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東京で“奈良の国宝”に出会える!法隆寺宝物館の魅力【東京さんぽ】

上野公園の東京国立博物館には、意外と知られていない穴場スポットがある。それが「法隆寺宝物館」だ。

なぜ奈良の法隆寺の宝物が東京に?

「えっ、なぜ法隆寺の宝物が東京にあるの?」と私も初めて知った時は驚いた。実はこれには、明治時代の複雑な事情がある。

明治維新で神仏分離令が出されると、それまで一緒に祀られていた神道と仏教が完全に分けられることになった。新政府が天皇中心の神道国家を目指したからだ。これをきっかけに廃仏毀釈の嵐が吹き荒れ、全国の寺院が危機に陥った。

法隆寺も例外ではなく、急激な財政難に見舞われてしまう。そこでお坊さんたちが考えた苦肉の策が、貴重な宝物を皇室に買い取ってもらうことだった。聖徳太子ゆかりのお寺ということもあり、現在の価値で数億円での買取が決まったそうだ。

ただ、皇室にも大量の寺宝を保管する場所がない。そこで、当時建設予定だった東京帝国博物館(現在の東京国立博物館)に納めることになったのだという。時代の波に翻弄された貴重な文化財が、こうして東京で大切に守られることになったのだ。

建物そのものが美しい空間

東京コレクションの会場としても使われる

法隆寺宝物館の建物もぜひ注目してほしい。東京国立博物館の正門を抜けてすぐ左の道を進むと、美しいモダンな建物が現れる。設計はMoMAニューヨーク近代美術館や、京都国立博物館の平成知新館も手がけた、谷口吉生さん。

館内は東京国立博物館の本館と比べると驚くほど静かで、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと鑑賞できる。現代建築と古代の美術品が織りなすコントラストも、また格別だ。何より嬉しいのは、国宝の展示品も撮影できるという貴重な空間だということ。

飛鳥時代の美に出会える場所

手足が細くて長い、というアンバランスさが好きだ

私が特に好きな場所は、1階の金銅仏エリアだ。飛鳥時代の仏像には、まだ日本独自の仏教美術が確立される前の、大陸の影響を色濃く残した魅力を持っている。それでいて、胴体と頭のバランスが不恰好でかわいらしい。

摩耶夫人および天人像

中でもブッダのお母さんである摩耶夫人および天人像の躍動感!ブッダ誕生の喜びと慌てふためき感がうまく表現されている気がする。

ガラスケースに収められた金銅仏がずらりと並ぶ様子は圧巻の一言。このエリアのソファに腰掛けて、極限まで抑えられた照明に照らされた仏像たちが鈍色に光る様子を楽しむ。

ちなみにエントランスに置かれているカッシーナの椅子に座って外の水盤を眺めるのも癒しのひとときだ。特に八重桜の季節は本当に美しいのでオススメです。

お得に楽しむコツ

実は法隆寺宝物館は、東京国立博物館の特別展のチケットがあれば無料で見学できる。私は東京国立博物館の友の会に入っているので、いつでも自由に出入りできるのが嬉しい。

友の会は年間7,000円で、国立博物館(東京・奈良・京都・九州)の平常展はいつでも無料特別展の無料観覧券も3枚ついてくる。特別展は1回1,800円ほど、平常展も1,000円かかることを考えると、かなりお得だと思う。

静かなひととき

法隆寺宝物館は特別展のチケットがあれば、無料で入場できるので、時間に余裕を持って訪れるのがおすすめ。土日でも混雑せずに観れることも嬉しい。

現代の喧騒から少し離れて、古代の人々の祈りと美意識に思いを馳せる。そんな時間が、日常に小さな豊かさをもたらしてくれる。法隆寺宝物館は、そんな特別な空間なのだ。

まずは特別展を訪れた際に足を運んでみてほしい。きっと新しい発見があるはずだから。

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