"ウィッチフッド"をつなぐ居場所づくりについて
前回、「ウィッチフッド」という新しい概念について記事を投稿しました。
この概念について脳内でこねくり回し、居場所・つながりづくりの活動へ発展させました。
今回は、最初の一歩を踏み出したばかりのこの活動についてまとめてみます。
「ウィッチフッド」についての再確認
ウィッチフッド(witchhood)は、シスターフッド(sisterhood)という言葉から着想を得た造語。
森の工房に住む魔女(witch)のように、孤独を過度に恐れず、静かな暮らしを愛する人たちと、そのつながりを指します。
ウィッチフッドにおけるウィッチは、たとえばこんな人のことを指します。
既存の場やつながりでは心地よさを得られなかった人
・密なコミュニケーションが苦手
・ひとりの時間を大切にしたい
・競ったり争ったりしたくない
支援の対象になりにくい人
・物理的・精神的にある程度自立している
・要救助者としてラベリングされていない
・積極的に助けを求める声を上げられない
創作活動や作品鑑賞が好きな人(*創作活動をしているかどうかは問いません)
・創作活動を通じて想いを表現するのが好き
・創作された作品を味わうのが好き
つくりたい居場所・つながり
「他者との境界を大切にする人のための”場”と”つながり”をつくる」というのが、私が掲げる目標です。
ウィッチフッド的な人をピンポイントに支援するための、ニッチな居場所づくり活動ということになります。
居場所・つながりが備えておきたい要素は以下のもの。
低干渉型
・密なコミュニケーションを強いられない。ただそこにいるだけでも大丈夫。
・お互いの存在を「押し付け合う」のではなく、「静かに感じる」ことで孤独感を軽減できる。
クラウド的
・物理的な形や定位置をもたない。だからこそ、どこにでも行ける。どこからでも行ける。
慢性期的
・劇的な変化はもたらさない。日常に長く静かに寄り添う。
媒介としての創作作品
・創作すること/創作物を味わうことで、心が満たされる。
・視線を交わすのが苦手でも、作品を見つめていれば隣に立つことができる。
つくりたい理由
このような形の居場所・つながりをつくりたいと思ったのは、第一に「私自身が欲しいものをつくる」という観点からはじまった活動だからです。
ウィッチフッド的な人の特徴として挙げているものは、すべてわたしにも当てはまります。
ひとりが好き、でもどこかで、うっすら人と繋がっていたい。
つながりを掲げるコミュニティの多くは、積極的な発言や交流を重視します。突発的な交流が苦手なわたしにとっては、少しハードルが高く感じられました。
ただ「いる」だけで許される場が欲しい。欲しいなら作ってみよう。そうして、場づくりをはじめました。
その他に、以下のような理由が挙げられます。
積極的なコミュニケーションが苦手な人にも、居場所やつながりが必要だから
・居場所づくりやコミュニティ運営では、発言や交流が重視されがち
・「いるだけ」でも許される居場所やつながりを実現したい
助けを求める声をあげられない人に情報や知識を提供することで、現状を変える可能性がうまれるから
・急を要する要救助者ではなくても、支援が必要な人はいる
・支援によって今よりも良くなることができるのを知らない人がいる
・急性期的な救済ではなく、慢性期的に持続する支援をめざしたい
創作のちからを信じているから
・創作活動や作品鑑賞によって救われる人を増やしたい
・創作に関わる人を支援することで、創作サイクルを回したい
具体的な活動内容
はじめの一歩として、Discordに専用サーバーをつくりました。
ウィッチフッド的な人がうっすらとした所属感を得るための、「日記帳よりオープンでSNSよりクローズド」なオンラインのサードプレイスです。
参加者はそれぞれ、専用の個人スレッドを持ちます。そこは自分のテリトリーで、創作物・日記・写真などを自由に投稿できます。
他者のスレッドを覗きに行き、リアクションやコメントをするのも自由です。ただし、それに対するリアクションも自由。コミュニケーションは決して強制されません。
数字が可視化される激しめのSNSが苦手な方に、静かで落ち着いたつながりを提供します。
また、交流用には別途チャンネルを設けています。自分の活動や作品を、もう少し多くの人に見てもらいたいときに利用できます。
困りごとの相談やお役立ち情報の共有ができることが理想です。
オフラインでの活動も検討中です。
私自身がつくる作品を媒介に、フリーアクセスな場を形成します。主に私が住む徳島県を中心に開催することになるでしょう。
私自身の役割
こうしてつくった居場所の中で、私自身は「いち参加者」として存在することになります。前述の通り、私自身が欲しいものをつくったのだから、活用しない手はありません。
それでは、「設立者」「管理者」としてなにができるでしょうか。
ただ運営していくだけでもいいと、最初は思っていました。しかし、つくっただけで放置しているのではもったいないし、この場所を必要としている人の目に届ける努力もしたい。
幸い私は行政書士の資格を所持しており、また、医療業界で長く務めてきた経験があります。
・行政書士としての知識や、資格があることによって可能になるお手伝い
・医療業界に長くいることで得た制度の知識
・創作者として活動する中で経験した悩みや孤独の解消方法
・精神的に不安定な時期を経てなんとか生きている自分自身
ここまで生きてくる中でたくさんの人に助けられ、いろんな知識や経験を得ました。それらをこの活動に活かすことで、居場所がより良くなり、周囲の人や社会への恩返しにつながると考えます。
これから
この居場所・つながりを必要とする人は少ないかもしれません。でも、それでいいと思っています。
万人に向けた大きな居場所をひとつ作るよりも、ニッチで小さな居場所をたくさん作り、それらが連帯していくほうが、多様な人・時期によって変わるニーズを満たすことができると考えます。私はその「ニッチで小さな居場所」のひとつをつくりたいのです。
まだはじまったばかりの活動です。こういったことをするのは初めてで、失敗もたくさんするでしょう。
それでも、少しずつ前へ進めていけるはずです。
