第27回 #書き出し祭り 第四会場 全感想
こんにちは、まさかミケ猫です。書き出し祭り、いよいよ第四会場の感想に入っていきたいと思います。楽しみですねぇ。
第一から順番に感想を書いていますが、やはり第四は手練が集まっている魔境ですからね。楽しみに読んでいきたいと思います!
企画概要
運営ポスト
#書き出し祭り公式
— 書き出し祭り事務局 (@kakidashi_fes) January 13, 2026
第27回 #書き出し祭り
企画概要のご案内、および参加方法のご説明をいたします。
・参加者募集日程
2026/01/17(土)20:00~ 50名
2026/01/18(日)12:00~ 50名
企画詳細は、記載したシートのリンクをご確認ください。
↓説明を続けます。https://t.co/iEOVO6qDtO
作品リンク
感想
4-01 『天才探偵リリカと暴走勇者ソラの王都事件簿』――✦黒猫亭の甘くない真実を暴け!✦
いやー、ワクワクしましたねー!
本作はなんといっても、リリカとソラの凸凹バディっぷりが楽しい作品でした。二人の得手不得手がハッキリしているので、安心してこの先の展開を期待できる構図になっているのが良いんですよね。こういうのは見習っていきたいところです。
ファンタジー世界でミステリをするには色々と壁があると思うのですが、まずソラが勇者なだけあって有名&強いというのが、安全装置として働いていました。なにせ犯人の行動が過激化しやすいですから、リリカの身を守る&犯人が裁かれるという安心感がないと、そもそも推理パートに行けないですしね。
事件については、まだこれから本格的な捜査が始まるといったところでしょうか。すでに手がかりを掴んでいるようですが、ここからどんな手腕を見せてくれるのか楽しみです!
4-02 機械少女は恋をする
バチバチに格好よかったです!
冒頭からユキと髪切の手に汗握るバトルを見せてくれました。ともすると、ホットスタートは情報不足に陥りがちなんですが、本作は必要な情報を適切に配置しつつ、スピード感を落とさずに読者をバトルに引き込むよう工夫されていました。アクションの描き方が上手いんですよね。
その上で、キャラクター性までしっかり見せているのがこれまた上手くてですね。美琴がただ助けられるだけの弱いキャラじゃなくて、チョコや絆創膏を取り出す行動を通して、ユキとはまた違った方向性の強さを見せてくれるのがいいんですよね。これが、単なるアクションに終わっていない本作の魅力になっていると思っています。
ここから、学園パートに入っていくのだと思いますが。二人にとって、お互いが救いになるような関係を築いていってもらえるといいなと思います。
4-03 剣の精霊と逃げの英雄
これはニヤニヤする構図でしたねぇ!
完全に巻き込まれる形で剣と契約することになった主人公、それも無表情メイドつき。この関係がもういいですよねぇ。メイドとはいえ役割は監視者なので、今のところは主人公も窮屈に感じているでしょうし、メイドも業務以上の感情は抱いていないでしょう。剣の精霊は、さてさて何を考えているんでしょうかねぇ。この関係が、今後どう変化していくのか楽しみになります。
個人的には、このデュランダルを巡る過去のストーリーに思いを馳せたくなりますねぇ。どうして騙し討ちのように契約することになったのか。どうやって主人公を選んだのか。どうして監視する一族がいるのか。そして、そのことを世の中の人々がどうして知らないのか。
現時点で明かされていない事情が色々とあるんじゃないかと思っていまして、それが今後巻き込まれていく事件に関係しているのかなとワクワクしています。面白かったです!
4-04 カケソラマチ商店街の人々
面白い世界観の作品でしたねぇ、楽しくなりました!
