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企画参加「#手放してよかったこと」

こちらの企画を拝見して、よし、書いてみようと思い立ちました。

手放してよかったことは、塾講師という職業です。

なんか、愚痴っぽい内容になってしまいましたが、この記事を読んで、塾業界へ転職を考えている方が、思いとどまってくれるとうれしいです。

さてさて。本題。

私は大学卒業と同時にIT業界に就職し、40過ぎまでに3社を渡り歩きました。
元々は英語の教師になりたいと思っていたこともあり、40を少し過ぎてから、思い切って塾業界へと転身した次第です。

しかし、そこは地獄の入り口でした。

最初に就職したのは、地域で進学実績トップの超がつく進学塾。
どうせ入るなら一番のところを。
と考えていたので、採用通知を頂いた時は、やる気に満ちていました。
と同時に、塾講師の経験ほぼゼロの自分を雇ってくれる不思議さはありました。

働き始めると、黒い部分が徐々にわかってきます。

いざ仕事を始めると、想像をはるかに超えてしんどい。
IT業界も残業は多いのですが、まったく比じゃない。

地域トップですから、当然のことながら生徒は優秀です。
打てば響くから、教えることは楽しかったです。
教えることは…

しかし、時間の拘束がとんでもない。
300時間/月が普通。
授業そのものに加え、その準備。
塾講師としては新米の私にとっては、全部が初めてなので多大な時間を要しました。
それに加えて他塾の調査、保護者への電話などで忙殺されます。
やれ、A塾の説明会には何人きていただの、B塾の模試は何人きていただのをライバル塾の前で張り込みしてカウントするのです。
休みは日曜日だけ。
なのですが、こういった調査が入ると、その1日が消えることもあります。

また、進学塾の常ですが、生徒の進学実績に重きを置いています。
講師自身は生徒一人ひとりのことを考えますが、本部は違います。
実績という塊の数字を作ることだけを考えるわけです。
受験シーズンになると、生徒の実力以上の学校を受験させるように誘導しなさいと、本部から各教室に指示がバンバン出てきます。

また、背後では、合格実績を作るための模試の偏差値操作が行われます。
操作された偏差値を理由として、少しでも上の学校を受験させるよう指示されるのです。
生徒と保護者を説得するためのトークマニュアルが用意され、その練習に多大な時間を費やします。
これは、本人や保護者の意志とは関係ありません。
本部の方針です。
そうやって生徒によっては一か八かのギャンブル受験をさせられるわけです。

また、実績数を伸ばすためには、優秀生の囲い込みが必要です。
進学実績なんて、いかに優秀生を入れられるかで半分は決まります。
そのためのトークの練習もします。
10分以上のスクリプトを丸暗記させられるレベルです。

こういうような状態では、身体的な負荷は高く、生徒や保護者を丸め込むための精神的負担も大きかったです。

そんなこんなで、進学実績重視の塾はしんどくなって、中堅へと転職しました。

と、次の塾はとんでもない体育会系でした。
私が毛嫌いする、脳筋会社。

わけのわからない、大声でのあいさつは強要されるし、ろくな引継ぎもなく「なんとかしろ」と気合だけでの運営を任される塾でした。

塾って、1年間は就業しないと、その塾自体の大きな流れがわからないものです。
それを1ヶ月の引継ぎで「任せた!」って……ひどい。

そして、「任せた」というのは口だけ。
やることなすこと事細かにチェックと指示が入ってくるので、全然任されている感じがしませんでした。
そして「なぜ、できない」ばかり言われていた記憶があります。

結局、この塾で精神を病んでしまいました。

その後、しばらくして、今度は大手の個別指導塾へと転職しました。
個別指導塾の社員は、基本的に授業はしません。
業務では教室の運営管理のみを行います。

この塾は、生徒のことをまったく考えない会社でした。
また、社員のことを集金マシンとしか見ていない会社でもありました。

週1回、会議という名の、管理職による演説会が開催されます。
そこでの話題は100%が売上の話。
1社目の実績重視の方がマシに思えました。

何を売るか、どうやって売るか、売った方法の共有、売るためのツールは……などなど。

塾生の成績管理や、フォローの方法、保護者や生徒の悩みにどう向き合うか、などに関しては一切話題にならず。
いかにして新規の入会者を増やすか。
既存の塾生にどうやって新商品を売るか。
ということしか話さない。
しかも一方通行でレクチャーするだけ。

当然成績管理などは一切していません。
売上を上げ続ける社員の給与・賞与は伸び、生徒のことを考え行動する社員は逆の立場に追いやられます。

そういう会社には、悪さをする輩も出てきます。
架空の契約書を大量に作って、一時的に売上が上がったように見せかけ、その後に自分でキャンセル処理までこなす行為です。

犯罪の匂いがする行為ですよね。
発覚した社員は目立たない部署へ異動させられただけでした。
これがこの会社の本質なのだと、その時思いました。

3社の話を書いてきましたが、正に三者三様。
共通しているのは、長時間拘束と低給与です。

そして私は塾業界、講師という職業に見切りを付けました。

後に、IT業界へと戻りました。

今は自分の裁量で仕事をできますし、時間も裁量の範囲で融通できます。
これが本来の働き方だと思っています。
今は大変幸せな日常です。

あの数年間はなんだったのかと。
今ではいい経験だったと振り返ることができますが、渦中にいる時は、業務に忙殺され、考える暇さえありませんでした。

私が経験した3社が、たまたま悪かったのかもしれません。
しかし、塾関係の掲示板などを見ると、相当ブラックなところが他にもあるようです。

講師や教室運営者は、生徒や保護者から「先生」と呼ばれ、ある意味尊敬の対象とされるのですが、それだけです。
時間もお金も大量に失います。
場合によっては、体も心も病みます。

ですから私は塾講師という職業を手放して、良かったと心の底から思っています。

塾業界への転職を考えている方の参考なれば。

#手放してよかったこと

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