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何度落ちても、英検1級をやめなかった理由ーー不合格のたびに考えていたこと

お昼の12時。英検の合否発表の時間。

自己採点で、「今回もダメだろうな」と思いながらも、心の中では一縷の望みを願っている。

「奇跡が起きて、何かの間違いで受かってるかも……」

そう思いながら、スマートフォンで英検サイトを開く。

何度もログインを試す。震える手で、合否画面を開く。

そして、灰色の「不合格」の画面を目にするーー

そんなことを、何回も繰り返していた時期がありました。

SNSを見ると、目に入るのは、緑色の「合格」の画面ばかり。

自分が合格点に届いていないことに異論はないのだけれど、自分よりもアンバランスな得点の人もいるのに、どうして自分は受からないんだろう。どうして、周りはどんどん受かっていくんだろう。もう一生、受からないんじゃないか。

一緒に勉強を頑張っていた仲間たちが合格するのは、もちろんうれしい。どんなレベルのことをやっているかを知っているからこそ、素直に「おめでとう」と言いたい。

でも、自分もやっているのに。どうして自分はーーと、心のどこかに黒いモヤがかかる。

そんな風に思ってしまう自分も嫌だった。

「努力は裏切らない」なんて嘘なんじゃないか。簡単に裏切る。結果はついてこない。

これまで費やした時間も、お金も、すべて無駄じゃないか。

どうしてこんなに、つらい思いをしながら、やっているんだろう。

英検1級の不合格を何度も経験するたびに、私はこのように思っていました。あの頃の苦い気持ちは、今でも忘れません。

もう何度も、「やめてしまおうか」と思ったことがありました。でも、なぜ合格するまで受検を続けたのか。

一つは、もう意地だったと思います。乗り掛かった舟を、途中で降りるわけにはいかない。
しかも、自分から意気込んで乗った舟です。それを数回ダメだったからといって「やっぱりやめます」なんて言うのが、なんだか悔しかったし、恥ずかしかった。きっと誰も、降りることを責めないけれど、自分がそれを認められなかったのだと思います。

もう一つは、自分に自信をつけてあげたかった。

これまで、いろいろなことを達成してきたはずだけれど、それによって得た自信も、どうしても薄れてきてしまう。過去の栄光にいつまでもすがりたくもない。新しく、難関の何かを達成することで、「まだまだやればできる」という自信がほしかったように思います。

それに、「努力する」ということ自体を、忘れたくなかった。何も頑張らない大人になりたくなかったんだと思います。

そんな日々のなか、ふと気づいたことがありました。

「このまま“合格”を目指していても、受からないかもしれない」

以前、塾で教えていたとき、よく生徒に話していたことがあります。「80点」を目指すと、「60点や70点」で終わってしまうことがよくある。「80点」を確実に取りたいなら、「90点」を目指すこと。「90点」を取りたいなら、「100点」を目指すこと。
常に少し上のランクを目指して、やっと自分が最低到達したいレベルに達することができる。

これは、今の自分にも当てはまるのではないか。

「ぎりぎり合格」を狙っていては、合格できない。そう思った私は、「余裕で合格するためにはどうすればいいか」を考えて、学習内容を見直していきました。

余裕で合格するためには、語彙がわからないなんて言ってられない。長文を読む時間が足りない、なんてことも言ってられない。ライティングはその場で瞬時に組み立てられる練習をしないといけない。リスニングは、選択肢を見ながら迷っている時間なんてない。

「満点で合格する」「完璧に合格する」ことをイメージしたことで、その後の学習への取り組み方も大きく変わったように思います。

そうして取り組んだ結果――

結局、私はぎりぎりで合格しました。

満点ではありません。
余裕の合格でもありません。
それでも、「余裕で受かる力をつける」ことを目指したからこそ、最後の数点が届いたのだと思っています。

合格した今振り返ると、不合格が続いていたあの頃は、とにかく自信がなくなる時期でした。できない自分を責めて、落ち込んでいました。

そんなとき、尊敬する方に言われた言葉があります。

「確実に、少しずつでも力はついているから、あきらめないで。合格できるよ」

その言葉は、大きな力になりました。

だから、今不合格を経験して落ち込んでいる人にも、伝えたいです。どうか、あきらめないで。

続けるかどうかは自分次第ですが、勉強を続けて、意味がないなんてことはないと思います。

きっと、あと少しのところまで来ているはず。

合格する時期は、人それぞれ違うのだと思います。

でも、歩みを止めなければ、昨日の自分より少し前には進める。

できるまでやったもん勝ちです。



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