「頭がいい子」と「そうじゃない子」の違いは、IQじゃなくて〇〇だった
「あの子は頭がいいから」
「うちの子は頭が悪くて」
子供の成績の話をするとき、こういう言葉が自然と出てきます。
でも、「頭がいい・悪い」という見方そのものが、子供の可能性をものすごく狭めてしまっているかもしれません。
研究の世界では、学業成績に影響を与える要因についていろいろなことがわかってきています。
その中で注目されているのが、IQよりも「自己調整能力」と呼ばれる力です。
IQと成績の関係は、思っているより小さい
IQと学業成績には確かに相関があります。
ただ、その相関は「IQが高ければ必ず成績がいい」というほど強いものではありません。
IQが高くても成績が振るわない子もいれば、IQが平均的でも優秀な成績を出し続ける子もたくさんいます。
認知心理学の研究では、長期的な学業成功を予測するうえで、IQと同じかそれ以上に重要な要素として「自己調整能力」が挙げられています。
自己調整能力とは何かというと、簡単に言うと
自分の行動や感情を自分でコントロールできる力
です。
やりたくないことでも始められる、集中が切れても戻ってこられる、うまくいかなかった時に気持ちを切り替えられる、といった力のことです。
「頭のよさ」は固定されたものではない
これに関連して、スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエック教授の研究があります。
人間の知性や能力に対する見方には、大きく2種類あります。
「自分の能力は生まれつき決まっていて変わらない」という考え方と、「努力や経験によって伸ばせる」という考え方です。
前者を固定マインドセット、後者を成長マインドセットと呼びます。
ドゥエック教授の研究では、同じ難しい問題に直面した時、2つのマインドセットを持つ子供の行動が大きく違うことが示されています。
固定マインドセットの子は、失敗を「自分の能力が低い証拠」と受け取ります。
失敗が怖いので、難しい挑戦を避けるようになります。なるべくできそうなことだけやって、自分の能力が低いことが露わにならないようにします。
成長マインドセットの子は、失敗を「まだ成長の途中」という情報として受け取ります。
難しい問題に当たっても、諦めずに粘る時間が長くなります。うまくいかない方法を試した経験が、次の試みに活かされていきます。
親の言葉が、どちらを育てるかを決める
ここで気になるのが、マインドセットはどこで育つのかということです。
ドゥエック教授の実験では、子供への褒め方を変えるだけで、その後の行動が大きく変わることが示されました。
「頭がいいね」と能力を褒めると、その後、子供は難しい問題を避ける傾向が強まります。
「頭がいい」というラベルを守るために、失敗しそうな挑戦を選ばなくなるんです。
一方、「よく頑張ったね」「諦めずに考え続けたね」とプロセスを褒めると、その後、難しい問題に積極的に取り組む傾向が出てきます。
努力することが評価されると知っているので、失敗を恐れて逃げる必要がなくなります。
「頭がいいね」は褒め言葉に聞こえますが、実は子供の挑戦する力を少しずつ削いでしまう可能性があります。
「まだできない」という言葉に力がある
成長マインドセットを育てるうえでシンプルに使えるのが、「まだ」という言葉です。
「できない」ではなく「まだできない」。
たった2文字ですが、意味がかなり変わります。
「できない」は現在の状態を固定します。
「まだできない」は、これから変わる可能性を残します。
「なんでできないの」ではなく「どこまではわかった?」と聞くこと。
「また間違えた」ではなく「前よりここが進んだね」と伝えること。
こういう言葉の積み重ねが、子供が自分の力を信じるかどうかに影響していきます。
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