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人間学辞典 #009神

定義

神とは、人間を超えたどこかに存在する、特別な誰かではない。

この世界を生み、あらゆる命を動かしている、目には見えない大いなる働きである。

花が咲き、鳥が空を飛び、人が生まれ、やがて死んでいく。

人間の意思を超えて働き続ける、生命と自然の営み。

その名づけることのできない存在を、私たちは「神」と呼んできた。


人間学の視点

人は、不安になると神を求める。

願いを叶えてほしいと祈り、苦しみから救ってほしいと願う。

しかし、神は人間の願いを叶えるために存在しているのだろうか。

自分に都合のよいことが起これば神に感謝し、都合の悪いことが起これば、神はいないと嘆く。

それは、神を自分の願望を実現する存在として見ているからである。

だが、自然を見れば、人間の善悪や都合とは関係なく、すべては移り変わっている。

雨が降り、風が吹き、花が咲き、花が散る。

誕生も、老いも、病も、死も、大きな生命の流れの中で起きている。

神とは、その流れの外側にいる支配者ではない。

すべての存在を貫き、今この瞬間にも働いている、生命そのものなのである。


気づき

神を信じるとは、特定の姿や教えを信じることだけではない。

自分の力だけで生きているのではないと気づくことである。

心臓は、自分が命令しなくても動いている。

朝になれば太陽が昇り、大地は命を育み続けている。

私たちは、自分では理解することのできない無数の働きによって、今ここに生かされている。

その事実に深く気づいたとき、祈りは願い事ではなくなる。

「こうしてください」ではなく、「生かしていただき、ありがとうございます」という感謝へと変わる。

神とは、探し求めるものではない。

自分のエゴが静かになったとき、すでにここにあったことを思い出すものなのである。


まとめ

神とは、世界のどこかにいる特別な存在ではない。

すべての命を生み、支え、動かしている、名づけることのできない大いなる働きである。

神を知るとは、その存在を証明することではない。

自分もまた、大いなる生命の一部として生かされていることに気づくことである。


あなたへの問い

あなたは今日、自分を超えたどのような働きによって、生かされていると感じますか。


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