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3歳児にも「花金」と「サザエさん症候群」があるらしい

息子の登園渋りは、初めに比べるとかなり落ち着いた。

気持ちの切り替えが出来るようになってきたのは、「曜日」という概念が少しずつ分かってきたからなのではないかと思う。


きっかけは、とある木曜日の夕方のこと。

「明日は上靴を持って帰る日だよ」

私がそう伝えると、息子の顔がぱあっと明るくなった。
上靴を持って帰れば次の日が休みだと分かっているのだ。
なんなら月曜日の帰りから上靴を持って帰ろうとしていたくらい。

そして、息子のなんでなんで攻撃が始まった。


「あしたはうわぐつもってかえるひ?」

「そうだよ」

「なんでうわぐつもってかえるの?」

「次の日がお休みだからだよ」

「なんでつぎのひがおやすみなの?」

「うーん、土曜日だから、かな?」

「どようび?」

「そう、土曜日と日曜日はお休みなんだよ」

「どようびと、にちようびは、ようちえんいかない?」

「そうだよ」


それから、息子の中で「土曜日」と「日曜日」がお気に入りの言葉になった。



日にちが変わって金曜日。
しっかり上靴を持って帰ってきた息子は、家に着いてからのテンションがやけに高い。

ひたすら喋るか歌うかしながらトミカで遊んでいるのだ。

今までは、不機嫌になるか、すぐに寝るかだったのに。


「そこにいる息子はなんであんなにテンションが高いの?」

仕事から帰ってきた夫が不思議そうにしている。

「うーん、明日が休みだから?花金みたいなもんかな?」

「サラリーマンじゃん!まぁ、幼稚園に行くのも"お勤め"みたいなものか」

お勤め!
たしかにそうかもしれない。


「あしたは、どようびでようちえんいかない?」

寝るまでご機嫌な息子に何度も確認されたのだった。



土曜日の朝、起きてからの第一声はこれだ。

「きょうは、どようびだからようちえんいかない?」

私が「そうだよ、行かないよ」と答えると何とも嬉しそうな顔をする息子。

そんなに行きたくないのか…?


そして、夕方になるとまた確認攻撃が始まる。

「ねておきて、にちようびもようちえんいかない?」

これまた何度もしつこいくらい聞いてくる。


この調子だと日曜日の息子の様子が目に見えている。



そして迎えた日曜日。

予想した通り、夕方あたりから不穏な空気が流れ始める。

「あしたままうえにおこしにきてほしくない」

パパと2階の寝室で寝ている息子は、私が朝に起こしに来るのが嫌みたいだ。
なぜなら、起こされたあとは幼稚園の準備が待っているから。

「ねぇ、まま?あしたおこしにこないで」

既に涙声である。

このとき、アマプラ以外で滅多にテレビを見ない我が家では珍しくテレビがついていた。
流れていたのは偶然にも『サザエさん』だったのだ。

「3歳にもサザエさん症候群ってあるんだね」

そう言って夫と一緒に笑っていたけれど、それは息子の中に「曜日」の感覚が芽生え始めた証拠だとも言える。



「よるねて、おきたらなんようび?」
「あしたはなに?なにようび?」

小さなサラリーマンは頻繁に明日が何曜日なのかを確認してくる。

「火曜日だよ」
「明日は木曜日だよ」

そう答えると

「かようびは、ようちえんいく?」
「もくようびはいく?いかない?」

と、その日が幼稚園に行く日なのか行かない日なのかを確認してくる。


だけど、「金曜日だよ」と答えたときだけは目がキラッとするのがよく分かる。


そして、日曜日の夜は憂鬱になる時間もあるけれど、ある程度ぐずぐずしたら、自分で翌日の幼稚園の持ち物を準備し出す切り替えっぷりなのだ。


そんな息子の様子を見ていると、「あぁ、息子ももう社会の一員なんだな」と感慨深くなる。


月曜日になれば、また「ようちえんいかない!」とごねて、私の頭にツノを生えさせることもあるだろう。

そう考えると、私も日曜日の夜は「サザエさん症候群」になるし、金曜日の夜は「明日の朝は急かしたり『押し問答』をしたりしなくて済む」とウキウキする。


3歳も30代半ばも、考えることは同じなのだ。


少しだけ大人の仲間入りをした小さなサラリーマンと一緒に、私もまた、週5の"お勤め"を乗り切っていこうと思う。


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