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52歳が、右往左往しながら本を出したら、3回も重版できたので、本づくりのプロセスをすべて書き残しておきます

人生で一度は本を出版してみたい

いつからか、ぼんやりとそう思うようになりました。

あ、いきなり、すみません。

5年ほど前に会社員を辞めて独立し、今はベンチャー・中小企業の社長に伴走する経営アドバイザーとして、事業戦略や組織づくりなどのご支援をしている、萩原はぎわら雅裕と申します。

会社員時代は、NTTデータ、ベインアンドカンパニー、日本マイクロソフト、マイクロソフト米国本社、LINE WORKSと、日系と外資、大企業とスタートアップ、と多様な環境で働いてきました。

4象限、それぞれ経験しました


そんな私が、30年ほどの社会人経験をもとに、52歳にして初めて本を出版しまして、ありがたいことに4刷(3回重版)、2.1万部を突破することができました。

将来の自分への備忘録として、そして、出版に向けて動いている方の参考になるかもしれないと思い、ここに至るまでのあれやこれやの変遷を書き残しておきます。


本は読むものだった(当たり前)

社会人になりたての、20代半ば頃は、ビジネス書をたくさん読んでいました。と言っても、薄給の身に1,500円超の書籍代はそこそこ負担だったので、厳選せざるを得ない。だから、売れてる本、定番の本を選ぶだけでしたけど。

忙しくなると本が読めなくなり、読書習慣がパタリと止まることも。かと思えば、流行りものを追いかけててもダメなんじゃないかと、急に古典的名著に手を出してみたり。

定期的に本を読みたい熱が高まり、大量に買ってむさぼるように読むのは、今もあまり変わらない。

とはいえ、読者としての体験は豊富でも、書き手になるのは全然別の話。

だいたい、小学生から高校生まで、作文や読書感想文で表彰されたことなんて一度もない

大学受験の小論文は、ちょっとだけ得意だったような気もするけど、もはや記憶の彼方すぎて、よく覚えてません。

大人になり、ブログを書いたり、noteを書いたりするうちに、世間一般の人に比べて、自分は文章を書くことが嫌いじゃないし、あまり抵抗がないのだと理解できてきたのは、30代を過ぎ、40代に入った頃だったでしょうか。

それでも、本を書くとなると、まったくの別世界です。


書きたくても、書けるネタがわからない

人生で一度は本を書いてみたい。

そう思ったとて、きっと多くの人がそうであるように、私も「そもそも、どんなネタで本を書くのか」すら定まっていませんでした。

2021年に独立した当初は、本を出したい!という意欲も強く、あれこれ考えたものです。

2019年に私史上、はじめてバズったnote記事「大企業でしか働いたことのない40歳オッさんがスタートアップへ行った話」をベースにしたスタートアップ立ち上げ体験記? いやいや、もっとすごい起業家がたくさんいる中で、私の話なんて中途半端すぎる…

私が中年の危機を乗り越える過程で感じたこと、学んだことをまとめたnoteマガジン「40歳からのキャリアデザイン」をベースにした、中年向けキャリア本? いやいや、無名のオッさんの話なんて、だれも興味ないやろ…

本業に近いBtoBマーケティングや事業戦略の本?→ 書けたらカッコいいけど、重鎮がたくさんいる中で、私しか書けないことなんてあるのか…?あったとて、1冊になるのか…?

と、どれも決め手に欠け、「自分には本は書けないのかな」と、熱量も下がり、いつしか出版について真剣に考えることもなくなっていました。


本業やnoteを頑張ってみるも道は見えず

まずは本業だろ!と、ベンチャー・中小企業向けの経営アドバイザー(伴走型コンサルティング)を頑張りながら、

幅広くネタ出しをするためにもnoteでの発信を強化しようと、第一人者である みずのさんにパーソナル編集者をお願いしてみたり、

やっぱり、「中年の危機」は自分なりのネタとして深めたいと、noteメンバーシップ「40歳からのキャリアデザイン実践コミュニティ」を始めてみたり(既に終了)、

あれこれやってみたものの、出版に至る道が見えてくることはありませんでした。

それどころか、みずのさんには毎月「noteが書けません…」という相談をしていたくらいです。一時は「書けない呪いがかかってますね」と言われてたっけ(苦笑)


あまり苦労せずにできること=語れるネタがあることに気づいてなかった

一方で、対照的なほど、あまり苦労を感じることなく進められることもありました。それが、Asanaアンバサダーとしての活動です。

愛用するワークマネジメントツール Asana のアンバサダーとして、ユーザー視点でのTipsを発信したり、勉強会を開催したり、その内容をまたnoteにまとめたり、といった一連の活動は、そこまで苦労することなく、できていました。

今思えば、「散々やってきた・考えてきたことなので、いくらでも話せる」ネタがあったんですよね。当時は、そのことにすら、気づいていませんでしたが。

そんな流れから、ビジネスパーソン向けにタスク管理のコツを、あらためてnoteで書いてみたらいいんじゃないか、と思うに至り、書いてみたのが

『コンサルと外資で学んだ、「アクション動詞」でタスクを書くと生産性が高まる話』

でした。


まさかのnote創作大賞入選、出版できるかも?!

