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第15回 あなたも、小さな生産者へ〜ローカル複業立ち上げ講座オンライン化のご案内〜

「ローカル複業のすすめ~消費者から小さな生産者へ~」という連載を、全15回でお届けしています。


ここまで14回にわたって、ローカル複業の考え方と実践、AI時代の生存戦略とお金、共同体の試行錯誤などを書いてきました。連載の最終回として、もうひとつだけ、お知らせしたいことがあります。読んでくださっている方の中に、「自分も複業フィールドを立ち上げてみたい」と感じている方がいたら、ぜひその一歩として。「ローカル複業化ラボ」の複業立ち上げ講座をこの度オンライン化しました。これは、ローカル複業を立ち上げたい人のための連続講座です。このラボの目的は、今まで14回にわたってお伝えしてきましたが、今回その概略を改めてダイジェスト的にお伝えし、オンライン講座の提案をさせていただきたいと思います。


ラボの目的

ローカル複業化ラボの目的は、ひと言で言えばこうです。
資本主義の外の世界を作る。半市場経済を作る。豊かに生きるためのインフラを作る。これは「資本主義を活用する世界を作る」「資本主義におびえなくても良い世界を創る」とも言い換えられます。
正直、僕自身もこの目的を100%言語化できているわけではありません。今もずっと言葉を探し続けています。それでも、「市場経済の中だけにすべてを置く生き方は、もう少し見直したほうがいい」「自分たちの暮らしの土台を、自分たちでもつくる」という感覚は、連載でお伝えしてきた通りです。
そしてこの目的を達成するために、ラボでは次のようなアプローチを取ります。

「地域にとって良いことで、自分が心からやりたいことを実現、もしくは、課題に感じていることを解決するために、自らプロジェクトを立ち上げ、自らコミュニティを創る

ラボの3つのポイント

もう少し具体的に、ラボで大切にしている特徴を3つに整理します。

1つ目は「複業化」です。
地域にとって必要だけれどお金になりにくいことだからこそ、収入の柱として事業化するのは難しい。でも複業なら、投入する時間を自分でペース配分できるし、リスクヘッジになります。仕組みにすれば、たくさんの人が関わることもできます。

2つ目は「マイクロビジネス化」
これからの時代、普通に働いていると手取り収入は減っていきます。増税、社会保障費、物価高などの逆風が続いていきそうです。だから地域にとって大切な活動だとしても、ボランティアベースでは継続がなかなか難しいと思うのです。だからこそ、少しでも収入を増やす、あるいはコストを減らすようにその活動をマイクロビジネス化すれば、そこに継続性が生まれます。そして、それを複数人ができるようになれば、こなせる量も大きくなります。

3つ目が「分かち合い(≒コミュニティ化)」
コミュニティ化することで、あなたの複業ビジネスに継続性が伴います。仮に自分ができなくなっても、コミュニティで継続できるからです。関わる人が増えれば、地域内循環が促進され、ローカル複業経済圏も大きくなる。コミュニティ同士が緩く連携することで、新たなプロジェクトも生まれてくる可能性もあると思います。そして、自らコミュニティを作ることで、自分の居場所ができ、支えあう土台にすることができます。

という3つを大切にしています。ですので、このラボでは、自分の稼ぐ事業をガンガン成長させる、というアプローチは取りません。本業の拡大には向かないかもしれないと言うことは、お伝えしておきます。

なぜ、このラボを立ち上げたのか

ラボを立ち上げた背景には、僕自身の2つの課題感がありました。連載でも繰り返し書いてきたことですが、ここで改めて整理させてください。

1つ目は、地域のインフラ維持問題。超高齢化と人口減少の中で、地域のインフラを行政だけに頼り続けるのは現実的ではありません。労働人口の減少で税収が減る。社会保障費が増えて、現役世代の手取りが減る。介護の問題で可処分時間も減る。担い手不足で、大事だけれど稼ぎにくい仕事に人が就かなくなる。
耕作放棄地、森林整備、空き家、買い物難民、交通、介護。地域課題は山積みです。お金になりにくいから専業で支えるのは厳しい。じゃあボランティアで、となるけれど継続が難しい。でも放置しておくわけにもいかない。であれば、「複業化&マイクロビジネス化」という選択肢が作れないか?というのが僕の出した仮説です。

