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【ネタバレかつ下ネタあり】前代未聞!全力でバカに振り切った爆笑必至の受精ミュージカル!精子の生き様が愛おしすぎた『スペルマゲドン 精なる大冒険』

【個人的な満足度】

2026年日本公開映画で面白かった順位:8/14
  ストーリー:★★★★☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:Spermageddon
  製作年:2024年
  製作国:ノルウェー
   配給:シンカ
 上映時間:80分
 ジャンル:アニメ、ミュージカル、コメディ
元ネタなど:なし
公式サイト:https://synca.jp/spermageddon/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
思春期真っ只中の少年・イェンス。友達たちと遊びに出かけた彼は、気になる女の子・リサとの“初めてのチョメチョメ”を迎えることに─!?

一方その瞬間、イェンスの“精子たちの王国”では、<スペルマゲドン警報>が発令され、とんでもない騒ぎが巻き起こっていた!外の世界へ飛び出すことだけを夢見て悶々と暮らしてきた10億もの精子たちが一斉に大パニックに!ちょっぴり頼りない精子・シメンと、勝気でまっすぐなカミラはついに訪れた“発射”の瞬間を迎えるべく、最小にして最大の命がけの大冒険へと駆け出す!!

旅の途中で待ち受けるのは、裏切りあり!挫折あり!涙あり!…友情あり!?しかし、ふたりはやがて“とんでもない事実”に直面するのだった……。

【感想】

※以下、ネタバレかつ下ネタあり。
もうね、全国の小中学校に配りましょう、これ。性教育ビデオとして無償配布してもいいんじゃないかと。バカバカしすぎるけど、教科書よりも楽しくセックスと避妊と妊娠について学べそう。もちろん、フィクションであることは前提で。精子として生きることの過酷さが痛いほど伝わってきます。

<人間の思惑と精子の思惑が正反対>

主人公は頼りない精子のシメン。あんまり外の世界には出たがらず、部屋でゲームをしていたいインドアな性格です。そんな彼が紆余曲折を経て卵子を目指すのが本作の流れ。ごく当たり前な設定ですが、中身はアホ全開です。

まず、モブ精子のネーミングがヒドいんですよ。"ムセー"とか"ジュセー"とか。よくある海外ポルノのハリウッド映画パロディの邦題並みのチープさ。
ふざけているのかガチなのか。そもそも字幕合ってるんですかね(笑)

そして、精子王国のキャプテン、ジズモも笑えます。彼が身につけているパワードスーツの名前が"アンアンマン マーク10"。"アンアンマン"なんて女性の喘ぎ声に着想を得たような名前ですが、元ネタは当然アイアンマンです。マーベルから怒られないんですかね?(笑)彼は我先にと受精へと邁進するがゆえ、ミサイルでライバル精子を蹴散らし、スーツに搭載されたカッターでコンドームを中から切り裂くんですよ。卵子に到達することが目的の精子からすれば当然の行為ですが、避妊したい人間からしたら迷惑この上ないですよね。

今回の性行為の当事者であるイェンスとリサは初体験同士。念には念を入れて、リサは事後に殺精子剤を入れたり、アフターピルを飲んだりするんですが、これは精子たちからしたら死活問題になります。彼らを殺し、排卵を抑制するんですから。人間からしたら精子の行為はテロ、精子からしたら人間の行為はジェノサイドに等しいんじゃないでしょうか。この妊娠したくない人間と、受精したい精子たちの正反対な思惑が笑えます。

<正気の沙汰じゃない設定>

一番おかしかったのは2回目の発射のときです。シメンが外に出たがらなかったせいで、彼および彼と仲良しのカミラは1回目の発射には間に合わなかったんですよ。で、2回目の発射で放出された先が、、、まさかの"違う穴"って(笑)これはもうなんというか、汚すぎる話ですね。詳細は割愛しますが、まあいい歳した大人ならわかるでしょう。そこからびっくり仰天な方法で膣内に到達するってんだからもう意味がわかりません。もちろん、現実にはありえない設定ですよ?精子が"違う穴"から胃まで登って尿道から膣内に入るとか人体構造ガン無視のファンタジーですから。しかも、この一連の流れをミュージカル仕立てにしているのがもはや正気の沙汰じゃないですよ。よくこんなの思いついたなって。でも、リサは結局妊娠してしまうんですよね。あんなに避妊したのに。人間にとっては困った話ですが、精子にとっては執念と奇跡の勝利ってことになるんでしょう。ただ、イェンスもリサも突然のことでびっくりしただけで望まぬ妊娠というわけではありません。ハッピーエンドにはなっているので、そんな重く受け止める必要はないのでご安心を。

<そんなわけで>

精子の生死をかけた冒険がバカバカしくも面白い映画でした。この作品を観て気づいたんですが、精子の目的だけを考えたら、卵子に至る道以外に出るのって完全に無駄死にですよね。やっと外に出たと思ったら、自分たちの使命が果たせぬまま絶命するってメチャクチャ不幸じゃないですか。そう考えると、ちょっと申し訳なく思いますね。公式サイトの著名人からのコメントの中で、岩井志麻子さんと二村ヒトシさんのコメントが秀逸なので興味があれば読んでみてください。あと、パンフレットがコンドームのパッケージのようなデザインになっているのもさすがです!

そういえば、この映画を観て、ふと中学時代に友人が言っていた言葉を思い出しました。

「親父があと一回でもオナニーしてたら、俺はここにいなかった」

本作を観た後だと名言に感じます。生命の誕生はやっぱり奇跡なんだなあ。

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