「待ってる人いないのに、まだできてないの?」薬局の待ち時間の裏側
薬局で働いていると、よく言われる。
「待ってる人いないのに、まだできてないの?」
実はこれ、薬局ではわりとよくある言葉だ。
一度外出した患者さんが戻ってきて、
「まだできてないの?」
「待ってる人いないじゃないか」
と言われることもある。
うちの薬局は薬剤師も多い。
だから患者さんから見ると
「すぐできるはず」と思うのかもしれない。
でも実は、薬局の仕事は
待合室にいる人数だけで動いているわけではない。
実は、患者さんからは見えていない処方箋もある。
薬局には、窓口以外からも処方箋が届く。
例えば
・LINEで送られてくる処方箋
・EPARKなどの処方箋送信サービス
・施設からまとめて来る処方箋
待合室に誰もいなくても、
裏では別の処方箋の処理が進んでいることがある。
在庫がない薬が出たとき
もし薬局に在庫がない薬が出た場合、
すぐに諦めるわけではない。
まず欠品していないか確認する。
それでもなければ
・近隣薬局に借りられないか連絡
・借りられる場合は取りに行く
・卸に在庫確認や発注
という対応をしている。
医師への問い合わせ(疑義照会)
処方箋に疑問があれば、医師へ確認する。
これを「疑義照会」という。
疑義照会をすると
・医師からの折り返し連絡を待つ
という時間が発生する。
すぐに返事が来るとは限らない。
医師ではなく、病院側の事務のミスということも
少なくない。
時間がかかる調剤
処方内容によっては、どうしても時間がかかるものがある。
例えば
・残薬調整
・錠剤の一包化
・粉薬の計量
・軟膏のミックス(混合)
一包化や軟膏のミックスは、
安全に作るために時間がかかる作業だ。
監査(最終チェック)
薬がそろったら終わりではない。
薬剤師が
・薬の種類
・量
・処方内容
をもう一度確認する。
この監査にも時間をかけている。
実はここも時間がかかる:事務の仕事
私は事務なので、事務目線から言わせてもらう。
薬を渡す前に、
事務でもかなり細かい確認をしている。
例えば
・保険の確認
・負担割合の確認
・公費かどうか
・受給者証など必要書類を写真に撮る
分からなければ、医療機関や保険者へ問い合わせることもある。
それだけではない。
・加算の取り忘れがないか確認
・期限が切れた保険の整理
・吸入指導加算等のコメント入力
・お薬手帳に名前がなければ名前シールを出す
・不足薬があればメモを入れる
・不足薬袋を準備する
一つ一つは小さな作業だけれど、
手数はかなり多い。
実は一番時間が止まる瞬間
そして、薬局で一番時間が止まる瞬間がある。
それは
投薬中に処方内容が変わること。
例えば説明している途中で
「この薬も欲しかった」
「薬が減るなんて聞いてない」
「湿布出てないの?」
と言われることがある。
この場合、その場で薬を追加することはできない。
まず
・医師へ疑義照会
・医師からの返事を待つ
・処方内容を修正
・薬を出し直す
・入力をやり直す
・薬袋や帳票を全部出し直す
さらに、今入力している人の作業に
処方修正を割り込ませることになる。
つまり
薬局の流れが一度止まる。
実はこれが
待ち時間が長くなる一番の原因だったりする。
一番の時間短縮はこれ
もしできれば
処方箋を受け取ったときに
・薬が減っていないか
・欲しい薬が出ているか
・湿布などが抜けていないか
を確認して、
その場で病院で解決してきてもらえると助かる。
それが結果的に
薬局での待ち時間を一番短くする方法になる。
もう一つの方法
一番いいのは
LINEやEPARKで処方箋を送って、後から取りに来てもらう方法。
この方法だと
薬局側も事前に準備ができるので
待ち時間をかなり短くすることができる。
最後に
薬局で働いていると、こういうことはわりと普通に起こる。
患者さんからは見えないけれど、
裏ではたくさんの作業が同時に動いている。
だから
「待ってる人いないのに、まだできてないの?」
と言われることがあるが、
その理由は、ちゃんとある。
薬は、間違えれば大きな事故につながるもの。
見えないところで確認している時間も、
すべて「安全に渡すための時間」。
少しだけ、待ってもらえると嬉しい。
もしよければ、フォローしてもらえると嬉しいです。