カケソラマチ商店街。ソラマチ商店街なら東京スカイツリーだけど、まぁ関係はないだろう、と思っていたら……東京イカイツリーと出てきて笑っちゃいました。なるほど、こう来るのは意表を突かれましたね。
最初は完全に異世界の話だと思っていたんですが、途中から「現実世界が異界と繋がって人々が変質してしまった世界」となったのが面白かったです。それでも、非日常は時間をかけて「日常」の一部になり、人はたくましく生きていると。この人々の姿が、なんだか読んでいて元気をもらえるような作品だと思いました。
自衛隊が動いているということで、世界を元に戻そうという動きが今後の話の中核になっていくのかもしれませんね。完全に切り離せもしないと思いますが、どうやって物語が転がっていくのか楽しみになりました。面白かったです!
4-05 偉大なる窓際に八発屋を託せ
うわー、これはめっちゃ面白いやつじゃないですか。
本作は何より、バディのそれぞれのキャラがこれでもかと立っていてさすがの腕前という感じでした。これは勉強させていただきたい。上手いなぁ。なんといいますか、有馬さんは窓際でも決して無能ではなく、城島さんは有能でも無敵ではないんですよね。二人の行動や会話を通して、このいい塩梅のキャラクター性・関係性に持っていく手腕はプロの犯行ですよね。
感想というか、私としてはどうやったら同じような構成の書き出しを作れるかなぁと考えていたんですが、まだちょっと研究が必要そうだなぁと思いまして。大まかな流れは分かるんですが、たぶん私が同じプロットで書いてもここまで面白くならないんですよね。無駄なく情報を並べながら読者を牽引していけるのがさすが過ぎます。これは後ほどじっくり勉強させていただこうと思いますよ。
改めて、すごく良い書き出しだったと思います。ぜひとも続きを読ませていただきたいです。
4-06 定時で帰りたい俺のダンジョン配信設計
わー、めっちゃ面白いじゃないですか!
そう、そうなんですよねぇ……社会人としてはすごく納得してしまうんですが、安全堅実に案件を回したりしても、分かってもらえないことがあるんですよ。「何件のトラブルを解決しました」みたいな数字が大きい方が褒められたりする。いや、予定通りに案件を終わらせるのがどれだけ大変で、地味で、それでいて大切かを分かってほしいものですよ。
という、読者の思いを非常に乗せやすい主人公でした。昨今はラノベの読者層も年齢が上がってきているので、たぶん本作はレーベルによってはドンピシャで求めているものだと思うんですよね。Webで連載しても人気が出るんじゃないかと思います。
コンセプトからして良いところを刺してくる作品だなと思いましたので、ぜひぜひ連載を頑張っていただきたいと思います。面白かったです!
4-07 道化公女の復讐
なるほど、これは応援したくなる復讐譚の始まりでしたね。
一通り読んだ感じだと、王は彼女が命を狙っていることを全て見透かしているんでしょうね。その上で、その刺激を楽しんでいる。どこまで追い詰めても折れないのか、次は何をしてくるのか、試していると。そうすることでしか、大国の王としての退屈を紛らわすことができないのでしょう。それが分かった上で、公女の復讐を完遂するにはどうすれば良いのか。
色々と筋道はあるかと思いますが、単純に命を奪うだけでは、ある意味でこの王にとって「救い」になってしまいますからね。まずはこの王にとっての弱点を見つける、存在しない場合は作る、という段取りが必要になってくるかと思っています。いずれにせよ、そのためには彼女は死なば諸共という道を歩む必要があるので、なかなかハードな作戦になりそうですよね。
さて、外からの協力を得ることができるのか。そういう思考もまた、現段階では王の楽しみとして見透かされていると思うので、まだまだ「道化」の枠を出ていませんが。ここからどうしていくのか楽しみですね!
4-08 たぬっと異世界召喚! おしめぇたぬきは異世界で最強の魔獣でした
やー、かわいいお話でしたねー!
