「ITニュース」|ChatGPTがついに市場シェア50%を割った——GPT-4.5退場とGPT-5.6予告が示すモデル交代の加速
はじめに
2026年6月27日、OpenAI(オープン AI)は ChatGPT の UI から GPT-4.5 を削除する予定です(API は継続)。同時期に、内部リーク・予測市場・ユーザー報告をもとに「GPT-5.6」の6月中リリースが伝わっています(2026年6月22日時点で OpenAI 公式からの発表はありません)。そして2026年6月16日に公開された Sensor Tower の調査では、ChatGPT の市場シェアが初めて 50% を割り込み 46.4% まで低下したことが示されました。
この記事では、(1) GPT-4.5 の ChatGPT 退場が実際に何を変えるのか、(2) 市場シェア50%割れをどう解釈すべきか——という2点を整理します。
※ GPT-5.6 の名称・スペック・リリース日は2026年6月22日時点で OpenAI 公式未発表です。記事公開前に OpenAI 公式情報を必ずご確認ください。
この記事での用語

1. 何が起きたのか(結論)
2026年5月29日、OpenAI が Help Center で GPT-4.5 の ChatGPT 退場日(6月27日)と o3 の退場日(8月26日)を公式告知
2026年6月10日、The Information が OpenAI チーフサイエンティスト Jakub Pachocki の「GPT-5.6 は GPT-5.5 に対して meaningful improvement(意味ある改善)」という社内発言を報道
2026年6月16日、Sensor Tower が「State of AI 2026」レポートを公開。ChatGPT の True Audience share が 46.4% と初めて 50% を割り込む(Claude: 10.3%・Gemini: 27.7%)。月間 MAU は 11 億人で過去最高水準を維持
2026年6月21日、Polymarket(予測市場)が「GPT-5.6 の6月22〜28日ローンチ確率90%」を記録
2026年8月26日、Assistants API 廃止予定日(Responses API への移行期限)
忙しい方向けに一言でいうと、
「ChatGPT は利用者数では過去最高の 11 億人を維持しているが、Claude や Gemini の急成長により市場シェアで初めて 50% を割り込んだ——GPT-4.5 の退場と GPT-5.6 の予告は、OpenAI がこの局面を agentic coding で打開しようとする動きだ」——シェアと絶対数が逆向きに動く AI 市場の現在地
2. GPT-4.5 退場と UI 整理——何が変わるのか
2-1. ChatGPT UI と API の違いを区別する
GPT-4.5 の「退場」は ChatGPT のウェブ・モバイル UI からの削除を意味します。API(Application Programming Interface)経由での利用は継続されるため、GPT-4.5 を使って構築したシステムやサービスに即座の影響はありません。
ただし、カスタム GPT(ChatGPT 上で特定モデルを指定して設定したチャットボット等)で GPT-4.5 を明示的に指定している場合は設定変更が必要です。
2-2. GPT-4.5 がどういうモデルだったか
GPT-4.5 は GPT-5 系モデルの登場後、性能面で中途半端な位置づけになっていました。GPT-5 系が推論・コーディング両面で GPT-4.5 を上回ったため、UI のシンプル化と GPT-5 系への誘導という観点でこの整理は自然な流れです。
一方で GPT-4.5 は「応答の温かみ」を評価する声もあり、感情的なサポート用途でこのモデルを選んでいたユーザーからの反応は注視する必要があります。
2-3. 8月26日の Assistants API 廃止が実務上の急所
同じ日程として、2026年8月26日には Assistants API の廃止も予定されています。Assistants API は多くのエンタープライズアプリケーションに組み込まれており、廃止後は Responses API(レスポンス API)への移行が必須になります。
o3 の ChatGPT 退場も同日ですが、こちらも API は継続です。「UI から消えた = API も使えない」という混同に注意が必要です。
3. GPT-5.6 の予告——「非公式情報」として正確に読む
3-1. 公式発表はゼロ
「GPT-5.6」という名称・スペック・ベンチマーク・価格・リリース日は、2026年6月22日時点で OpenAI 公式から一切発表されていません。情報の根拠は次の3点です:
The Information が報じたチーフサイエンティスト Jakub Pachocki の社内発言(「GPT-5.5 に対して meaningful improvement」)
ChatGPT Pro ユーザーから報告された体験的変化
Polymarket(予測市場)での90%ローンチ確率
これらはいずれも「二次情報・推測・統計的推定」であり、実際のリリース名が「GPT-5.6」ではない可能性、6月中に出ない可能性も残ります。
3-2. なぜ今 GPT-5.6 を出すタイミングなのか
OpenAI の競合状況を整理すると、2026年6月12日以降、Anthropic の Fable 5・Mythos 5 が輸出規制で停止中です。コーディング精度で高く評価されていた Claude Code の最先端モデルが使えない空白期間に、GPT-5.6 が agentic coding 強化版として登場すれば「コーディング最強モデル」の座を取りに行けるという窓が開いています。
