【ネタバレあり】国家レベルの隠蔽工作によって抹殺されそうになる宇宙飛行士の逃避行がメチャクチャスリリングだった『カプリコン・1』
【個人的な満足度】
「午前十時の映画祭16」で面白かった順位:6/8
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:Capricorn One
製作年:1978年
製作国:アメリカ・イギリス合作
配給:東宝東和
上映時間:129分
ジャンル:サスペンス
元ネタなど:なし
公式サイト:https://asa10.eiga.com/2026/cinema/1517/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
テキサス州ヒューストン。
人類初の有人火星ロケット〈カプリコン・1〉打ち上げの秒読みが進行していた。
だが発射5分前、船長のブルベイカー(ジェームズ・ブローリン)ら3人の宇宙飛行士たちは、突如船外へ連れ出された。
秒読みは何事もなかったかのように進み、ロケットは飛行士のいないまま火星へ向かって飛び立った。
同じ頃、小型ジェット機に乗せられた飛行士たちは、砂漠の巨大倉庫にいた。
そこで彼らを待ち受けていた者とは―。
【感想】
※以下、ネタバレあり。
「午前十時の映画祭16」にて。
1978年のアメリカ・イギリス合作映画。
こんな面白い名作サスペンスがあったなんて完全にノーマークでした!
「人類初の火星有人探査」というSFな設定でありながら、その実態は国家レベルの隠蔽工作に巻き込まれた宇宙飛行士たちが国から逃れるというスリリングなサスペンス!
<国民をだます壮大なでっち上げ!>
この映画、とにかく3人の宇宙飛行士たちが完全に国家都合のとばっちりを食らってる可哀想な内容なんですよ。
カプリコン1号というロケットの打ち上げ直前に急遽降ろされた彼ら。
カウントダウン数分前で管制センターとの必要な通信はすでに終えた後だったので、彼らがいなくなったことは誰も知る由もありません。
ロケットは無人のまま宇宙へ。
3人は砂漠の真ん中にある閉鎖された軍事基地へと連行されていきます。
本計画の責任者であるケラウェイ博士(ハル・ホルブルック)はその理由を説明します。
・カプリコン1号の生命維持システムに重大な欠陥が見つかり、このまま発射すれば3週間で死んでしまう。
・とはいえ、計画を中止するとNASAは予算を失ってしまうため、中止はどうしてもできない。
・そのため、宇宙飛行士3人は宇宙へ行った"てい"で、基地内に作られた火星や船内のセットで撮影を行う。
国民を裏切る行為に反対する3人ですが、家族を人質に取られ、やむなく従うことに。
こうして彼らはセットの中であたかも宇宙にいるかのように振る舞う日々を過ごすハメになりました。
ここは『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』(2024)を彷彿とさせますね。
<国家の面目のために命を狙われる悲運>
ところが、予期せぬトラブルが起きてしまいます。
カプリコン1号が帰還時の大気圏突入の衝撃で、外装の熱遮蔽版が剥がれてしまったんです。
これは仕込みでも何でもなく完全に予想外の出来事。
本来、この状態になると5秒ともたずに死んでしまうらしいんですよね。
「乗組員全員死亡」と世間に公表されたことで、このままだと本当に殺されてしまうことを危惧した3人はその場を脱出します。
追手が迫る中、砂漠の荒野を3方向バラバラに進むことになるんですが、この後半の緊張感がハンパなかったです。
<面目のために無実の人を葬り去る国家の闇が怖い>
一方で、新聞記者のコールフィールド(エリオット・グールド)は、以前、NASAに務める友人からこの計画に不審な点があると進言されるも、詳細を聞こうとしたところでその友人が失踪してしまう事態に遭遇します。
さらに、コールフィールドは宇宙飛行士のひとり、チャールズ(ジェームズ・ブローリン/あのジョシュ・ブローリンのお父様)とその妻(ブレンダ・ヴァッカロ)の交信のやり取りに不自然さを感じたことから独自に調査を進め、徐々に真実へと近づいていきます。
もちろん、国もそれを黙って見過ごすわけはなく、コールフィールドを抹殺するべく動いていくんですが、、、彼の車のブレーキに細工をして無効化したり、自宅に押し入ったFBIが自分で麻薬を置いて「麻薬取締法違反だな」と自作自演したりとその非人道っぷりが凄まじいんですよ。
もちろん、例のNASAの友人が失踪したのも仕組まれたことです。
面目を保つために無実の国民を社会的に抹殺する国家の暗部がリアルすぎてゾッとしました。。。
ただ、国家といってもアメリカ政府そのものというよりは、NASA上層部を注意心とした国家権力の一部ですけどね。
本編を観る限りでは、大統領が指揮しているわけではないので。
<語られぬ後日談に妄想が膨らむ>
最終的に、コールフィールドは政府の追手から逃れるチャールズを見つけ、農薬を撒く飛行機に乗って軍用ヘリから逃げまわります。
ここだけメチャクチャ派手なアクションでびっくりしたんですが、チャールズが飛行機の翼にしがみついたままなのが、トム・クルーズを思わせますね(笑)
もちろん、本作ではスタントマンを起用していますが。
激しいドッグファイトの末、追手を撃退したコールフィールドは、チャールズを連れて彼の葬儀に乗り込みます。
ここで物語の幕は閉じるんですが、死んだと思っていたチャールズが生きていたことの家族の反応がどうだったのか、捕まった他の2人の宇宙飛行士が無事だったのか、隠蔽を図った人たちは処罰されたのか、いろいろ後日談が気になるところです。
<そんなわけで>
自分たちの面目のために平気で人を殺そうとする国家の怖さを知れる映画でした。
まあ、一番悪いのは欠陥品の生命維持装置を作った会社だと思いますけどね。
これは観て損はない隠れた名作なのでオススメです。
ちなみに、下世話な話にはなってしまうんですが、本作に主演したエリオット・グールドとジェームズ・ブローリンは、共にバーブラ・ストライサンドを妻にした過去があるそうです(笑)

