ある朝の事件簿 vol.1
ある月曜日の朝
(月曜日の朝みんな嫌だよね…)
バタバタと朝の準備している時間 約7時15分前後
中学生長男 長女
小学生次男 三男
保育園児(ソファで放心中)
洗い物をしてると、長男の怒号でビクついた。
「誰だよ!廊下に水こぼしてんの⁈ 靴下濡れたんだけど⁈」
「ガチじゃん!最悪… 私も履き替えなきゃ」
どうやら廊下に水が点々と広範囲に溢れていて、被害者が何人か出ているようである。
長男が次男と三男につっかかる。
「お前ら最近水筒壊れてて水漏れるって言ってたよなぁ…?」
「そうだけど違うって!斜めにしなきゃ溢れないし」
「俺たちの服だって濡れてないもん」
年子男子2人は必死の弁解である。
長男は2人を犯人と決めつけて、メンチ切りながら2人の周りをウロウロと徘徊している。
「もういいわ!時間無いって。
お前らも時間見てみ」
長女の一声でみんな一斉に時計を見る。
小学生はあと10分で登校班の集合時間だ。
小学生組がランドセルを背負ったところで、
「拭いとけよ!」と
長男が叫んで一階に降りて行った。
無理矢理犯人に仕立て上げられ、
「なんでよー!
俺たちじゃ絶対ないのに」と
誰もいなくなった空間に2人の悲痛な叫びが響く。
脱衣所から雑巾を持ってきて、殴り拭いて
洗面台に投げつけると
2人も一階に駆け降りて行った。
マイペースに傍観していたのは、3歳の四男である。スティックパンを齧り、「いってらっちゃーい」と嵐の最中1人1人に声をかけていた。
「今日はお兄ちゃん達賑やかだったねぇ。
りーちゃん食べた?食べ終わったらママ達も保育園行こ」
私は洗い物を終え、末っ子に声をかけた。
「お水が落ちてた」
「そうみたいだねぇ」
「ママのあちちのお水、落ちちゃったの?」
「ん?何のはなし?」
りーちゃんが気になることを言ったが、もう私達も出発の時間だ。お着替えと布団を抱えて、りーちゃんの手を引いて降りて行った。
車の中でもしきりに
「あちちのお水 落ちちゃった」話しは続いており、拙い話し方に内容はよく分からないが、ほっこりしながら保育園に向かっていた。
保育園に預けて職場に向かう信号待ち。
急になぜこのタイミングで?と思うのだが
急に頭の回路が繋がって、一瞬でこの朝の事件は私の中で解決した。
大袈裟だが、ハンドルを握りながら後頭部を叩かれたような衝撃だ。
「犯人私じゃんーーーーーー」
洗い物を始める前、おきまりの
「あ、給食着にアイロンかけてない!」を思い出し、中学生1人・小学生2人の合計3着を慌ててアイロンがけしたのである。
その時、
スチーム機能を使おうとしたらスチームが出ない。水切れである。
また慌ててあったまったアイロン片手に慎重に洗面所に移動して給水し、戻って来る時に急ぎすぎて廊下に少し水が溢れてしまったのだ。
その時小中学生はダイニングテーブルで朝食を食べていた。ダイニングテーブルからは、洗面所からの人の出入りが角度的に見えない。
だが末っ子りーちゃんが寝そべっていたソファからは、焦って出入りしている私の様子がちらちら見えていたのである。
つまり、私が犯人であることを知りながら、朝の騒動をスティックパンを齧りながら、優雅に黙認していたのである。
そしてみんながいなくなった時、
犯人である私だけに
「てかあんたがアイロンから溢した水だよね、アレ(そんなこと言ってない)」と
密かにタネ明かしをしてくれていたのであるーーーーーー
おそるべしりーちゃん。
いや、
申し訳ございませんでした…笑