OpenAI がこのタイミングを意識して開発・発表スケジュールを組んでいるかどうかは確認できませんが、結果として有利なタイミングになります。
4. ChatGPT のシェアが初めて 50% を割った意味
4-1. 「シェア低下」と「絶対数増加」は同時に起きている
Sensor Tower の調査(2026年6月16日公開)では:
ChatGPT の True Audience share: 46.4%(初めて50%割れ)
ChatGPT の月間 MAU: 約11億人(過去最高水準)
Claude の YoY(前年比)成長率: 約640%
Gemini の share: 27.7%(Android 組み込みの恩恵あり)
ChatGPT は利用者数(絶対数)では成長を続けながら、シェア(相対数)では低下しています。これは「カテゴリ全体が急拡大しており、Claude・Gemini がその拡大速度よりも速く成長している」という現象です。
4-2. True Audience share に注意
Sensor Tower の True Audience share は「モバイルアプリの重複排除済みリーチ指標」であり、単純な MAU シェアとは計測手法が異なります。この数値を「ChatGPT のウェブ利用も含めた市場シェア全体」として解釈すると誤読になります。
5. 短期・中期・長期の整理
時間軸定義:
短期: 0〜3か月
中期: 3か月〜1年
長期: 1年以上
5-1. 短期(0〜3か月)
予想される動き: GPT-5.6(またはそれに相当するモデル)が agentic coding の性能を示せれば、Fable 5 不在の空白を活かして開発者層のリテンションを強化できる可能性。GPT-4.5 の ChatGPT 削除による一般ユーザーへの影響は軽微。2026年8月26日の Assistants API 廃止が多くのエンタープライズシステムに影響する実務上の急所
不確実性: GPT-5.6 が6月中に出ない場合(Polymarket 90% でも10%は「出ない」リスク)。Gemini 3.5 Pro の GA が同時期に重なった場合、ニュースサイクルが分散する
効果が出にくい条件: GPT-5.6 が予告通りにリリースされない場合、または性能が期待を下回った場合
5-2. 中期(3か月〜1年)
予想される動き: GPT-5.4→5.5→5.6 というサイクル(約110日間隔)が続いた場合、エンタープライズ顧客のプロンプト再調整・統合再検証コストが顕在化する。「モデルが安定して使えること」を優先する企業が Claude や Gemini に移行する動きが続く可能性。ChatGPT の IPO(予定:2026年 Q4)がシェア回復を求める圧力を高める
不確実性: Fable 5 が9月以降に復活した場合、Claude Code が「agentic coding 最強」に戻り、GPT-5.6 の差別化が再び難しくなる
効果が出ない条件: OpenAI が enterprise 顧客向けに「特定バージョンの最低18か月 API 保証プログラム」を提供し、モデルチャーン問題を解消した場合
5-3. 長期(1年以上)
予想される動き: ChatGPT が 50% 割れを定着させた場合、AI アシスタント市場は「ChatGPT 〜40%・Gemini 〜30%・Claude 〜15%」に向かう3社均衡の可能性。企業が単一 LLM ベンダーへの依存を避けタスク別に使い分けるマルチモデル戦略がデファクト化する。Sakana Fugu(さかなフグ)等のモデルオーケストレーターの台頭もこの流れを加速させる
不確実性: AGI 達成が市場全体の前提を再定義する。中国 AI モデル(DeepSeek V4 等)のグローバル展開が3社競争に割り込む
効果が出ない条件: OpenAI が GPT-6(次世代フロンティア)を2027年前半に投入し、圧倒的な性能差でシェア回復に成功した場合
6. 混同しやすい点

7. まとめ
GPT-4.5 の ChatGPT 削除は UI の整理であり、API 利用者への即時影響はありません。ただし Assistants API の廃止(8月26日)は多くのエンタープライズシステムに実務的影響を与えます。Responses API への移行計画を今すぐ確認することが優先事項です。
市場シェア 50% 割れは「ChatGPT の衰退」ではなく「AI 市場全体の急拡大による相対的低下」です。絶対数では最高水準を維持しており、Claude の640%成長・Gemini の Android 組み込みが市場を押し広げています。
GPT-5.6 は公式未発表のため、スペックや性能を確定情報として扱うことは避け、リリース後に OpenAI 公式から出るベンチマーク・価格を確認してから判断することをお勧めします。
主な参照
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免責
本記事は2026年6月22日時点の公開情報に基づきます。GPT-5.6 のスペック・価格・リリース日は公式未発表のため、記事公開前に OpenAI 公式ページを必ずご確認ください。Sensor Tower の True Audience share は同社独自の計測手法に基づく指標であり、市場シェアの一側面にすぎません。本記事は投資判断を推奨するものではなく、AI ツール選定に関しては各組織の要件・セキュリティポリシーに照らして判断してください。
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