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【高島回顧録】鈎の話・補足(1)フロートパイプ

鈎は、大物を掛けても折れたり伸ったりしない堅牢性と、鈎掛かりの良さ、掛かったら外れないこと、さらに安価であって欲しい。なにより重要なのは自然な潮馴染みで、魚にサシ餌を悟られない事が肝要。

そのためには水の抵抗を少なく、比重を軽くしなくてななりません。しかし鈎は華奢になるほど脆弱で、実際の鈎トラブルより心理的な不安が先行すると打つ手を誤ることさえ。

そこで私は、太く大きな鈎でありながら、かつ潮のりが良く──と図々しく理想を考えます。そして使ってみたのが、フローティングパイプ。フカセ釣りなら「潮受けゴム」などとして使われる道具の一つ。

それは透明なシリコン樹脂で出来ている、直径5mmほどの管。管といっても中心を貫通している孔は極めて小さくて0.8mmだそうです。

釣具屋さんでは、この透明な孔開き管が10~15cmに切って売られていて、釣り人は、それを好みの長さに切り分けて用いる。たとえば長さ5mmなど。

フロートパイプ

水を1とした場合、シリコン樹脂の比重は0.95、釣り鈎に用いられる鋼の比重は7.85。論理的には[7.85ー0.95=6.9]という計算で、私は約12%軽い鈎で釣っているという意味です。スーパー屁理屈。(笑)

それでも一尾のヒラマサを釣るために考えて選んだ道具であり技です。実践で使ってみて手応えがあれば、それは私の中で完結する実績。もしかすると、却って邪魔になっているだけかも知れませんが──。

ともかく。フロートパイプを私は3mm~10mmほどに切り、ハリスへ通して、チモト上へセットする。時にはハリス上を遊動させ、時には細い楊枝を挿してハリスに固定させる。

すると鈎の浮力が上がって、僅かであっても潮のりが増す。さらに、フロートパイプの断面は潮の流れを受ける抵抗を発するので、鈎とサシ餌はまんまと潮に馴染んで潮下へ漂う。そこへカゴ錘から放出されたコマセが漂い、ヒラマサはサシ餌にかぶりつく!

「よし、来た!」これが釣り人の夢の物語です。

細かい芸を思うなら、パイプの断面を垂直ではなく斜めに切った場合、潮流の抵抗を受けて潮筋からカーブさせたり。ルアーや毛鈎の動き方を査べたときのように、風呂の浴槽で試してみました。w

ただし潮の加減か、取り扱いが悪いのか、ときどきフロートパイプが原因でハリスが絡まって一結びが入ってしまったり、鈎がフロートパイプの上側に引っ掛かって縺れたり、それで手返しが悪化する場合があります。

やはりハリスが細いほど、しなやかな分だけ絡む事も多いようです。あまり手返しが落ちるときは、さっさと外して釣りに集中したほうが良いですねえ。それから激流のような潮では、却ってサシ餌が急速に浮き上がるばかりで、ほとんど邪魔なだけ。使いません。

カゴ釣りは、いかにして潮を掴んで魚の鼻っ面へサシ餌を置くかが勝負。想像や空想が上手く嵌ったときに一匹は、たとへ小さなヒラマサでも歓びは一入。釣れたのではなく、釣ったと思える貴重な瞬間です。

タカイワのヒラマサ

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山口県岩国市の洋服屋フジタです。メンズファッションの創生期にVANショップとして、アイビーファッションの真ん中を歩んできました。デフレファッション、ファストファッションが主流になって久しいこの業界で生き残る本物の男ファッションとは何だろうか。たんなる昔話ではなく、温故知新の傍らでnoteを綴ってみます。高島のヒラマサカゴ釣り、ヒストリックカー道楽も。

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