3行日記 迎え盆
お盆で実家のある和歌山へ帰省したので、故郷の風景を写真に残そうとカメラを持参した。
普段通りの設定でもよかったのだが、今回は少し彩度を落とし、フィルムグレインをかけて撮影してみることにした。
昨晩は家族でお寺に行き、ご先祖様をお迎えした。
そして今朝、6時に起床すると、父母はすでに起きて朝食を取っていた。
夏場は、まだ涼しいこの時間に毎日畑へ水やりに行っているらしい。今朝は昨日雨が降ったので、水やりはしなくていいようだった。
妻は和歌山に来ても朝走る。
早々にランニングウェアに着替えると、夫の地元に駆け出して行ってしまった。
私はカメラだけを首からぶら下げて歩き始めた。
朝陽に照らされた地元の風景を、あらためて被写体として眺めるのは新鮮だった。
目を閉じれば浮かぶ路地、田んぼ、駐車場、お寺、山、川。
何十年も自分の目で見てきた風景を、今度は写真として残してみたかった。
この地元フォトウォークで、自分が撮りたいものが、少しだけ明確になった気がする。
地元の人々に「観音さん」の愛称で親しまれている大福山 本惠寺にお参りに行くと、本堂の近くでウリ坊が水を飲んでいた。
カメラを構え、音を立てないようにそっと近づいた。
しかし私に気づくと、僅かな時間こちらを見たあと、素早く駆け出して藪の中へ入っていき、それきり姿は見せなかった。

終















