アイラブ日常。愛は、カレーライス。
カレーは大好きだ。
作ってあげたときに、たいていみんなに「美味しい」と思ってもらえる。
私は珍味な女なのだけれど。
本当は、みんなが大好きで、みんなが安心する、
カレーライスのような女になりたい。
そんな憧れを込めて、カレーを作る。
普通のカレー。
スープカレー。
スパイスカレー。
ドライカレー。
いろんなカレーを作る。
息子は、私の作ったトマト多めのドライカレーが好きだ。
上にゆで卵のスライスをトッピングすると、気分も明るくなる。
今日はカレーにしようかな。
と思うだけで、幸せになる。
なので、自然とカレーの日が多くなる。
カレーライスは、家でも作るのに。
外食でも食べてしまう。
家で作れるものを、わざわざ外で食べる。
それでも食べたい。
カレーには、そういう抗いがたい魅力がある。
そんなカレーに、少しジェラシー。笑
私は、あまり人に嫉妬しない。
お金、若さ、地位、名誉、
それはただの一時的な「状態」なので、あんまり興味ない。
だからこそ。
珍しく嫉妬心を覚えると、その感情は、ものすごく強い。
たとえば、才能。
愛される力。
そして。
カレーのような、万人を惹きつける魅力。
自分は。
ちょっと野性的で。ちょっと珍味な女。
だからこそ。
家族や友人や、好きな人が。
ホッとして。
笑顔になって。
お腹も心も満たされて。
疲れが取れて。
「さあ、もうひと頑張りしよう」
そう思えるような存在になりたいのだ。
私の特技は。
世界中、どんな国に行っても、その国の食事になじむことができること。
これって、けっこう大事なサバイバル能力だと思っている。
ネパールに留学していたころは、ダルバートという、
現地におけるカレー風味の毎日定食のようなものを食べていた。
豆のスープに、ご飯、野菜のおかず、漬物などがついている。
ネパールでの食事は、何を食べてもほぼほぼカレー風味だったけれど、
なぜかまったく飽きなかった。
タイにマンションを借りていたときも、カレーばかり食べていた。
グリーンカレーも、よく食べた。
あれは、毎回ちょっとした冒険だった。
何しろ。
どこまでが食べていい具で。
どこからが、煮込んだスパイスなのか。
よく分からない。
謎の色をした野菜みたいなものが、しれっと入っている。
「……これ、食べるやつ?」
毎回、ちょっとビビる。毎回、楽しい。
インドの友人夫婦の家に泊まったときも。
カレーをごちそうになった。
美味しかったなあ。
家庭によって、スパイスの調合が違うんだよね。
同じカレーでも。
その家にしかない味がある。
きっと、同じ市販のルーを使っても。
やっぱりカレーは、その家の味になる。
その不思議な余白と、可能性。
それが、カレーの魅力なのだと思う。
たまねぎ、とんとん。
にんじん、ざくざく。
じゃがいもの皮をむいて。
あめ色になるまで炒めた玉ねぎ。
チキンは、皮からパリッと焼いて。
炒めた具材の上から、水を入れる。
ローレルを、2、3枚。
沸騰したら、あくをすくう。
具材がやわらかくなったら、ルーを入れる。
弱火で、コトコト煮込んだら。
美味しいカレーができあがる。
コツは、待つことだけ。
焦って強火にして、焦がしてしまわないようにするだけ。
あれ?
これって、人間関係にも似ているな。
家族も。
友情も。
恋も。
焦らず、弱火でコトコト。
美味しくなるまで、待つ。
不思議。
カレーの話をするだけで。
鼻の奥から脳髄まで、スパイシーな香りが広がる。
ああ、どうしよう。
無性に、神保町へ行きたくなってきた。笑
大好きなスマトラカレー屋さん。
日曜日は、お休みなんだよね。
身もだえちゃう。笑
届きそうで、届かない。
手に入りそうで、入らない。
だから、余計に欲しくなる。
平凡な顔をして、にくいやつ。
しょうがない。
私のスペシャルカレーでも作りますか。
普通のルーの、普通のカレーだけれど。
けっこう美味しい。飽きない。幸せ。
私は日常を愛している。
愛は日常。
そして、
愛は、カレーライス。
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