2つ目は、幸福度の低さの問題です。日本は世界幸福度ランキングで61位。GDP、社会保障、健康寿命、人生の選択における自由度は、上位国とそれほど変わらない。なのに「他者への寛容さ」「主観的幸福度」のポイントが特に低い。
ガンジーの言葉に「考えること、語ること、することが一致している時、幸福は君のものだ」というものがあります。僕は、日本人はこれと逆の時間の割合が、特に人生の多くの時間をつかう「働く」の場面で、とても多いのではないか?と思っています。

この二つの問題を同時に解決するのが自分でローカル複業を立ち上げ、そのコミュニティを自らつくることだと考えています。地域を維持していくための複業フィールドを自分で作り、自己決定のもと複業にすれば、幸福度も上がっていくと思っているからです。

そして、この二つの問題に加えて、最近3つ目として加えたのが、第12回で触れたAIの台頭です。複業をある意味生存戦略のために始めておいたほうが良いと思い始めています。

ローカル複業を立ち上げる講座をオンライン化します

という想いの元、ラボを開いて4年が経ちました。複業を立ち上げる講座を以前は年数回やっていたのですが、僕の興味がほかに集中したりすると、講座を開かなくなってしまったりと、正直あまりよくない。そして、最近のAIの台頭を見ていると、複業することは人生の充実度から見ても、社会にとっても良いことだとも改めて思い、講座をオンライン化しました。リアルで同期開催の良さはありますが、オンライン&非同期で各自のペースでやってもらった方が、複業フィールドはもっと増えると思うからです。

今までリアルでやっていた講座内容は動画にして、ワークシートもデータで共有します。そして、ローカル複業コーチというチャットボットも作ったので、ワーク後、チャットボットに相談してあなたの複業をブラッシュアップしてもらう体制も整えました。

講座の内容は以下のようになります。

DAY0 説明会&ローカル複業の価値観共有
DAY1 自分の軸を明確にする
DAY2 ローカル複業で大切にする考え方
DAY3 活動領域(複業テーマ)と商品サービスの検討 
DAY4 提供する価値の検討とビジネスモデル設計
DAY5 ソーシャルコンセプトと企画書の作成
DAY6 コミュニティの作り方 

ざっと内容を書いておきます。

DAY0は、この連載のダイジェスト版です。改めて視聴してもらって、このラボの目的に共感していただけたら嬉しいと思っています。

DAY1は、あなたの価値観・大切にすることを明確にし、あなたが複業をする上で大切になる軸を作ります。どんなに小さくても、自分起点でビジネスをするからには、決断を迫られるシーンが必ずあります。その時、この軸はあなたの羅針盤になってくれるはずです。

DAY2は、ローカル複業をする上で大切にするべき考え方や複業を実践する方法論を学びます。いわゆる起業は初期費用が大きくかかったりとリスクを取り、一大決心ということが多いと思います。けれどもローカル複業はリスクを最大限減らして極力ハードルを下げます。通常のビジネスとは土俵が違うので、その考え方・やり方を学びます。

DAY2の後半からDAY3は、あなたがどんなフィールドで複業を立ち上げるか、様々な切り口からアイデアを出していきます。まずはとにかく拡散して、あなたらしく、しかも複業として成立するようなフィールドを探ります。もうすでにやりたいことが決まっている、という方もいるかもしれませんが、飛ばさずにとりあえずやってみることをお勧めします。きっとあなたが決めていた複業フィールドがより良いものになると思います。

DAY4は、拡散した複業フィールドから、あなたが今やりたいと思えるもの一つに絞り、いよいよビジネス設計の段階に入ります。あなたの複業の価値を磨き上げ、ビジネスモデルキャンバスなどのツールを使ってあなたの複業ビジネスモデルを設計します。この時点ですでに複業はスタートできる状態になっているはずです。

DAY5は、ソーシャルコンセプトを書きます。あなたの複業が「社会にどのような価値や良い影響を提供するか」を文書化します。つまりあなたの想いを形にします。通常、ビジネスモデルを作る前、普通は一番最初に考えることですが、あえてこの段階に持ってきています。

DAY6、最終回はコミュニティの作り方です。このラボの特徴として「分かち合う」があります。あなたの複業をコミュニティにすることで、可能性が広がります。もちろん強制ではありませんが、できたらコミュニティにしてほしので、最後にこの講座を設けています。

