【開発報告】Neo-Zipangu、ついに「形」が見えてきた。――スキップ実装という名の修羅場を越えて
IT教育者として、また一人のクリエイターとして開発を続けてきたサーバーレス・ボードゲーム「Neo-Zipangu」。
いくつもの壁にぶつかりながらも、ようやく一つの大きな節目を迎え、ゲームとしての「形」が整ってきました。

「スキップ」という名の地獄
今回の開発で最も苦労した、と言っても過言ではないのが「スキップ(ターン処理・非同期制御)」の実装です。
一見、単純に「次のプレイヤーに順番を回すだけ」に思えるこの機能。しかし、サーバーレス環境(GCP/FastAPI)でReactをフロントに据えたマルチプレイヤー型の挙動を構築するとなると、話は別でした。
非同期で送られてくるアクションの整合性
通信の遅延やタイムアウトによる状態の不一致
「誰が」「いつ」操作する権利を持っているかの厳密なステート管理
これらが複雑に絡み合い、デバッグのたびに処理が迷宮入りする日々。まさに「忍」の忍耐が試される、終わりの見えない修羅場でした。しかし、この「スキップ」が安定したことで、ゲームとしてのリズムが生まれ、ようやく実戦で耐えうるシステムへと昇華されました。
鬼門その一:コンピュータをいかに「実装」するか
ボードゲームの核となるのは、ルールの厳密な適用と、状況に応じた動的な判定ロジックです。
「誰がどのリソースを持ち、どのヘックスを支配しているのか」という状態を、いかに軽量かつ破綻なくコードに落とし込むか。ここが最大の難所です。
ステートの巨大化: 盤面が広がるにつれ、管理すべきデータ量は指数関数的に増えていきます。
判定の連鎖: 一つのアクションが引き起こす連鎖反応(リソースの供給停止や接続の再計算)を、いかにバグなく処理するか。
これを実現するために、複雑な条件分岐を整理し、関数の純粋性を保ちながら、一つひとつのパーツを「組み木」のように組み上げていく作業。これこそが、実装の醍醐味であり、同時に最大の苦しみでもあります。
鬼門その二:オンラインプレイの実現という難問
一人で動くものを作るのと、ネットワーク越しに複数のプレイヤーが同時に遊べるものを作るのとでは、難易度が次元を超えて変わります。
特にサーバーレス環境(FastAPI + GCP)でのリアルタイム性を伴うオンラインプレイには、特有の課題があります。
同期の壁: Aさんの画面で見えている状態と、Bさんの画面の状態を、コンマ数秒の狂いもなく一致させ続けること。
「待ち」の制御: 相手のターン中に何を表示し、どう入力を制限するか。そして、予期せぬ切断が起きた際にどう復帰させるか。
オンライン対戦は、単なる機能追加ではなく、アーキテクチャ全体の設計思想そのものが問われる領域です。まさに開発者としての「地力」が試される、最大級の鬼門と言えるでしょう。
「ターミナル」に込めた美学
UIデザインにおいては、徹底して「ターミナル(端末)」感を追求しました。黒背景に走るネオンカラーのライン、そしてヘックス(六角形)で構成される戦略マップ。単なるボードゲームではなく、未来のエンジニアがサイバー空間でリソースを奪い合うような没入感を目指しています。
私の信条である「Survival DX」に基づき、1.5万円のChromebookのような低スペックPCでもサクサクと動作するように、処理の軽量化にも心血を注いでいます。
これからのNeo-Zipangu
「形」になったとはいえ、まだスタートラインに立ったばかりです。今後は実際のプレイテストを重ね、バランス調整やバグの徹底的な排除を行っていきます。
富や名声を短絡的に求めるのではなく、質の高い「実践」を報告し続けること。それが私の歩むべき道だと信じています。
進捗はまたこのnoteやGitHub、YouTubeで報告していきます。引き続き、この忍の挑戦を見守っていただければ幸いです。
Masaaki Itoh / Hack Ninja
いいなと思ったら応援しよう!
忍の知恵と技術への「お布施(チップ)」を賜りたく存じます。頂いた財は、持続可能な社会、子供たち、自然、そしてあなたへの還元(有益な発信・開発)に全額投資いたします。画面下のボタンより、影の立役者たる拙者への御調達をお願い申す。一期一会の御縁に、深き感謝を。