なぜ疲れると他人の不満に流されやすくなるのか?深夜0時の夜勤で感じた洗脳の危機
こんにちは。医療ライターの丸岡みどりです。
「疲れているときほど、人の不満に流されやすくなる」と感じたことはありませんか?
病棟勤務時代の夜勤は2人体制。消灯時間を過ぎるとシーンと静まり返り、独特の静けさが漂います。そんな時間帯、同僚から病棟の方針や特定スタッフへの不満を聞かされることも珍しくありません。(同僚の話を聴く難しさについてはこちらの記事でもまとめています👇)
深夜0時、同僚の強い不満を傾聴中に危機を感じる
ある夜勤で一緒になった看護師Bさんも、不満の声が大きいタイプ。
まるでマグマが噴き出すように、次から次へたたみ掛けるように不満を吐き出します。こちらが内容をきちんと聞いているかどうかはあまり関係ないのか、とにかく自分のなかに溜まったものを外に出したいように見えました。
精神科看護師として話は受け止めつつも、同調しないよう気をつけ、普段どおり客観的に話を聞くつもりでした。
しかし、その日は業務の疲れに加え、個人的な悩み事もあったりで、時間はすでに深夜0時を回っています。頭がボーっとしている状態で、いつものように適度に警戒する余裕がありません。ふとこう感じました。
まずい、なんだか洗脳されそう
抵抗力が弱くなっている自分のなかに、Bさんの強い不満が勢いよく流れ込んで、浸食されそうな感覚があったのです。そして、同時に思ったのは、
一緒になって不満をいった方が、ずっと楽だろうな
ということです。あのとき、自分がなぜそんな心理になったのか、あらためて確認してみたいと思いました。
疲れていると、人は他人の感情に流されやすくなる
社会心理学では、自己統制(自分を律する心のブレーキ)は疲労などによって消耗すると、他者からの影響に抵抗しにくくなることが示されています。
つまり、疲れて余裕がないとき、人は周囲の感情や意見に流されやすくなる可能性があるそうです。自分を制御する力は、ガソリンや筋肉のように限りある資源だとされています。
また、他のことで頭がいっぱいになっている状態では、他人からの影響をはねのける力が残っていません。そのため、抵抗が少ない道を選びやすくなり、結果として周囲の意見に同調しやすくなるそうです。
研究では、自分のリソースを回復させる方法として、次のようなことが挙げられていました。
・糖分を補給する
・気分を上向きにするためにリフレッシュする
・自分が大切にしていることを思い出す
感情を抑えたり抵抗したりすると、エネルギーが消費されるそうです。糖分を含む飲み物を摂取すると、自分を制御する力が回復したことも確認されています。
夜勤明けに気分転換してリセットできたものの、あのときの洗脳されそうな感覚は今でも印象に残っています。自制心がかなり強いという自覚があったのに、危うく流されそうになったからです。
自戒をこめて、疲れているときほど次のことを心がけようと思いました。
①その場から離れる、または話題を切り替える
②温かくて甘い飲み物(わたしの場合はカフェオレ)を飲む
ちなみに、私にとってのカフェオレの役割については、こちらのコラムでも語っています👇
もし、余裕がないとき不満に飲み込まれそうになったら「今は脳のエネルギーが切れているから要注意」と客観視するだけでも、自分の領域を守れるかもしれませんね。
看護師として、普段はエビデンスを重視した医療記事を執筆しています。
ふと感じた疑問を論文で調べてみるのは、客観的に「やはりそうだったか」と納得できる貴重な時間です。
日常の小さな疑問を英語論文で検証するシリーズ。
次回もまた、身近なテーマを掘り下げてみたいと思います。
【参考文献】
Burkley, E., Anderson, D., & Curtis, J. (2011). You Wore Me Down: Self-Control Strength and Social Influence. Social and Personality Psychology Compass, 5(7), 487–499.
https://compass.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1751-9004.2011.00367.x
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