共生の黎明 #32 第11章 第8節:かすかな光、届く希望 連続小説
ある会では、こんな出来事もあった。
質疑応答の時間、手を挙げたのは高齢の女性だった。
「私は、もう年寄りですからね。
新しい仕組みなんて、難しくて使えないと思っていたんですよ。
でもね……お話を聞いていたら、なんだか安心したの。」
彼女の目は、優しくもどこか寂しげで、
でもその奥に、かすかな光が見えていた。
「若い人たちだけじゃなくて、私たちも、
この“あたたかさ”の中に入っていいんですね?」
君はすぐに答えた。
「もちろんです。
“あたたかさ”に年齢制限なんてありません。」
女性は小さく笑い、涙を拭った。
その瞬間、会場の空気がふわりと緩んだように感じた。
誰もが、「ああ、これは“制度”じゃないんだ」と思ったのだ。
これは、「居場所」の話なのだと。
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