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「扉」の向こうで首がもげるほどうなずいた

去年の秋のはじめ、日本劇作家協会主催の戯曲募集に応募した。

「リーディングフェスタ2024」というイベントでリーディング上演される短編戯曲の募集だった。

戯曲募集のテーマは「扉」。


応募は「扉」を叩くこと

コンクールなどの募集は「扉」だとわたしは思っている。

応募は扉を叩くこと。応募作品が選ばれると、扉は開かれる。

20世紀の終わり、数年にわたって脚本コンクールに応募していた。毎月のようにどこかのコンクールに向かって書いていた。映画とラジオドラマが受賞をきっかけに作品になり、脚本家になる道がひらけた。

脚本家デビューしてから四半世紀の2024年夏、縁あって日本劇作家協会に入会した。

演劇が、戯曲が、ぐっと近くなった。その流れで短編戯曲募集を知った。

「扉」をテーマにした短編戯曲の募集チラシ表面
「扉」をテーマにした短編戯曲の募集チラシ裏面

劇作家と名乗るには、まだまだ実績が足りない。戯曲募集に応募して、勉強しよう。精進しよう。そうしよう。

選ばれた戯曲はリーディングフェスタ2024で上演され、ブラッシュアップの講評をもらえるらしい。

長編戯曲をリーディング上演した後に観客と出演者とゲスト劇作家が感想や意見を交換する劇作家協会主催の「改稿サポートする輪。」という会が年に何度か開催されており、客席に2度お邪魔していた。役者さんの力量も観客の熱量も半端なく高く、予定が合えば毎回参加したいくらい刺激的な会だ。

YouTubeで直近1年間のアーカイブも見られる。

リーディングフェスタは「改稿サポートする輪。」の短編戯曲版のようなイベントだと理解した。

観客ではなく劇作家としてリーディング上演とブラッシュアップに立ち会うチャンス!

脚本のご意見番アサミちゃん

脚本コンクールに応募していた頃、広告代理店の制作本部という部署でコピーライターをしていたのだが、そこで仲良くなったデザイナーのアサミちゃんが応募原稿を読んでくれていた。

アサミちゃんは演劇関係の知り合いのチラシを作ったりしていた。その劇団の舞台のたびに観に行った。大人計画を知ったのも、アサミちゃんがパンフレットを手伝ったときに一緒に観に行ったからだった。セリフの畳みかけに圧倒されたのと『生きてるし死んでるし』というタイトルを覚えている。ジョビジョバやPARCOのプロシュース公演もよく行った。

アサミちゃんは目が肥えていて、わたしの脚本にも鋭いダメ出しをしてくれた。ダーツの矢がシュパッと刺さるような的確さに惚れ惚れした。

ラジオドラマの応募原稿を見せたときに「季節が見えないんだよね」と言われたときは、「音で季節を見せる」なんて考えてなかったなと気づかせてもらった。

映画脚本デビュー作品となった『ぱこだて人』(映画化のときに『パコダテ人』とカタカナになった)を函館港イルミナシオン映画祭の脚本コンクールに応募したときは、締め切り直前にわたしのカンヌ広告祭出張が入っていた。

日本を発つ前にアサミちゃんに原稿を預け、帰国すると、びっしりと付箋をつけた原稿が自宅に届いていて、わからないところや矛盾しているところや好きなところを細かく指摘してくれていた。アサミちゃんに言われたところを一つ一つ直して応募し、準グランプリを受賞した。

受賞が直接映画化につながったわけではないが、審査員のじんのひろあきさん宅を訪ねていた前田哲監督が応募原稿を目に留め、トントン拍子で話が進み、『ぱこだて人』は『パコダテ人』になった。

「メインディッシュが出てこない」とバッサリ

脚本家デビューしてからもしばらくはアサミちゃんに原稿を読んでもらっていた。

一観客、一視聴者として「面白い」ところと「物足りない」ところを遠慮なく伝えてくれ、さらに「どうやったらもっと面白くなるか」を好き勝手に妄想してくれ、しかもそれを楽しんでくれるアサミちゃんに、久しぶりに原稿を読んでもらおう。

