子供のタバコへの曝露は虐待と同じ。必ず無くしていかなければならない。
喫煙は予防可能な死因とされていますが、その中で何としても防がねばならないのが、子供の喫煙と受動喫煙です。
2010年のWHOの報告によると、受動喫煙による死亡者数は、毎年60万人でそのうち16万人が5歳未満の子供が占めるとされ、身体の発達が未成熟な子供はよりタバコの有害物質の影響を受けるとされています。
タバコを吸う家では知らず知らずに受動喫煙してしまい、それが疾患リスクを増す。
自分の育った家はタバコを吸う家庭ではありませんでしたが、子供の頃友達の家に行くと、友達のお父さんの吸うたばこのにおいが家中にしみこんでいるような状態に非常に驚いた記憶があります。
タバコの受動喫煙は、他人の喫煙の煙や副流煙を直接的に吸ったりの受動喫煙に加え、室内空気中に長く滞留するたばこの煙を知らず知らずに、長時間にわたって吸うことによって起きています。
こどもが家に帰ってきて、こうした部屋で数時間過ごしたとすると、直接喫煙者の側にいてたばこの煙を吸ったのと同じ、場合によってはその何倍もの煙を吸うことになります。
こどもの受動喫煙と疾病の関連は研究で多く行われており、喘息、呼吸器の症状、感染症、中耳炎、不安障害などのメンタル疾患との関連が報告されています。
タバコは嗜好品ですが、有害物質を発して子供を受動喫煙にさらして、子供をいろいろな疾病リスクにさらすのは、もはや虐待レベルであると日本小児医療保険協会は発信しています。

妊娠中の喫煙は胎児の脳を傷つける
妊娠中の喫煙は、胎児に影響があると多くの人は理解していると思いますが、妊婦の喫煙率は全くゼロに遠い状態です。ADHD(注意多動性障害)の子どもの母親の喫煙率は同年代の女性の2倍程度高いことで、発達障害児は母のタバコの影響も指摘されています。

妊産婦自身のの喫煙だけでなく、受動喫煙でも低出生体重児や早産のリスクが高まります。さらに、子宮外妊娠、常位胎盤早期剥離、前置胎盤を引き起こす可能性についても指摘されています。
他にも乳幼児突然死症候群(SIDS: Sudden Infant Death Syndrome)の要因となることが明らかになっており、低出生体重児、喘息の悪化、慢性呼吸器疾患、肺機能成長抑制、中耳疾患、急性呼吸器疾患の要因となることも示唆されています。
後を絶たない誤飲事例、加熱式タバコの普及でよりリスクに
子供の誤飲の原因のトップはタバコで、年間に発生のタバコの誤飲事故は少なくとも88000件に達すると推計されています。(2位は医薬品)
最近の過熱性タバコは、紙タバコより、一本一本のサイズが小さいので、子供が飲み込みやすく、また過熱性タバコは熱が伝導しやすいように、中に金属片が入っていることがあるので、誤飲したときのリスクはさらに増加しています。
なぜタバコを誤飲した女児の十二指腸から「金属片」が見つかったのか(石田雅彦) - エキスパート - Yahoo!ニュース
大人の嗜好品と言うだけで、リスクを家庭内にわかっていながら放置している状態で、有毒物を排出をする物質や体内に入れると命の危険が生じる危険な物体を家庭内で放置しているようなとてもありえないような状況であるわけです。
ごみ処理施設や火葬場などの施設を近隣に建てようとすると猛烈な反対運動が起きることがありますが、近隣の施設より家庭内の方がよっぽど危険なことが起きているということです。
年少者の喫煙の実情
中学生の喫煙経験率の推移で、喫煙経験率は年とともに減ってきているが、同時に10歳までに喫煙を開始した生徒の割合は増えているという衝撃の結果です。(下記グラフ参照)これは、親が吸っているからあるいは親がこどもにすすめているようなケースが多いのではと思われます。

小学生の年齢時に喫煙を始める児童の親はほぼタバコを片親か両親が吸っており、吸っていない親はごくわずかだったという調査もあり、いかに家庭の影響でタバコを吸い始める影響があるかということが分かります。
吸わない場合でも、親が家でタバコを吸っていると冒頭で触れた受動喫煙の問題は付きまといます。
未成年者の喫煙は不良行為ではなく治療の観点
タバコをやめれないのは病気だから。速やかに治療につなげる大切さ。
昔はタバコを吸う=不良への第一歩みたいなイメージはありましたが、今の認識はタバコの常習=ニコチン中毒で病気という認識になっています。
子供であってもニコチン中毒なら、速やかに禁煙外来などの医療にかかれば、禁煙治療が施され、ニコチンパッチなどを使い禁煙に取り組めば、成功率高く禁煙できると言われています。
ニコチン中毒の子供への禁煙治療は、以下のことからも重要になります。
①喫煙開始年齢が低いほど、がんや心臓病などによる若年死亡率が上昇。
②喫煙開始年齢が低いほど、短期間でニコチン依存となる。
③子供の喫煙者に対しても、ニコチンパッチなどの禁煙補助薬が有効と証明されている。
ニコチンに支配された生活を何としても修復する必要性
タバコを若いころから吸ってしまうことにより、様々な疾病のリスクが増します。
それは主に将来の病気の苦しみであり、同時に今の苦しみとしては、ニコチン中毒になると、学校での生活や勉強、部活動、修学旅行など、タバコが絶対許されない環境を遠ざけてしまい、それでもニコチンを身体に入れることを優先してしまうという、ニコチンに支配された日常生活になってしまうことです。
タバコは大人になっての嗜好品と言っても、最近は会社でも健康経営の中で、起業でも就業時間禁煙、敷地内禁煙が普及してきており、喫煙者採用不可・喫煙率ゼロを目指す会社も増えてきています。
タバコ会社も利益を得るために、喫煙率が減っても価格でコントロールしようとするので、タバコの価格はこれからも上昇していくでしょう。タバコ吸っていいことなど一つもないと断言できます。
タバコに対する規範意識が変わり、喫煙率がさがってきているこそ、子供からタバコを遠ざける努力を
健康増進法などによりかつてのようにタバコがそこらじゅうで自由に吸えなくなり、世の中の規範意識も変わり喫煙率は減ってきています。これらの動きを今後も加速させて、せめて未成年においてタバコのない社会を大人が作っていく必要があります。
未成年者喫煙禁止法という法律がありますが、これはタバコを吸った未成年を罰するというのが本来の主旨ではなく、タバコの害から未成年を守り、保護するための目的であり、それは大人が責任をもって推進していくべきであります。
近年は、未成年に喫煙をすすめたり黙認した親が未成年者喫煙禁止法違反で書類送検されるケースも増えてきており、このようなハードアプローチも加えて、タバコから子供を守ろうという社会の取り組みとなっており、それが喫煙率の低下や喫煙場所の限定、タバコに対する社会規範意識の変容につながってきています。
大人が自分の責任とリスクを理解して、マナーを守りながら、嗜好品としてタバコを吸うことは個人の選択だと思いますが、受動喫煙をさせない、そして未成年にタバコを吸う選択を絶対にさせないように大人がしつける責任を自覚して実行すべきです。