タヌキはホント、どうしてこう気が抜ける生き物なんでしょうね。害獣ってほど害もなく、なんかのんびり生きてて、なんか食べ物を見つけて喜んでいる感じ。まさにタヌキって感じのキャラでほっこりしました。いやぁ、案外こういう生き物の方が生き残ったりするのかもしれませんね。
そんなタヌキが異世界に召喚獣としてやってきて、冒険を始めると。どうなっちゃうんでしょうねぇ。あらすじによると伝説の能力を使えるってことなのですが、幻術とかその類でしょうか。いやぁ、ラクーンちゃんもなかなかに愉快な子っぽいので、この先の展開が楽しみになりますね。
元のお山に帰る気は全然なさそうなので、このままラクーンちゃんと親交を深めながら、緩く楽しく生活していってほしいものです。面白い第一話でしたー!
4-09 センチメンタリア
おぉ、これは思春期って感じですねぇ。
内面の悶々とした感情をうまく処理できないでいる若者、というのが伝わってくる作品でした。こういった感覚は、ずいぶんと遠くなってしまったように思いますが、少なからず誰しも考え込んだ時期はあったんじゃないかなと思ったり。良くも悪くも若さだなぁという感じで、ある種の新鮮な気持ちで読ませていただきました。
今の彼は、自分が何者か、というのをうまく見つけられないでいる。案外、自分自身よりも周囲の人の方が自分のことを理解していたりするものかなと思います。そもそも人は、誰かとの関係性の中に自分を見つけるものだと思ったりもするので。彼はきっと、そういうことをこれから少しずつ身にしみて理解していくんだろうなと思っています。そういう年頃ですよね。
彼はある種の「普通の人間」だとは思いますが、人は誰しも自分だけの普通を抱えて生きているものだと思います。彼には彼の青春があって、今後も一人分の人生を歩んでいってもらいたいものだと思いました。
4-10 ブリガデイロのように
これは良きヒューマンドラマでしたね。
心が弱っている時に、甘いお菓子や人の優しさというのは沁みるものだと思います。読んでいてウルッと来てしまいました。私を含め、京香さんの状況に共感してしまう人はけっこういるんじゃないかと思いますが……そうなんですよねぇ。日々の忙しさに追われて、働くために生きているような状態は、思いのほか心を蝕むものだなと思っています。これは泣いちゃうのも分かりますよ。
ここでこう、イケメンが助けてくれるとかではなくて、お隣のマダムが心配して声をかけてくれるっていうのがまた良いんですよね。なんというか、下心のない人の優しさといいますか、そういうのでしか癒せない部分ってあると思っていまして。こういう柔らかい救済というのが、私はすごく良いなと思いました。
ブリガデイロっていう選択も良いですよね。日本人にとっては馴染みの浅い、非日常のお菓子ですから。これはじんわり心に響くお話でした。
4-11 大江戸ライフセーバー
いやぁ、これは楽しい作品でしたねぇ。
カナヅチなのに水難救助の組織作りを命じられた宣勝。優秀なのに、唯一と言っていい弱点が、まさかこんな形で裏目に出るとは思わないですよねぇ。しかも結婚がかかっているともなれば、これは本気でやらざるをえない。ただ、泳げないのをどうにかするのは、大変ですからねぇ。
本作がどこまで史実に沿っているのかは分からないんですが、一応調べてみると吉宗が向井将監に水泳の指導をさせたっぽいのは確かだったみたいですね。日本史は全然カバーできていないので、ほげほげ読んでしまいましたが。本当にこんなことが過去にあったら面白いですよね。
三ヶ月で泳げるようになって大活躍、となればいいですが、どうでしょうねぇ。ぜひとも頑張ってほしいものです。
4-12 バレたらしぬ、まじでしぬ ~俺と妹の間の300日戦争~
いやぁ、これはなかなか身につまされますね。
私の場合は妻にだけは話してあるのですが、親には話していませんし、子どもだったりにはまだバレてないんですよ。郵便物には気をつけているんですが……時間の問題かなぁ。もちろん、バレたから何って話ではないんですが、なかなかちょっと恥ずかしい気持ちがありますよね。ぐぬぬ。
しかも、妹の名前をペンネームにして、どう考えても妹であるAyayanさんとニアミスしながら、母親にまで作品を読まれるという。主人公の追い詰め方にハラハラドキドキしてしまいました。いやぁ、これはだいぶキツいものがありますよ! 友人たちが囃し立てたくなる気持ちも分かりますねぇ。
300日も隠し通せるのか微妙なところだなぁとは思っていますが、これはぜひとも色々と頑張ってほしいものですね。面白かったです!