ある程度推敲して、「どうだ!」という形になったところで、「読んでくれる時間あったら送らせて」とアサミちゃんに連絡した。「わぁ〜スゴいねぇ今井ちゃん。是非読ませてください」とアサミちゃんは相変わらず楽しみに待ってくれた。

8月18日に原稿を送ると、次の日に「早速読ませていただきましたぁ」と感想が届いた。打ち返しのスピードも衰えていない。「久しぶりに読ませてもらったけど、やっぱり面白いねえ」と続くかと思いきや、けっこう辛口だった。

 ◯◯◯⁉︎に扉って発想は
 さすが今井ちゃん!と思いました!
 全体的には
 たとえて言うなら
 上質な懐石料理の
 メインディッシュが
 なかなか出てこない的な
 待たされ感を感じました。

頭の2行はほめてくれているが、後の6行はダメ出しだった。

◯◯◯と伏せ字にしたのはわたしで、「何に扉がついていたら面白いか」から戯曲を発想したのだが、ネタバレを避けるために◯◯◯とした。

◯◯◯は漢字ふた文字または一文字でも表される。直方体の箱状のものである。それを注文した客と注文された職人の二人だけの会話劇なのだが、そのやりとりから箱の正体が少しずつわかってくる流れになっている。

その引っ張りをわたしは面白いと思っていたのだが、アサミちゃんには長く感じられたようだ。何が出てくるんだろうというワクワクが待ちくたびれてしぼんでしまった。

上質な懐石料理の
メインディッシュが
なかなか出てこない

期待とがっかりの落差を懐石料理に喩えるのが秀逸。ちょこちょこ、ちまちまと運ばれてくるたびに「小出しにしないで、そろそろどかんとしたの出してよ」とじれったくなる感じ。良い材料使っているし、腕によりをかけているとは思うけど、もったいぶられると白けちゃうということだ。

「なるほど。長く感じさせてるってことは、だれてるってことだね」と返信した。

「納期」をめぐる攻防

「納期」というタイトルは、「あの箱に扉をつけたら面白い」を思いついたときに一緒に思いつき、最後まで残った。箱の正体がわかるにつれ、「納期」の意味合いも変化していく。

アサミちゃんとやりとりするうちに、「あれに扉をつけたら面白い」という思いつきから踏み込んで、「この作品で何を描きたいか」が見えてきた。

客と職人の関係を、依頼人(プロデューサーとか)と劇作家の関係に重ねられると面白いなと。思いつきで言ったドアがだんだん「どうしても必要」に思えてくるのも面白いかな。アイデアに固執して離れられなくなる。

プロデューサーが思いつきで言ったから書いたのに「そんなこと言ったっけ」って言われて力が抜けることよくあるから、「あんたが言ったからドア作ってやったのに、いらんのかい?」と職人がいじけて、「このドアのために何もしたくない。ドアノブつけるために釘一本打ちたくない」とごねるとか。

職人と客、それぞれの「ここは譲れない」がもっとくっきりすると、変人対決が盛り上がるのかも。

◯◯をめぐるブレストだね。変な二人の化学反応で世にも奇妙な◯◯が誕生。

アサミちゃんへの返信で直しの方向が定まった。箱の正体がわかるタイミングを早め、客と職人の攻防を膨らませ、次の稿を8月21日に送った。

「面白いッ! シュール! 素敵! 私、好きです」
「こう来たかッ!」

アサミちゃんから興奮気味の感想が届いた。

パソコンのファイルを見ると、約1か月の間にファイル数は10を超えていた。アサミちゃんに送った8月18日版までは試行錯誤しながら進んだり戻ったりして、アサミちゃんに感想をもらった8月19日以降はアサミちゃんの感想とアドバイスを踏まえて大幅に直し、アサミちゃんに2度目に読んでもらった8月21日以降はちょこちょこと直した。

締め切りの3日前、9月4日に原稿を送信した。脚本コンクールに応募していた四半世紀前は郵送で提出の時代で、「当日消印有効」の消印をもらうために24時間やっている郵便局に日付が変わるぎりぎりに持ち込んだりしていたが、今はピロッと応募フォームから送れてしまう。23:59ぎりぎりまで粘れてしまう。着替える時間を惜しんでパジャマのまま提出できてしまう。隔世の感。

上演作品に選ばれた!

