元日の夢に残った、色と移動の感覚
元日の夜、旅をしている夢を見た。
物語としては断片的だが、色と空気感だけがはっきりと残っている。
舞台は、海外の穏やかな海沿いの観光地だった。
海と空が近く、少し高台になった場所は風が心地よく、立ち止まって先の行動を考えるにはちょうどよい場所だった。
一緒にいたのは妹で、そのとき私は自転車に乗っていた。
印象に残っている色は、淡い水色と淡い茶色。
派手さはないが、視界全体がその色調で統一されていた。
夢の中で、拙い外国語を使い、この先どう進めばよいかを誰かに尋ねた。
返ってきた答えは、「今日はここに泊まって、明日の朝に出発した方がいい」というものだった。
急ぐ必要はなく、一度落ち着く判断が、自然なものとして提示されていた。
夢の前半には、別の場面があった。
夕闇が迫る職場にいて、仙台へ向かう話が出ていた。
他の先生と予定が合えば一緒に行くつもりだったが、結局は別々に向かうことになる。
誰かは分からないが、知っている人が途中まで車で連れて行ってくれ、帰りは自分で戻る、という流れだった。
そのときの私は、完全に「車で行く気」でいた。
暗い校舎から、明るい海外の海沿いの街へ。
場面は唐突に切り替わるが、夢の中では不自然さはなかった。
むしろ、切り替わった後の方が、圧倒的に心地よかった。
あとから振り返ってみると、この夢は「意味」を語るものというより、
今の自分の状態を、移動手段と色で整理したもののように思える。
車は効率や目的を優先する移動手段であり、
自転車は速度を落とし、風や景色を受け取りながら進む手段だ。
夢の中の私は、車で進むつもりでいながら、実際には自転車に乗っていた。
さらに、「今日は進まず泊まる」という判断が、迷いなく受け入れられていた。
淡い水色と淡い茶色の組み合わせも象徴的だ。
空や海の広がりと、地面に足をつける感覚。
移動と滞在、思考と身体、その両方が過不足なく並んでいる。
この夢が心地よかった理由は、
何かを達成したからでも、どこかに辿り着いたからでもない。
「急がなくていい」
「今日はここでいい」
そう判断している自分を、夢の中で確認できたからだと思う。
夢は未来を示すものではない。
ただ、意識では整理しきれていない現在の状態を、
色や風景として一度、平面に並べてくれることがある。
元日の夢としては、十分すぎるほど静かで、現実的な内容だった。
だからこそ、記録として残しておきたいと思った。
