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NTT西日本の障害を見て

 少し更新期間が空きましたが、ちょっと気になるニュースがあったので久々に記事を起こしました。(更新怠けてました、反省、、、)
 そのニュースは2025年9月16日、関西エリアで発生した大規模通信障害についてです。大阪・京都全域、兵庫の一部を中心に、固定電話最大116万回線、ひかり電話最大111万回線に影響しました。緊急通報にも支障が出る事態となり、改めて通信インフラの重要性が浮き彫りになりました。
 今回の障害の原因の記事がいくつかありますが、何が起こっていたのか、この障害から何を気を付けなければならないのか記事に書き起こしてみました。


原因 ― L2スイッチのループと「設定ミス」

 いろんなメディアで「サーバー工事の設定ミス」と記載があり、「サーバー、サーバー」となりがちですが、主要因はその工事の中の工程の一つであろうL2スイッチ(L2SW)のVLAN IDの設定誤りになります。これはけっこう初歩的なミスで、現場猫案件です。
 どういうことなのか、できるだけわかりやすく解説したいと思います。

L2SWって?VLANって?

 家庭のNWで利用することはほとんどないのですが、規模の大きいネットワーク(社内ネットワークや自治体ネットワーク)においてはこのL2SWいたるところで登場します。L2SWの機能としては、ネットワークの「交差点の信号機」みたいな役割を担っています。
基本のお仕事は、MACアドレスというPCやルータなどのネットワーク機器ごとの番号(住所)を覚えて、「このデータはPC Aへ、このデータはサーバーBへ」と、正しい道にデータを振り分けることにあります。
それによって、複数の機器が同じネットワークにいても混乱せず通信できるわけです。
 ここにもう一つ重要な機能があります。それが VLAN(Virtual LAN)
簡単に言うと、同じスイッチの中に「見えない壁」を作って、「この部署はVLAN 10、この部署はVLAN 20」といった具合に、1つのL2SWではありますが、ネットワークを仮想的に分ける仕組みです。

  • VLANがある → 営業部と総務部のネットワークが物理的に同じケーブル上にあっても、データは混ざらない。

  • VLANがない → 全員同じ部屋でわいわい大声、誰が誰に話しかけてるのか分からない状態。

つまりVLANは「部署ごとに壁を作るパーテーション」みたいな存在です。

 記者会見の最後のほうの質問でNTT西日本側から回答されていますが、今回の原因は「VLAN IDの設定誤り」と明言されています。

これがどういうことなのかをできるだけわかりやすく現場猫風に解説します。
(真相はわかりませんが、この手の話はだいたい現場猫案件だと思います、、、)

【現場猫風解説】「直前の設定変更を知らず」で起きた大惨事

※この現場猫の内容はフィクションです、わかりやすくしており、今回の事件とは関係ありません。

🐱 事件の始まり

上司「あ、そういえばL2SWのVLAN設定が変更になってたから、接続するポート番号気を付けてね」
現場猫「え?なんすか?とりあえずさっさとL2SW設置して終わらせちゃおう!設置ヨシっ!#1接続ヨシっ!」

💥 何をやらかしたのか?

本来(安全だった時)🟢

セキュリティサーバ
    ↓        ↓
L2SW   完全分離  L2SW  
    ↓              ↓
現用ルータ        予備ルータ
(独立してる)

それぞれ別々の「グループ」で安全に動作

今回(地獄の始まり)🔴

セキュリティサーバ
    ↓
L2SW ↔ 同じグループ ↔ L2SW
 ↓ ↖        ↗ ↓
現用ルータ ← → 予備ルータ
(全部つながった!)

現場猫「上司が何か言ってたけど工事完了!ヨシっ!」

🌪️ 起きた地獄

設定変更していないL2SWが同一グループに入り、無限ループが発生
簡単に言うと...

  1. セキュリティサーバ「みんなー!」 (メッセージ送信)

  2. L2SW「同じグループの左にも右にも送っとこう」

  3. 現用・予備ルータ「受け取ったから、また送り返そう」

  4. L2SW「また来た!また送り返そう」

  5. 永遠に繰り返し... 🔄

結果的に起きたこと、、、

「大規模ネットワーク障害!」

現場猫「あれ?障害おこってる?まぁ関係ないでしょ...ヨシ?」

実際の問題

「別々のグループ」を「同じグループ」にした瞬間、ネットワークが混乱!

たとえるなら:

  • 変更前: 東京駅発と大阪駅発の電車を、それぞれ独立した線路で走行 🚄

  • 変更後: 同じ一本の線路を上り下り双方向で走行 → 正面衝突!大混乱!💥

🔧 緊急復旧作業

1. とりあえずの対処

上司「とにかくループを止めろ!」

  • 物理的にケーブル断

  • または設定を元に戻す

2. 正しいVLAN設定への修正

現用系グループ:セキュリティサーバ → L2SW → 現用ルータ
予備系グループ:障害時のみ使用する独立した経路

現場猫「あ...直前の話ってVLAN変わったってことだったのか...」

ということで、、、、

現場猫のヨシがヨシじゃなかったお話でした。
STP(スパニングツリープロトコル)の設定とかヒューマンエラーを防止する機能はあったりしますが、この辺の設定などは明かされてなかったと思いますし、使わないこともありますので、あくまで原因は伝達ミスということなんでしょう。
他にも呼制御サーバの冗長化などいろいろ2の矢3の矢といった対策はできそうですが、あくまで今回起こった火種はL2SWのVLAN ID誤りによるループです。

この現場猫事例って他でも起こってないの?

 あるんです。こちらはVLANではないですが、物理的にループを作り出してしまった事例です。

「あ、LANケーブル抜けてる。挿しておいてあげよう、接続ヨシ!」
  ↓
ループ発生、大規模障害

今回のNTT西日本の障害の内容を見て真っ先に思い浮かんだのが上記の那覇市の障害でした。
過去の記事で三層分離を説明しましたが、こんな些細な事でもネットワークは止まります。

おそらくネットワーク関連の業務をやられている方は、今回の障害がL2SWのループと知って「あるある!」や「現場猫やん!」などいろいろ思うところはあったのではないでしょうか。。。

さいごに

 今回のNTT西日本の障害は、システムの冗長化や大規模設備を備えていても、一つのミスが社会インフラ全体に波及することを示しました。
自治体や民間企業にとっても、他人事ではありません。
設定変更時のチェック体制、冗長化の実効性確認、障害発生時の即応体制――こうした「地味だけど基本」の積み重ねこそが、社会を守る本当の力になります。
AI時代が訪れようとしている昨今だからこそ必要な能力なのでしょう。

さいごに、、、
「基本動作の徹底、ヨシっ!」

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