4-13 蔦の家、白い弔い
ずっしりと重いテーマの作品でしたね。
本作は、情景描写が抜群に上手いなぁと思って読ませていただきました。目の前の光景をただ淡々と説明するのとは違って、ちゃんと主人公の目線で切り取った世界を表現しているんですよね。彼女の抱えている喪失感であったり、まだ昇華できていない様々な感情を、ズバリ真ん中を書くのではないんだなぁと。彼女の視点から見た世界の様子から、間接的に浮かび上がらせていくような描き方が、上手いなぁと思いました。
不思議な展開についても、ある種の貼り付けたような突飛なファンタジーではなくて、精神の深いところを反映したようなものになっているように感じられます。これも描き方も妙ですよね。
この物語を通して、彼女の心が少しでも救われる方向に進んでくれると良いなと思いました。優しい物語になってほしいものです。
4-14 令嬢たちのウメダ・ダンジョン脱出記――賢者さま、ほんまにこちらでよろしいのん?
いやぁ、これは愉快な作品でしたね。
とにかく、主役二人のやりとりが楽しかったのが一番のポイントでしょうか。ふんわりとしたオオサカ言葉で話すのはレティシアの可愛さと、堅物っぽい雰囲気のアンリエッタの会話が、緊迫した状況でも緩やかに空気を緩めてくれていましたね。対照的な二人の友情が心地よい関係でした。
私は以前に大阪に行った時も地下街には潜らなかったのですが、梅田地下街は地元民ですら迷子になるらしいと聞いて戦々恐々としていました。根が田舎の民なので恐ろしいですよねぇ。あと新宿で途方に暮れたこともあります。そんな中、まさか異世界で迷宮になっているとは思いませんからね。
さて、二人を導くのは、まさかの泥酔サラリーマン。梅田地下街に詳しい人なんでしょうかね。予想していなかったコミカルな展開を楽しませていただきました。現実世界との関係性なんかの謎もありつつ、この先の脱出旅を期待させていただきましたね。面白かったです!
4-15 どうやら魔法少女と契約するケモノに転生したらしい
爆速で進行する事態に笑いました。こりゃ大変だ。
前半から後半への落差が激しいですよね。前半はとにかく、主人公の生前の最後の様子が悲しく描かれていました。そんな中、死に際の頭の中に流れる光景。そして、魔法少女へと勧誘する害獣営業マンへと変貌を遂げる落差ですよねぇ。しかも、勧誘相手は死神と来ましたから。これはとんでも展開でしたね。
設定が大渋滞しているので、個々の状況がシリアスなのに全体としてシュールコメディになっているのが笑えますよね。ルルルーラを救いたいお姫様と、死に際に融合してしまった主人公。肉体の主導権を譲渡した……とありますが、ぜんぜん主導権渡せてないと思うのは私だけでしょうか。そして、なぜかノリノリの死神は、冥府の王アデスの分霊かぁ。いきなりとんでもない展開になってきましたね。
しかもこれから、もう四人の魔法少女を作るみたいですから。しょっぱなからこんな感じだと、だいぶ先が思いやられますよね。いやぁ、愉快な作品でした。面白かったです。
4-16 死に戻った少女は、師匠を今度こそ守りたい
おぉ、これは面白かったですねぇ。
タイトルから少女の事情が既に分かっているのと、言動から特に隠そうともしていないあたり、ウィルトゥスはリネアの事情をわりと早い段階で知ることになりそうですよね。不摂生が祟るのか、何者かに襲われるのか、大きな事件でも起こる予定なのか。彼女の目的が完遂されるといいですね。
変則的ですが、押しかけ嫁がやってくるパターンの物語って感じの捉え方をしていいのかなと個人的には思っています。本作の場合だと「どうして好かれるのか」に「別の世界線で師弟だった」ですんなり納得いくようになっているのが良いところですよね。今後もしっかりと仲を深めていってくれるのかなと思っています。
個人的には、ウィルトゥスの疑似スキルみたいなギミックの作品がけっこう好きなので、そういった部分でも活躍を期待してしまいますね。とても興味をそそられる書き出しでした!