公開直後から、「お、わりと反応してもらえてるぞ」と感じたものの、まさかnote創作大賞に入選できるとは、想像もしていませんでした。

選定いただいたメディア(出版社)さんとご挨拶させていただいたり、

授賞式後のパーティーで編集者さんから「本を書く意向はありますか?」と聞かれ、「はい、あります!」と答えたり、

「もしかしたら、出版できるのかも??」となったのは、2024年10月ごろ。

そこから、編集者さんと企画書を練り上げ、何度もダメ出しされながら編集会議を通すのに、またひと苦労。

よく誤解されるんですけど、編集者さんから声が掛かる=出版確定 ではありません。全然違います。スタートラインに立てたかも、くらいな段階で、スタートすらしてません。

そこから、まず企画書を作るんです。出版社にとって、本を出すというのは、投資です。コストと労力を掛けて、1冊を作り上げ、それできちんとリターンを回収できるのか。会社として、そういう投資判断をするわけです。

なので、まずその稟議を上げるための準備が必要。それが企画書にあたります。

となると、編集者は、そもそも売れる見込みがあると思える企画でなければ、編集会議に企画を上げることすらありません。ダメそうな企画を上げたところで通りませんし、筋の悪い企画を上げたら、自分の評価が下がるかもしれませんからね。そんなことするわけがありません。

だから、まずは編集者さんが「これなら編集会議に上げられる」と思えるような、良い企画を練り上げなければいけないのです。

私の場合、いくら元ネタのnoteがあるとて、せいぜい4,000文字程度です。書籍1冊には8万〜10万文字必要なわけですから、「このネタは使うにしても、さてどんな本を作りましょうかね?」というところからのスタートでした。

編集者さんと何度も何度もやり取りし、数時間の打ち合わせを何度も繰り返し、どうにか「これで上げてみます」と言ってもらえる企画書ができ上がるまでに、1ヶ月ほど掛かりました。

「なんだ、たった1ヶ月か」と思うかもしれませんが、かなりの時間を投下しての1ヶ月なので、のんびりやってたら2〜3ヶ月はゆうに掛かりそうなボリュームでした。たまたま、時間が取りやすい時期だったので良かった。


1回目の編集会議はまさかの結論

ようやく仕上げた企画を上げてもらい、ドキドキしながら、結果を待っていたら、待っていたのはまさかの結論でした。


大ヒットのポテンシャルがある。よって、まだ通さない!


え?どういうことですか??


要は、「もっと練れ」ということらしい。

デスク(編集長)やベテラン編集者さんたちからのフィードバックを受け、もう一度、編集者さんと、何度も議論を重ねる。

翌週にすぐ再チャレンジできるかというと、そうもいかないようで、数週間の後、もう一度チャレンジ。

ようやく編集会議を通過し、経営会議的な最終決裁が通ったのは12月半ば。編集者さんとの濃密なやり取りが1ヶ月半ほど続いていたことになります。

「なんだ、たった1ヶ月半か」と思うかもしれませんが(以下略

執筆も大変だし、タイトルも決まらない

執筆開始したのは2024年の年末。

当たり前ですが、まあ、大変です。大変ですが、書くしかないので、頑張って書く。それだけ。

すると、編集者さんから、たくさんのフィードバックが返ってくるので、それを反映していく。

構成を変えたり、ロジックを組み立て直したり、キーワードを明確にしたり、概念図を作ってみたり。

そんなこんなをあれこれ続けること、3ヶ月ほど。自分としては、「さすがに、これはだいぶ進んだんじゃない?9割がた完成で、もうすぐ出せるんじゃないの?」なんて思ってたら、編集者さんから衝撃のひと言が。

「いいですね!50%くらいだったのが70%くらいまで来た感じです!」

ええぇ、まだ70%なの?てか、こないだまで50%だったの?

ぐぬぬ、やはり書籍というのは一筋縄ではいかないんだな、と認識を新たにしつつ、原稿と悪戦苦闘を続けていると、編集者さんからこんな話が。

「そろそろタイトルを固めましょう」


企画書の段階で仮タイトルはあるものの、原稿が仕上がってきたところで、あらためてタイトルを本決めするのが、一般的なようです。

で、これまた、編集者さんと、何案も出し合いながら、ああでもない、こうでもないと、やり取り。これだけでも1ヶ月半くらい掛けたでしょうか。

ようやく「これで1回出してみよう」となり、編集会議に上げていただき、これで決まるのかなーと思っていたら、またまた衝撃の回答が

「編集部の意見がまっぷたつに割れました!」


えええ?なに、どういうこと?わりとあることなの??

「こんなことは初めてです!」

お、おぅ、そうなんだ。
どうしたらいいんだろう?

