ感が残って煮えているのがたまらない、新感覚のおいしさなのだ。考えてみるとせん切りになった根菜の煮物はあまり食べたことがないのかもしれない。大根を長めに切って凍らせて麺代わりにしてみてもおいしそうだなと妄想が膨らむ。
そこにせり鍋のエッセンス、鶏だし×せりの香りが全体をまとめていてとてもおいしい一椀。今日は入れないけど、いくらなんか載ったら超ごちそうじゃないか。

今日は本やネットを手がかりにしてせり鍋のついでに作ったお雑煮もどきだけれどいつか本物が食べたいなぁ、と強く思った。
そして本当の本題、七草がゆ(せりオンリー版)も翌朝無事に作りましたとさ。
シンプルなおかゆもおいしかった。しみじみと。