4-17 魔法使い、その恩讐について
ほう、なるほど。これは面白い書き出しでしたね。
二百年の間に、人間たちは魔法使いに対抗しうる力を身に着けた。ただそれでも、大魔王に勝つことはできず、封印された魔法使いフォートを戦力にすべく、封印を解きに来た――にしては、カノンが単身だったのが少々気になりますね。独断専行で動いていたんでしょうか。
個人的な印象としては、カノンはわりと読者ヘイトの高いキャラとしてセットアップされているように感じました。なにせ主人公の話を聞かず、交渉とも言えない無策さで対立することになって、結局目的だった戦力確保もできずにフォートを殺すしかなくなったわけですからね。
読者感情的には今は「魔法使い寄り」になっているかと思うので、ここからフォート視点で二百年の歴史がどう動いていたのかを少しずつ知っていくことになるんじゃないかと思っています。今後が楽しみになる第一話でした!
4-18 はい……拳聖(酔拳)です。あの、呑んでからの記憶無いんですけど……俺何しました?
いやぁ、これは愉快な書き出しでしたねぇ。
両親のやらかしが原因で酒を遠ざけていたマティ。酒を飲むことが職業の解放条件というのはなんとも因果なものですね。ただ、もうジョブ未解放ではなくなったので、さすがに素面でも多少は戦えるようになったんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうねぇ。最悪、弱い酒をさらに水で薄めて、飲みながら戦うハメになりそうですが。
後半、裸の美女との出会いについては気になるところですね。場合によっては責任案件ですし。ひとまずは事実確認からってことですが、邪神教襲撃事件ってとんでもない字面から笑ってしまいます。ほんと何があったんだろう。
意図しないところから人生が開けてくる、とんでも冒険譚の幕開けだったと思います。巻き込まれでもあり自己責任でもあるような、面白いバランスの上でどんな物語が展開されていくのか、楽しみな書き出しでした。
4-19 これは、私のデスゲームだから
すごいなぁ、デスゲームのゲームマスターの座を巡っての争いが始まるというアイデアがまず強いですよねぇ。
イザナ君は普通に周囲への恨みを振りまいているヤバい奴で、リサちゃんはみんなのことが大好きだから殺すサイコパス。どっちもヤバいわけですが、やはり普通の顔をして悪気なく殺す算段をしているリサちゃんの方が格上ではありますよね。巻き込まれるサークルメンバーはひたすら可哀想ですが。いいぞぉ。
デスゲームに参加する側の物語はよくありますが、主催者側っていうのは新しいですよね。参加者側に回らされても、メンタルは主催者側のままなので、この先の展開が読めなくてワクワクします。
色々と人間模様を見せてくれそうな、なんともドキドキワクワクの第一話でした。面白かったです!
4-20 蛇神様のお宅改造記!
ほほう、これは愉快なシュールコメディだったと思います。
起きていることはファンタジックなんですが、むしろそれをあえて幻想的に描かず、ひたすら現実に寄せることでコミカルなシーンを演出していたと思います。神様に「ネット回線がほしい」と言わせるのがポイントですよね。
なので形式としては因習ものホラーや現代ファンタジーのガワを着ているんですが、本作で読者を楽しませようとしている部分は違うと思っていまして。神様と緩やかに交流しながら、DIY的な面白さを提供していくスローライフものになっていくのかなと想像しています。
ネットも未開通の土地にどうやって拠点を築いていくのか、楽しみになる第一話でした!
