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【コスプレ撮影トラブル日記】APS-C機じゃダメなんです

 カメラは機材が重要なのではなく、何を撮るのかといったテーマや、構図や撮影設定などが大切だという話を耳にした。

 いい話だ。

 1型センサーからAPS-C型センサーを経てフルサイズ型センサーに飽き足らず、中判カメラまで全て使用経験を持つ人の言うことは説得力がある。

置きピンさせすることなく撮った写真

 これなど脊髄反射で撮影した写真の典型例だ。いきなり電車がやって来たので、カメラのMFレンズのピントを置きピンする暇もなくシャッターを切った。
「うん、桜だね。だから君は何を言いたいの?」である。

江ノ電の江ノ島駅

 こちらも何も考えることなく、脊髄反射的に撮影した一枚だ。

 たしかに撮影機材よりも、まず「自分は何を撮りたいのか。何を表現したいのか」をハッキリさせておくのは大切なことだ。

 しかし機材を気にしないのは、機材を全て持っている人だ。実は上記の写真はSONY RX1R第一世代機で撮影したものだけれども、エラい目に遭った。

 晴天の逆光で、顔が真っ黒になるような状況でコスプレイヤーさんのポートレート撮影をしたのだ。ウィッグが大切なので、その豊富なウィッグのために目元部分は完全に暗くなっていた。しかし……カラコンはコスプレイヤーさんが拘る重要ポイントの一つだ。

 昔だたったら「こりゃだめだ。大型のレフ板で顔部分に反射光を当てるか、もしくはストロボを焚こう」という手しかなかった。

 しかし技術革新は大したもので、それからフルサイズ型センサーの実力を侮ることはできない。今は別に完全逆行であっても、カメラ本体だけで十分に撮影することもできる。

 ただしその場合、「APS-C機じゃダメなんです」となる。

 いや正確にいうと、「Canon EOS R50みたいなセンサーじゃダメなんです。もちろんそれよりも旧式なCanon Kiss Mなんてダメダメです。せめて裏面照射型センサーを搭載した富士フイルムX-M5を使いましょう。もしくはフルサイズ型センサーを搭載したカメラを使いましょう。そうしないと顔部分の暗さを現像処理で持ち上げるのは難しい」である。

 つまりAPS-C機でも富士フイルムX-M5ならばさておき、フルサイズ機への移行を提案するのがセオリーとなるCanon R50ではダメなのだ。
(一般ユーザに使いやすいように操作性などは見るべきものがあるけれども、カメラ自体の性能は廉価版…… フルサイズ機を推奨するための布石だ)

 もちろん機材が何でも解決するわけじゃない。
 そういえば前回のコスプレ撮影では、江ノ電江ノ島駅の駅構内で撮影した。頼りになるリーダーが江ノ電さんと相談し、事前に撮影許可を獲得したのだ。
 ちなみに江ノ電が全力で推している某キャラの登場するマンガに登場する人物であり、まるでコラボ企画に参加しているような気分だった。そしてリーダーの気配りがともかく素晴らしかった。

 まずコスプレイヤーさんが日に焼けないように、通りは日陰の多い歩道を選択していた。そして撮影時間もコスプレイベント開始直後に設定し、まだ江ノ島駅が混在しない時間帯を選択していた。
 本当に見事で、そして楽しい経験をさせて頂いた。

「ともかく使えるものは何でも使う。良いと思ったら躊躇なく関係者に相談している」は素晴らしかった。

 そういう意味ではAPS-C機でないと絶対にダメという訳では無けれども、撮影の幅が広がってありがたい。

 しかしタイトルはキャッチーな方が大衆受けそうなので『【コスプレ撮影トラブル日記】APS-C機じゃダメなんですよ』とした。
 ウソではないので、勘弁していただけると嬉しい。
 それにやはり、フルサイズ型カメラは重いけれども、それだけのことはあると言えるだろう。

 それでは今回は、このへんで。ではまた。

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 小野正樹(写真エッセイスト)


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