もう薬ないから‼️——お盆の薬局で自動ドアが殴られた日
お盆期間中の水曜日。
常連の患者さんが、かなり憤慨した様子で薬局に入ってきた。
「月曜日、夕方来たら閉まってるじゃん。休みだったの?」
私は、薬局内に掲示してあるカレンダーを指差した。
「月曜日は5時までの営業でした。お盆期間中ですので」
すると患者さんは、
「閉まってるから、処方箋出せなかったよ。聞いてねーし💢」
と吐き捨てた。
「個別にご連絡はしていません。申し訳ありません」
薬局内には、お盆期間中の営業時間を案内している。
とはいえ、普段と営業時間が違うことに気づかなかったのだろう。
「今日は何時まで?」
「今日は2時までです」
「じゃあ、できたら家まで配達して‼️ もう薬ないから」
処方箋を見ると、一包化。
まだ午前中なので、2時までに作る時間は十分にある。
「今日、取りには来られないんですか?」
「これから透析なんだよ‼️」
なるほど。
透析なら時間もかかる。
しかも薬がない状態なら、それは困るだろう。
念のため確認したが、こういった個人的な事情で薬を配達することはできないとのことだった。
そりゃそうだ。
患者さん一人ひとりの都合に合わせて配達できるわけではない。
「申し訳ありませんが、配達はできません。2時までに取りに来ていただけますか」
そう伝えると、
「じゃあ、親に頼むからいいよ💢」
と言って、入口の自動ドアをパンチして出て行った。
待合室にいた患者さんたちも、そのあまりの剣幕に少しシーンとなった。
スタッフも皆、呆れ顔である。
この患者さんは常連だ。
少し自分勝手なところはあるが、根は悪い人ではない。
透析は大変だ。
薬局に来たら閉まっていた。
薬もなくなる。
これから透析。
いろいろ重なって、イライラしてしまったのだろう。
とはいえ。
物に当たるのはよくない。
そして2時近く。
忙しさですっかり忘れていたのだが、ふと気づいた。
「〇〇さん、薬取りに来てないね〜」
すると別のスタッフが言った。
「さっき、名乗らない電話があって、明日取りに来るって」
「え?」
「名乗らなかったけど、〇〇さんだよ」
……。
さっき、
もう薬ないから‼️
って言ってたよね。
薬、大丈夫なのかね。
※この様な話は、「現場メモ」にまとめています。
