決断が速い人は、止まる理由を先につぶしている
「あらやさんって決めるの速いですよね、才能ですか」って聞かれたことがあるんですよ。
正直に言うと、才能じゃないんです。
止まる理由を先につぶしてあるだけで。
今日はその中身の話をしようと思います。
失敗が怖い、の正体
僕、これまでの人生でかなりの数の失敗をしてきてるんですよ。
外注に頼んで数百万単位のお金を溶かしたこともあるし、若い頃にお店をやって、閉めるときに大きな借金を抱えたこともあります。
でもそれ以降、着手前に足が止まるってことがほぼなくなったんですよね。
なんでかっていうと、失敗の意味を書き換えたからなんです。
多くの人は「失敗=損失」で捉えるじゃないですか。
だから始める前に、頭の中で損失のシミュレーションが走る。
これがまずかったらどうしよう、あれがダメだったらどうしよう、って。
この計算に時間を使ってるうちに、数日とか数週間が過ぎていくんです。
僕の中では、失敗はただのデータが一個増えることなんですよ。
世の中の全部が実験だと思ってるから、うまくいかなかった結果も「あ、これは違ったんだな」で終わる。
損失計算がそもそも走らないから、止まりようがないっていうのが正体なんです。
これ、頭で分かってるだけじゃなくて、実際に大きい失敗を経験して、それでも生きていけたっていう体感があるからこそ、本当に恐怖が薄いんだと思います。
判断が速いのは、考えてないから
じゃあなんで判断自体も速いのか、っていう話なんですけど。
頭の回転が速いとか、そういう話じゃないんですよ。
単純に、経験してきた業種の数が多いからなんです。
新しい相談や案件が来たとき、普通は一からゼロベースで考えるじゃないですか。
でも僕の場合、大体は過去にやってきたどれかのパターンと似てるんですよね。
だから、考えてるんじゃなくて、照合してるだけなんです。
たとえるなら、初めて行く道で毎回地図を広げる人と、何十回も通った道だから地図を見なくても歩ける人の違いです。
判断のスピードが速いんじゃなくて、判断そのものが必要ない状態を、経験の量で先に作ってある。
だから今、何かの決断に時間がかかってる人がいたとしたら、それは決断力の問題じゃなくて、照合できるパターンがまだ少ないだけかもしれないですよね。
「完成してから出す」がいちばん遅い
もう一つ、これも大きいなと思ってるのが、完成の基準の置き方なんです。
多くの人は、最初の一歩を「人に見せて恥ずかしくないもの」に置くんですよ。
だから準備に時間がかかる。
僕は、最初の一歩を「世に出して反応が取れる最小限のもの」に置いてます。
完璧より流通量、っていうのがずっと持ってる考え方なんですよ。
ポンコツで失敗も多いって自分で言ってるくらいなので、雑な初速に自分のプライドを乗せてないんですよね。
カッコつけたい気持ちが強い人ほど、ここで一番時間を使ってしまう、と思いませんか。
そして、始めるときに気合いややる気に頼ってないっていうのもあります。
意思力でエンジンをかけようとすると、それだけでエネルギーを使うんですよね。
僕の場合は、始まってしまう状態を先に環境として組んであるから、スタートの場面で意思決定がほとんど挟まらない。
やる気があるかないかじゃなくて、始まる仕組みの中に自分を置いてるだけ、っていう感覚に近いんです。
速くなろうとしなくていい
速くなろうとしなくていいと思うんですよ。
それより、自分が止まってる理由を一個ずつ確認して、その理由をつぶしていく方が、結果的に速くなります。
今日からできることとして、一個だけ試してみてほしいことがあります。
何か新しいことに手をつけられずにいるなら、以下の四つのうちどれで止まってるのかを、まず一つだけ紙に書き出してみてください。
失敗が怖いのか
判断材料が足りないのか
完成度にこだわりすぎてるのか
気合いで始めようとしてるのか
理由が分かれば、対処できるんですよ。
分からないままだと、ずっと「自分は決断力がない」で片付けてしまうんですよね。
止まってるのは意志の弱さじゃなくて、止まる理由がまだそこにあるだけなんです。
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