AIにSEO記事を書かせて失敗した理由と、正しい使い方
AIでSEO記事の量産をしても
成果が出ない会社が増えています。
「AIで記事作ればいいじゃないですか、安いし早いし」
先日、ある経営者さんにそう言われて、
正直ゾッとしました。
言いたいことは分かります。
でもそのやり方で検索から成果が出るかというと、
話は別なんです。
今のところ、僕らのところに来る相談のが、
その「安く早く」でつまずいた会社です。
1記事1万円の代行が増えた理由と、僕らが同じことをやらない理由
キーワードを1つ渡して、AIで記事を生成する。
それを1記事1万円で請け負う業者が増えました。
気持ちは分かるんです。
生成AIを使えば、
誰でも記事らしきものは作れてしまう。
だったら安く売って数をこなした方が儲かる、
と考えるのは商売として自然な発想ですよね。
ただ、僕らへの相談内容が変わってきました。
「他社にAIで記事を大量に作ってもらったけれど、
全然読まれないし問い合わせも増えない」という声が、
増えてきてると実感します。
実際に記事を見せてもらうと原因はだいたい同じでした。
キーワードだけ拾って書かれていて、
どこかで読んだことのある内容になっている。
検索という行為の背景にある文脈、
つまりコンテクストを把握しないまま作っているからです。
同じキーワードでも、
はじめて知った人と、他社と比較している人では、
欲しい答えがまるで違います。
自社サイトにどんな検索ワードで人が来ているのか。
競合はどのコンテクストで戦っているのか。
ここを見ずに記事を作れば、
誰にも刺さらないものができあがります。
なぜそれがGoogleにも見抜かれるのか。
次の章で公式見解を見ていきます。
GoogleはAIが書いたかを見ていない|2026年5月の公式ガイドが示した結論
正直に言うと、僕自身も一時期
「AIで書いた記事はペナルティを受けるんじゃないか」と思っていました。
でも調べていくと、
Googleの立場は昔から一貫しているんですよね。
制作方法を問わず高品質なコンテンツを評価する。
これが2023年から変わっていない公式の姿勢です。
ランキングシステムが見ているのは、
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)で表される品質であって、
誰が書いたかではありません。
そして2026年5月、ここに大きな追加がありました。
Googleは2026年5月15日、Search Centralに「Optimizing your website for generative AI features on Google Search」という新しいフルガイドを公開しています。
AI Overviews(AI生成サマリー)とAI Mode(AI対話モード)に向けて、
サイト運営者がどう最適化すべきかを示した、
初めての公式ドキュメントです。
同じ月の5月21日には、
2026年5月のコアアップデートの配信も始まりました。
内容を読むと、拍子抜けするほど基本に忠実でした。
AI OverviewsやAI Modeといった生成AI機能は、
コアとなる検索ランキングと品質システムに根差している。
つまりAIに引用されるための特別な技術は必要なく、
従来のSEOで評価されてきたコンテンツが
そのままAI検索でも評価される、という内容です。
さらに踏み込んだのはこちらです。
業界でバズワード化していた
いくつかの最適化テクニックについて、
Googleでは特別に処理しないと名指しで否定しました。
llms.txtの設置や、コンテンツを細かく分割する手法などが
AI対策として紹介されていましたが、
Googleはこの流れに明確な異議を示した形です。
新しい魔法を探していた人には、
面白くない結論だと思います。
でも僕は、これでやることが決まったなと思いました。
付け焼き刃の対策に予算を使うより、
自社が現場で持っている情報を記事にする方に振り切れます。
AI SEO記事がスパム扱いになる線引きはどこか
では、どこからが問題なのか。
Googleは線引きをかなり明確に書いています。
公式ドキュメントには、生成AIツールなどを使って
ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを
生成すると、大量生成されたコンテンツの不正使用に関する
スパムポリシーに違反する可能性があると記載されています。
検索品質評価ガイドラインでは、
この不正使用の例も挙げられています。
同じトピックの他ページと比べて