以下参考図書です。

藤村靖之『月3万円ビジネス』
神田正典『非常識な成功法則』
佐谷恭『「ありえない」をブームにするつながりの仕事術』
ティム・クラーク 『ビジネスモデルYOU』
池田貴将『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』
内山節(著)『半市場経済』
藻谷浩介『里山資本主義』
伊藤洋志 / Pha『ナリワイをつくる・イドコロをつくる』
影山知明『ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~』
リンダ・グラットン著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』1・2
ジェームズ・ワット『ビジネス・フォー・パンクス』
アレックス オスターワルダー, イヴ ピニュール  『ビジネスモデル・ジェネレーション』
ラリー・キーリー『ビジネスモデル・イノベーション』
アレックス・オスターワルダー『バリュー・プロポジション・デザイン』
平野敦士カール 『ビジネスモデル思考』
神田昌典氏『口コミ伝染病』
佐藤伝『ひとりビジネスの教科書』
中山 匡 『失敗をゼロにする 起業のバイブル』
近藤哲朗『ビジネスモデル3.0図鑑』
高木芳徳 『トリーズ(TRIZ)の発明原理40』
田口一成『9割の社会問題はビジネスで解決できる』
小島英揮『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』
佐藤航陽『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』
佐藤尚之『ファンベース』
佐渡島庸平『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』
宇野常寛『庭の話』

参考図書

リアル壁打ちが必要な場合は、ぜひ来てください

オンライン化するにあたって、少し迷ったこともあります。それは、今までリアルで開催していた時の受講者アンケートに「締め切りの役割」「共有の時間」がありがたい、という意見が多かったからです。リアルでは2週間に一度物理的に集まり、ワークショップを開催し、その場で意見交換もしていました。その意見交換で新たな気づきがあったり、それぞれの複業がより良いものになっていったからです。そして、毎回宿題を出すので、ある意味良い締め切りになっていたのです。
なので、その良い面はオンライン講座でも残せるようにしたい。
ということで、毎週金曜日10時~16時、コワーキングiitoco!!@喫茶あるいは、という場を佐久市の野沢商店街の一角で開いています。もし、壁打ちや締め切りが必要な方は、ぜひいらしてください。

(遠方だからいけない、という方もいるかもしれません。正直今のところは別日にオンライン等でその日程を確保することは考えていないのですが(代替案としてのチャットポットでもあります)、どうしてもと言う方はメッセージください。)

ラボの関係性

もうひとつ、大事なことをお伝えしておきます。
ラボは、講師と受講生という縦の関係ではありません。仲間です。学び合い、応援し合う関係性です。つまり、コワーキングです。
僕自身も試行錯誤の真っ最中。だから受講生のみなさんからも、たくさんのことを学ばせてもらっています。これまでに立ち上がった17のプロジェクトも、僕が指示したものはひとつもなく、それぞれが自分の内発的動機から立ち上げてきたものばかりです。
ラボはそういう場所です。「教えてもらう」というよりは、「一緒に試行錯誤する」という感覚で参加してもらえると、いちばんしっくり来ると思います。

最後に

14回の連載と、最後のご案内回を読んでくださり、ありがとうございました。最終回の最後に、ラボへのご案内を置いたのは、僕の中で連載とラボがひと続きのものだからです。
連載で書いてきたことは、僕がここ数年、仲間と一緒に試してきたことの記録です。そして、もし読んでくださった方の中で「自分もやってみたい」と感じてくれた方がいたら、その次の一歩を一緒に踏み出すための場所がラボです。
ラボに参加しなくても、もちろん構いません。自分の地域で、自分の仲間と、自分のやり方で始めるのが本来の姿です。もしきっかけとして立ち上げ講座だけやってみたいという場合も、どんどん使ってください。

僕自身も、まだまだ模索、探求段階で、これからもずっとそうだと思っていますが、たくさんの複業仲間(佐久地域でリアルに作る仲間も、ほかのローカルで造る仲間も)と共にローカルを作っていくことができたら、うれしいです。

★エハラノート
最初無料にしようかと思ったのですが、少しだけいただくことにしました。(2026年7月現在は、β版なので1,390円させていただいています。しばらくしたら正式リリースでちょっとだけ値上げします。)沢山のローカル複業が生まれることを願っています。

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