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健やかに一年を始める

 元旦の朝、散歩から帰り、年の瀬に作ったおせち料理を重箱に詰めた。
黄金色の栗きんとんが輝いている。これは息子の大好物で、我が家のおせちの花形である。さつまいもは秋にうちの庭で収穫したもの。低温でじっくり焼いて甘さを引き出し、丁寧に裏漉ししてある。栗は里山で拾った山栗をシロップ漬けにしたものを・・というのが理想だったが、それは叶わず市販の甘露煮を使った。来年こそは栗も自家製にしたいところである。

 なぜおせちを毎年手作りするのかと言えば、家族の健康を祈る「間」をつくるためだ。時間をかけ、手間をかける。それは初詣にお参りするときの心持ちと同じような感じ。だからおせちを作るのは年末のタスクとしての単なる作業ではなく、家族が健やかに暮らすため祈りの儀式のようなものであり、一年の終わりと始まりの大切な営みとなっている。

 そうでなければ、さつまいもをいちいち裏漉しするとか、黒豆を弱火で5時間煮るとか、かんぴょうや身欠きにしんという普段買わないものを探し回り昆布を巻いて煮るとか、面倒くさいことをわざわざやるはずもない。
 
 それに年末はおせち作り以外にもやりたいことは山積みである。それでも手を動かすしながら呼吸や思考をスローダウンさせて、ひたすら大根の千切りに集中する。料理をしながら心穏やな瞑想状態になれば、とても充実した時間になる。

 松前漬け用に買っておいた、あたりめが行方不明になり(きっと息子の仕業)、田作り用のくるみも無くなってしまったので代わりにピスタチオで代用した。幻想的な完璧は目指さず、創意工夫して満足することが大切と思う。

 清々しい気持ちでお正月を迎えられていることに感謝したい。
 私たちの世界が、健やかで幸せな一年になりますように。

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