4-21 MONSTER LEAGUE BASEBALL SHOWDOWN
これはガッツリ野球ものでしたねー!
見どころはやはり、相手ピッチャーとの心理的な駆け引きでしょうか。鬼妖精とありましたが、ファンタジーは味付け程度で、メインはやはり野球でしたね。極論、人間相手に普通の野球をしていても本作の面白さは損なわれないと思っています。勝負の世界って感じですね。
スポーツを題材にする時には、やはり作者がそのスポーツを好きで、何が面白いのかを理解している必要があると思っています。本作はまさに、野球の面白い部分をギュッと凝縮して読者に届けたいという気持ちを感じました。
本作を読んでいて良かったのが、試合の勝敗に関わらず「野球って面白そう」と読者に思わせる熱量を感じたことです。面白い作品でした!
4-22 兄代理、召喚しました。
これはワクワクしましたねぇ。
主人公の置かれたホラー的な状況がまず、殺伐としていてすごく良かったですよね。従兄とナニカにはそれぞれ別種の危険があって、従兄にはおそらく兄の失踪と関係する何らかの事情が、ナニカはそもそも感覚が人間離れしすぎている。命乞いをさせたのは、もしかして彼女が「兄を呼び寄せる」という可能性を考えたのかなと思います。
少なくとも異世界が存在する以上、物語のキーマンである行方不明の兄は、何らかの形で異世界に渡ったのかなと思っています。そうなってくると、チドリの正体は実は兄の転生体だったみたいな話もありえますかね。
ホラーな要素がもりもりの現代ファンタジー、どう転がっていくのか楽しみになる第一話でした。面白かったです。
4-23 人の温度に乗るキノウ
わー、これはニヤニヤ案件ですね!
これは百合かなぁと思っていたんですが、よくよく思い返すと主人公が女だと明記されているわけでもないので、どっちでもアリですね。個人的には、口調なんかから百合だと思っておきます。いやぁ、良かったですよね。
主人公はどちらかというと、繊細な内面を持った子だと思うんですよ。それで、人の青春を薄膜の一歩外で眺めながら、自分はそっちの人間じゃないと孤独を抱えている。そこに、アスホちゃんが力強く踏み込んでくると。この踏み込み方がまたいいんですよねぇ。
手書きの価値が薄れた時代でも、ただ自分の「好き」にまっすぐな子たちが、良い青春を過ごせるといいなと思いました。素敵な作品をありがとうございます!
4-24 フォートタウンの子どもたち
不思議な世界を覗き見ているような作品だったと思います。
そうですねぇ、純粋な童話の世界観をもう少しリアルに寄せた感じで、独特な文化が育まれているように感じました。社会構造からして現実世界とは違うように見えるんですが、それでも社会が成り立つのを想像できるような、不思議な読み味だったと思っています。
また、食べ物の描写にはやはりこだわっているのかなと感じました。五感を刺激される描写が続きますからね。個人的には、絵本にして子どもに読み聞かせたい感覚を持ちました。
現実とは違う世界の中、可愛らしい子どもたちがワチャワチャしている様子が楽しい作品だったと思います。面白かったです。
4-25 この身に刻まれていた名は
これは頑張ってほしいものですね……!
異世界に転移しても続く地獄。生々しい拷問や心えぐる扱いが、読んでいてずっしりと胃に来るようですね。どうにか救いがあってほしいと願ってしまいますが。今のところ、希望はないですからねぇ。
個人的には、母親の言動に少し疑問を覚えるんですよね。消えない痣はたしかに不穏ですが、そこまで躍起になって焼くほどのことかなぁと。もしかして、母親が異世界の関係者だって線もあるのかなぁとぼんやり想像してました。
さて、ここからの展開はBLとのことなので、和音もこれまで得られなかった感情を得て、幸せになっていってほしいものです。面白かったです!