訪問者への価値がほとんどないページを、
自動化ツールで大量に低コストで生成すること。
他ページの内容をつなぎ合わせて、
付加価値を加えないこと。
読者には意味を成さないが
検索キーワードだけを含むページを量産すること。
Googleは、生成AIツールを使ったかどうかが
ページの品質評価を決めるわけではないとも書いています。
生成AIで高い労力をかけた良質なものも作れるし、
付加価値もオリジナリティもほとんどないものを、
ほとんど努力せずに作ることもできる。 Suzukikenichi
読み替えると、こうなります。

境目は、AIを使ったかどうかではありません。
そこに付加価値が乗っているかどうかだけです。
昔のSEOブームと今のAIブーム、知識格差の構造がまったく同じ
この状況を見ていて、僕は昔を思い出します。
SEOブームの頃は、
検索で上位に出ればお客さんが取れるということさえ、
多くの経営者は知りませんでした。
気づいていた一部の人だけが売上を伸ばしていく。
周りはそのことにすら気づいていない。
気づいていても、どうやればいいのか分からない時代が
かなり長く続きました。
今のAIブームも、構造はまったく同じなんです。
使った方がいいとなんとなく分かってはいるけれど、
実際どう使えばいいのか分からない。
使っている人はすごいことになっていると噂だけ聞く。
知識の格差がものすごくあるように見えますよね。
でも実は、そんなに難しい話じゃありません。
AIはすでにアプリケーションとして完成しているツールなので、
使い方とちょっとしたコツさえ分かれば誰でも扱えます。
僕自身が一番驚いたのは、
Claude Codeを使ったときでした。
それまでは、プロンプトを書いて
Q&A形式で聞く使い方でした。
すごく便利な専門家が隣にいる感覚で、
それはそれで良かったんです。
でも、自分が考えていることを
ほぼそのままAIが代わりに実行するものを見たときは、
感覚が変わりました。
自分はこういう性格で、
こういうことを考えている。
それをきちんと理解させたうえで出てきたアウトプットが、
自分が本当に思っていることと一致してくる。
特に営業については、
人に教えようがないと思っていたことがありました。
それを分析させてみると、
こんな時は強めに出てお客さんに判断を迫っている、
経営的にリスクとチャンスを見比べてどちらを取るかを提示している、
と言語化されてくる。
そうそう、それそれ、という感覚でした。
自分の行動原則、過去の反省、会社の理念を入れておくと、
人格的なものが形成される。
出てきた答えが自分の考えと似ていると気づいたときは、
本当にびっくりしました。
成果が出た会社と、読んで終わった会社の差
具体的な数字で見ていきます。
僕らが支援したBtoB向けSaaS企業では、
記事企画からキーワード選定、
執筆までを一気通貫で設計しました。
記事公開の翌月、
セッション数は前月の約1.9倍。
新規ユーザーは前月の約4.4倍になりました。
そして、それまでほとんど発生していなかった
資料ダウンロードが公開後に3件生まれています。
3件です。
派手な数字ではありません。
でも、ゼロが1になる瞬間に社内の空気が変わるんです。
Webからでも取れるんだと、
はじめて全員が信じられるようになる。
別のBtoB向けSaaS企業では、
支援開始から半年でセッション数が2倍になり、
そこから積み上げて約2年で約7.5倍になりました。
念のため書くと、
1記事で起きた変化ではありません。
新規記事とリライトを毎月回して、
2年かけて積んだ結果です。
もう1つ、印象に残っている現場があります。
あるクラウドサービスの会社を支援したとき、
最初の月の数字を見たご担当者から「絶望しました」と言われました。
広告費は流れているのに、コンバージョンが立たない。
ヒートマップを一緒に見て、
どこで読者が離脱しているかを突きつけられた瞬間です。
そこで僕らが提案したのは、
申し込みまでの手数を増やす方向でした。
納得しきっていない人をそのままフォームに送らず、
サービスの詳細が分かるページを1枚挟む。
社内では、手間が増えるからよくないという声もあったそうです。
それでも実行してもらった結果、
CVR(顧客転換率)は上がりました。
さらに、PVを稼ぐ広いキーワードを追うのをやめました。
過去の問い合わせ実績やインサイドセールスの対応履歴を辿って、
鍵になっている検索キーワードだけを選び抜いたんです。
そこから数ヶ月で、
コンバージョン数が1.2倍、商談化率が1.3倍になりました。
記事が増えたからではありません。
読んだ人の次の一歩まで設計したからです。
