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チャペル・ローン“The Giver”が巻き起こす伝統的カントリーへの逆転劇①


3月13日(日本時間では3月14日正午)のリリースから4日。すでに欧米のサブスクリプション・サービスを中心に、各チャートを席巻している。

〈UK Official Singles Chart〉は3月17日の中間発表(Official Charts)でシングルチャート1位を予測。Spotifyのグローバル・チャートでは、リリース当日(3月13日)に2025年の女性アーティストによる最大のデビュー記録を樹立し、レディー・ガガを上回ったと報じられた。〈Billboard Hot 100〉の最新順位(3月18日時点)はまだ未発表だが、「Good Luck, Babe!」の過去の成功(最高4位)を考えれば、トップ10入りは確実と見られている。

つまり、前後左右、全方位・全世界でチャペル・ローン祭りというわけだ。

さて、本題。“The Giver”は伝統的なカントリー・ソングのフォーマットを持ちながら、その伝統をことごとく覆す、彼女にしかできない一曲。この見事な二面性について考えてみたい。

↓↓↓オフィシャルのリリック・ヴィデオも公開となりました↓↓↓


“The Giver”はジャンル的にはカントリー・ソング/ポップに分類される。実際、チャペル自身もInstagramでこう語っている。

「私が育った環境では、朝と昼にスクールバスで、焚き火や食料品店、カラオケバーでカントリーが流れていた」

つまり、彼女にとってカントリーは幼少期の記憶と結びついた音楽。そのルーツを意識しながら、フィドルやバンジョーといった伝統的な楽器を楽曲に取り入れた

とはいえ、彼女はこの曲を「カントリー・ソング(Country Song)」とは言わず、「Cuntry Song」と呼んでいる。
“Country”ではなく“Cuntry”——ここが最初のポイントだ。

カントリー・ミュージックはもともと、アメリカ南部の労働者階級や開拓者文化に根ざした音楽。だからこそ、そこには**「男らしさ」のイメージ**が強く反映されてきた。

  • 開拓者精神、アウトロー、家族を養う責任——こうした価値観を背景に、カントリーの歌詞では「男=提供者」「女=家庭を守る存在」として描かれることが多かった。

  • そして当然、そこにあるのは伝統的な異性愛の恋愛観

とはいえ、女性カントリー・アーティストも多数活躍してきた。ドリー・パートンやシャナイア・トゥエインを思い浮かべる人も多いはず。今回の原稿では深く掘り下げないが、“The Giver”も確実に彼女たちの影響を受けていることは記しておきたい。

「Jolene」や「9 to 5」といったヒット曲で知られるドリー・パートンは、79歳の今も現役バリバリ。ブロンドの髪、大胆なファッション、ウィットに富んだ発言の数々で、クィア・コミュニティからの支持も厚い。

先月はサブリナ・カーペンターと“Please Please Please”で共演し、「世代を超えたアメリカン・スイートハート」としての貫禄を見せつけた。ちなみにこのMV、最後に見事なオチがついているので、どうぞお見逃しなく

「ドリー・パートンのケーキ・ミックス」シリーズも絶賛発売中
年々ラインナップが増えているので売れているようです。食べたい。

チャペル・ローンの出身地、ミズーリ州はアメリカの中でも特にキリスト教的価値観に基づいた保守的なエリア

この“The Giver”というタイトルも、その背景を考えると興味深い。キリスト教では「愛とは他者のために自らを捧げるもの」とされる。つまり、“The Giver”は**「与える者=他者のために尽くす」や「自己犠牲の精神」**を象徴する言葉とも解釈できるのだ。

そして、チャペルはこう宣言している。

「“Cuntry Song”と呼んでるのは、私がカントリー・ミュージックを自分流に取り戻してるから——クィアで、キャンプっぽくて、ちょっとやんちゃで。それって全部私のものなのよ」

チャペル・ローンは、自身のルーツ、育った土地の文化と価値観を踏まえながら、それらに真正面から挑戦を仕掛ける

(文字数全然足りたなので、続きは明日!)

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唐沢真佐子 / Masako Karasawa ★応援ありがとうございます★ 「こんなものが読みたい」等ひとこと添えていただけたら大変よろこびます