投資向けリスク管理指標ATRPのご紹介@2022/10/6
どうも~!おっさんです。今日はATRPのご紹介です。
背景
最近、ゴールドをちょっといじってることがありまして、それで、一瞬、レバ2倍とかにしてたんですが、損益が動く額が大き過ぎて、安心して就寝することができないレベルになっておりました。それで、どうすれば、この変動幅を常に許容範囲内に収めることができるのかを考えた次第です。
具体例
たとえば、自分は損益が1日に10万円以上動くのは耐えられないとします。もちろん、増える分には誰でも平気でしょうけど、10万円減るのはつらいってことです。特に建て始めです。建ててから十分に含み益が乗った状態ならもちろん平気ですが、建て始めだと、思惑と反対方向に行って、爆損する危険性もありますからね。
運用額が1000万円だとしたら、1日に10万円ということは、変動幅が1%であれば良いということです。では、ゴールドだったら、いくらまで建てられるでしょうか。
日々の変動幅のデータを取得してきて、それの平均を出して、とか自分でやってもできますが、毎度時系列データを取って来るのは、手軽ではないです。
ATRの登場
そこでまず見付けたのがATRです。これは1日の値幅を具体的な価格で示してくれます。たとえば、本日2022年10月6日現在のドル円なら1.372円、とかです。
ATRの問題点
ATRだと、具体的な価格で出されるので、これだと、他のアセットと比較できません。パーセントで出してほしいのです。
ATRPの登場
そこで、ATRPです。これなら、変動幅をパーセントで出してくれます。こちらのページで紹介されています(英語です)。
https://school.stockcharts.com/doku.php?id=technical_indicators:average_true_range_atr
TradingViewだと、インジケーターの画面で検索して、こいつですね。クリックで拡大できます。

実際に私が表示してみた画面がこちらです。

ATRもATRPも過去14日平均の変動幅です。その値が白い線。白い線を20日平均でスムージングしたのが緑の線です。緑のほうを見ればいいでしょう。
これによると、ドル円なら、今現在だと、1.1%です(より慎重に行くなら、白い線の直近の上限あたり、つまり1.25%とか)。
私は、ダウをレバ1倍で取引してた時は平気でした。その時のATRPは1.5%でした。つまり、ドル円なら、1.5 ÷ 1.1 = 1.36倍くらいならレバレッジかけても寝られるということです。
では、ゴールドはどうでしょうか。ゴールドは今現在、1.44です。ということは、1.5 ÷ 1.44 = 1.04 となりますので、ゴールドはレバ1.04倍まで、ということになります。どうりで寝られないわけです。ゴールドでは1.04倍までしか許容できないのに、2.0倍では高過ぎです。
ATRPを最初のゴールドの具体例にあてはめると?
では、最初の具体例である、1日の値幅を10万円までに収めるには、というと、ゴールドは現在1.44%なので、
10万円÷0.0144 = 694万円。
ということで、1日の変動幅を概ね10万円以内にしたければ、今のゴールドなら694万円までしか建てれない、ということです。
※ゴールドは、金先物と、SPDRゴールドシェア【1326】では、ATRPが異なります。金先物では1.44、SPDRゴールドシェア【1326】では1.0でした。SPDRゴールドシェアは日本時間の日中に取引されるやつで、日本時間にはあまりゴールドは動かないんです。それで低いと思います。とは言え、SPDRゴールドシェアを原資産とするCFDでは、金先物に結構振らされるので、1.0よりは大きいと思います。
ATRPをダウに適用したら?
ダウのATRPは現在1.77%です。
10万円÷0.0177 = 564万円。
※ダウは、CFDなら為替ヘッジありなので、確かにこの額通りです。
ATRPをS&P500に適用したら?
ナスダックのATRPは現在2.0%です。
10万円÷0.02 = 500万円。
ATRPをナスダックに適用したら?
ナスダックのATRPは現在2.42%です。
10万円÷0.0242 = 413万円。
ATRPをビットコインに適用したら?
ビットコインのATRPは現在4.96%です(CoinBaseで見た場合)。これでも落ち着いたほうです。
10万円÷0.0496 = 201万円。
※CoinBaseではなく、FTXで見ると、5%でした。価格データに小数点以下の情報が無い取引所では5%とか整数になってしまうようです。TradingViewの画面右上の [歯車マーク] - [シンボル] - [精度] で1/100にすれば、小数以下も常に出るようになりました。
※ビットコインはドル建てなので、これと別に為替リスクもありますが、円建てのビットコインをBitFlyerのチャートで確認したら5%でしたので、結果的には、ほぼ同じでした。
ATRPをイーサリアムに適用したら?
イーサリアムのATRPは現在7.55%です。これでも落ち着いたほうです。
10万円÷0.0755 = 132万円。
ちなみに、SolanaやAvalancheも7%台なので、同じくらいです。
ATRPを日経平均に適用したら?
日経平均のATRPは現在1.38%です。
10万円÷0.0138 = 724万円。
ATRPをトヨタ自動車に適用したら?
トヨタのATRPは現在1.8%です。
10万円÷0.018 = 555万円。
とは言え、個別株に全財産突っ込むのは倒産リスクがあるためNGで、大体5%程度までにするのが良いと言われていますから、そちらの基準についても、違反しないように考慮したほうが良いでしょう。
ATRPをコロナショック直後のゴールドに適用したら?
コロナショック直後のゴールドのATRPは3.12%です。
10万円÷0.0312 = 320万円。
さっきゴールドは694万円でしたが、コロナショック直後だと、ボラが多きくてリスクが高かったので、320万円が妥当だということです。
ATRPで見るボラが大きい業種
今日の東証33業種のチャートを見ると、鉱業は2.9%、海運は3.46%と突出して高いことが分かります。他は1.5%前後です。
まとめ
というわけで、どうでしょうか。
ゴールドについてもよく分かりましたが、一方で、仮想通貨を運用できる許容額っていうのが、かなり小さいことも分かりましたね。逆の見方をすると、724万円ないと日経平均の投資ができない!という場合は、132万円でイーサリアムを運用しても同じってことです。あ、ただし、税金の違いは除きますし、トレンドの違いも除きます。トレンドの違いとは、日経平均がボックス圏で、イーサリアムが上昇トレンドなら、1日の変動幅が同じでも上昇トレンドのほうが儲かる、ということです。
また、同じゴールドでも、違う時期だと建てられる額が違うことや、具体的にどれくらい建てられるのかも計算で出せました。これで、いつも、一定のリスクだけを取って、ぐっすり眠ることができそうですね。
運用資産が増えた後でも、10万円っていう基準を維持してれば、変動額は変わりません。運用資産が増えた後、たとえば、15万円にする、というふうに基準を変えれば、具体的にどれくらいリスク許容度を上げたのかも、一目瞭然です。
いや~、こりゃ、便利ですね。では、ごきげんよう。