注文住宅の会社では、もっと分かりやすい形で出ました。
平屋に関するページが1枚もなく、
当然その資料請求はゼロでした。
読者が求めているテーマで記事を作り、
施工事例から資料請求へ動線をつないだところ、
多い月には平屋の資料請求が30件ほど入るようになりました。
記事は、書いた瞬間がゴールじゃないんです。
読んだ人が動くところまで設計して、はじめて成果になります。
AI SEO記事の正しい使い方
じゃあ実際、どういう順番でAIを使えばいいのか。
❶ 自社サイトと競合サイトの流入データ、検索キーワードのコンテクストを分析
❷ そのコンテクストに対して、どんな読者がどのフェーズにいるのかを設定する
❸ 認知・関心・比較検討・判断の各フェーズに合わせて、記事構成をAIに作らせる
❹ 出てきた下書きに、現場でしか得られない一次情報と判断基準を人間が足す
大事なのは❸から❹に移る部分です。
構成案を作らせるとき、
こう指示すると精度が上がります。
あなたはBtoB向けサービスのコンテンツマーケターです。
以下の条件で記事構成案を作ってください。
・想定読者:中小企業の経営者、Web集客に課題を感じている
・読者フェーズ:比較検討段階(複数社を並べて迷っている)
・検索意図:具体的な解決方法と、選ぶ基準を知りたい
・条件1:一般論だけで終わらせず、読者が次に取る行動が 明確になる見出し構成にすること
・条件2:各見出しごとに「ここに一次情報が必要」という 箇所を指摘することなぜこう書くかというと、AIは指示がないと、
入門者向けの内容と、決め手になる内容を混ぜてしまうからです。
読者のフェーズを先に固定すると、
記事の芯がぶれなくなります。
条件2を入れているのは、自分で気づくためです。
どこに現場の話を差すべきかをAIに指摘させると、
書く前に「この部分、自分は何を語れるだろう」と
考える時間が生まれます。
もう1つ、僕がよく使う手を紹介します。
書くのが苦手な人ほど効きます。
これから、あなたが私にインタビューをしてください。
テーマは「(記事のテーマ)」です。
・私は現場で実務をしている当事者です
・Web上の情報にはない、私だけが知っている失敗談や
判断基準を引き出す質問を10個作ってください
・一般論を答えたら、それは具体例で言い換えられませんか
と聞き返してくださいAIに記事を書かせるのではなく、
自分から一次情報を引き出させる使い方です。
答えを口述で返していくと、
そのままE-E-A-Tの経験にあたる素材が溜まっていきます。
経営者の方に試してもらうと、書けない理由が文章力ではなく、
材料の言語化だったと気づくことが多いです。
公開前のチェックはこの4つで十分です。
・この記事の中に、Web検索では出てこない情報が1つ以上あるか
・読者がどのフェーズにいるか、書いた本人が答えられるか
・読み終わった人が次に取る行動が、記事の中に用意されているか
・同じテーマの上位記事と並べたとき、書き手の顔が見えるか
AIに任せられないのは判断だけ|だから僕らは現場に行く
正直、もう何でもできてしまう時代が来ていると思います。
分析も、構成案作りも、下書きも、
AIに任せた方が速いし精度も上がる場面が増えました。
でも、任せられないものが1つあります。
判断です。
・このキーワードで本当に記事を出すべきか。
・どの一次情報を核に据えるか。
・読者にどんな未来を見せたいか。
AIは結局、過去の積み上げからしか答えを出せません。
改善はできても、
本当に新しいことは作れない。
そして、その判断をした後の結果にワクワクできるかどうかは、
人間にしか決められないと思っています。
昔、地方でリースサイトが横行しているのを見て、
知識のない経営者が騙されている現実に怒りを覚えたことがあります。
相場も仕組みも知らないまま、高い契約を結ばされていました。
正しいものを届けなければならない。
あのとき火がついた思いは、AIがどれだけ進化しても変わりません。
デジタルを使いこなせないことが、
地方の会社にとって死活問題になっている実感があります。
人口が減って、人手も足りない。
その中でAIを味方にできるかどうかは、
3年後の固定費に直接返ってきます。
AIに書かせて終わりにするのか。
そこに自分たちの判断と一次情報を乗せるのか。
この差が、これから検索で生き残る記事と
そうでない記事を分けていくはずです。
自社だけで進めるのが不安なら、プロに聞いてみてください。
300社以上のWebマーケティングを支援してきたアクシスが、
戦略設計から施策の実行・改善まで一貫してサポートします。