要は「練れ!」という意味なので(2回目)、またまた編集者さんと、たくさん案を出し合い、やっぱこうじゃないか、いや、こういう手も、と議論を重ねる。

もう、いくつ案を出したかわからない。

そんなことをやりつつ、裏では原稿の構成を大胆に変えたり、やっぱりやり過ぎだったので、少し戻したり。言葉の定義を見直したり、ばっさりカットしたりと、だいぶ重たい原稿作業を繰り返す。

そうして、固めたタイトル案で再チャレンジ。

結果は、、、


「また割れました!」


嘘でしょ……。

というわけで、またまた編集者さんと(以下略

3度目のチャレンジでようやく確定する頃には、2回目の冬になってました。

最後の最後まで、双方で原稿をブラッシュアップしながら、ようやく校了。

ついに出版、予想もしてなかったネタで

というプロセスを経て、1年以上かかって、ようやく本を出すことができたのです。

『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?
仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』(ダイヤモンド社)


5年前は、まさか自分が「タスク管理」を元ネタにした本を出すことになるなんて、思ってもいませんでした。

だって、BtoBマーケティングとか、事業戦略とかの本を出せた方がカッコいいじゃないですか!(笑)

でも、気づかされたんです。

編集者さんとのやり取りを通じて、私がいかにタスク管理(正確にはタスク化)やダンドリについて、長年試行錯誤してきたかを。そして、語れること(つまり苦労したこと)がたくさんあることを。自分が「ダンドリ磨いて30年」だったことを。

自分にとってはなんてことないネタも、実は世の中の人から興味を持ってもらえるということにも。

そのきっかけは、1本のnote記事でした。

note書いてて良かった!心底、そう思います。


出版してみて初めて気づいたこと

①世の著者の方々、すごい

冒頭に書いたとおり、ビジネス書をたくさん読んできたので、書店のビジネス書コーナーには馴染みがあります。そんな場所に自分の本が並んでいる。

初めてその場面を見たときは感慨もひとしお……となるかと思ったら、そうでもありませんでした。

実はそんな気持ちは一瞬で吹き飛んでしまい、すぐに「え、こんなに積んであるけど大丈夫ですか?こんなに売れますか?大丈夫ですか?」という不安が一気に押し寄せました。

これまでまったく気にしたことのなかった「◯万部」「◯0万部」という帯の言葉が、いかにとんでもなくスゴイことなのか、あらためてひしひしと感じています。

さらに気づいたのは、それこそ私が20代の頃に買って読んだ本が今だに面陳(表紙を見せて棚に飾られている)や平積みされていること。要は、30年くらい現役バリバリで売れてる、超ロングセラーなわけです。マジでとんでもねーな、と思います。


②編集者さん、すごい

今回の本を作り上げるにあたり、上述したとおり、めっちゃくちゃ編集者さんとやり取りしました。その指摘は本当に鋭くて、あらためて自分の考えを整理する助けになりました。

さらには、幅広い読者に手に取ってもらい、読んでもらうためには、相当な工夫が必要なこともわかりました。

今回、多くの方から、特に普段本を読まないような人から「読みやすかった」と言ってもらえるのは、自分だけでは決して思い浮かばないような表現だったり、例え話だったりを、編集者さんの力で加えられたから。

おかげで、仲のいい友人からは「お前、カレーの作り方知ってんの?」という、大変的確なツッコミをいただきました笑笑(私が料理しないのを知ってるので)

本を出すと、家族の対応も変わる

本のプロモーションには、家族がいろいろ協力してくれました。妻や子どもたち、さらには義妹や姪っ子も、いろいろと動いてくれました。

驚いたのは、義理の父が通ってるスポーツクラブに寄付してくれたり、義理の母が通ってる病院に寄付してくれたりと、予想外の動きをしてくれました。そこに来るのはきっと対象読者じゃないとは思うけど笑、なんだかうれしい。

本好きだった母に直接伝えられなかったのは残念だけど、墓前で報告しといた。たぶん喜んでくれてるはず。


独立して以来、子どもたち(高校生)の認識は「父親の職業=ほぼ無職でしょ?」だったのですが、さすがに書店に並ぶような本を出したとなると、認識も変わったようで

「本を出すのって、まあまあスゴいことなんじゃないの?」

そんなセリフが聞けて、とても嬉しい。父ちゃん、頑張った。



2万部突破! 『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』 全国の書店で好評発売中!

ダイヤモンド社さんから本を出版しました!

おかげさまで4刷、2.1万部と、大変ご好評をいただいております。

『『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』』(ダイヤモンド社)

「今日も仕事が終わらなかった」ではなく、「今日もうまく仕事を進めることができた」とスッキリした気持ちで1日を終えたい人にお勧めしたい1冊です。誰かに仕事のコツを教えたいときにもご活用ください。

ぜひお近くの本屋さんでお手に取ってみてください。

本を読んだ方はもちろん、本屋さんで見つけた方も、ハッシュタグ #今日も仕事が でぜひ教えてください!


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