10月の頭にリーディングフェスタ2024選出戯曲の発表があった。

今井雅子納期
富田晴紀『ドラマなんて起こらない箱の中か外』
カタモトキザオ『便所での事件簿』
新宮虎太朗『贔屓貝』
高山 遥『天国への扉』
中野そてっつ『ライスが選べる! サバの夏野菜伽喱ソース洋風小鉢付き定食』

「納期」は上演作品6本のうちの1本に選ばれた。

タイトルの長さもテイストもまちまちで使われている単語もかぶってなくて、それだけでも「扉」というテーマでそれぞれが自由に書いたんだなと感じた。

脚本も戯曲も上演されてこそ。「納期」が上演される。職人と客を演じてもらえる。あのセリフを、あの会話を舞台で発してもらえる。しかも、座・高円寺の大舞台で。

上演作品決定のお知らせからしばらくして、出演者が決まった。

井上加奈子(アル★カンパニー(パタカラぷろじえくと))
鈴木裕樹
玉置玲央(柿喰う客)
森下亮(クロムモリブデン)
矢柴俊博

なんと贅沢な顔ぶれ。玉置玲央さん、『朝日のような夕日を連れて2024』を観たばかりだ。

誰が職人で、誰が客を演ってくれるのだろう。誰になっても楽しみだ。

さらに当日が近づくと、製本された上演台本が届いた。

日本劇作家協会 リーディングフェスタ2024「扉」 上演台本

タイトルまちまちだった6作品。読んでみても全部違った。それぞれの扉だった。

どんな人が書いているんだろうと想像した。わたしよりは年下だろなと予想した。

学生に紛れ込む保護者の図

そして迎えたリーディングフェスタ2024当日。

受賞者の皆さんは予想通り年下で予想以上に若かった。学生かというくらい若い。実際、現役の学生さんもいて、まだ二十歳ですと言ってたりする。下手したら産んでいる世代。

しまった。付き添いの保護者が紛れ込んでしまっている。

脚本コンクールでも受賞者は老若入り混じるが、これほど極端ではなく、もう少しばらける。脚本家人口は高齢化して劇作家人口は若返っているのか!?

そんななか平均年齢を上げてしまっている。

場当たりの後の休憩時間になったとき、若者の中では年長に見える女性と目が合った。

「私たち、いちばん年近いですよね?」

その人が言った。年齢を聞いたら12歳も下だった。比較的近いが絶対的には近くない。しかも、見た目が年齢より若く、わたしと20歳くらい差が開いてそうに見える。

この人が「高山遥」さんかなと思ったら、「中野そてっつ」さんだった。

年齢不詳な上に性別不詳なペンネーム。

開場までの空き時間、中野そてっつさんと座・高円寺2階のカフェでお茶をした。初対面だけど気を遣わせない居心地の良い人で、話が尽きなくて、本番が後に控えているのを忘れてしまいそうだった。

「ソテツトンネル」という自分ひとりの劇団とAhwoooというユニットの作演出をいされているそてっつさんは、わたしの知らない劇団や人をたくさん知っていて、演劇界のことを色々教えてくれた。そてっつさんはおそらく教えている自覚はなかったと思うが、わたしは何を聞いても「へーえ」となっていた。

わたしが教えられるのはおいしいパン屋さん情報くらいだったが、喜ばれた。

開場時間になって下に降りると、観に来てくれた友人知人が次々と現れた。何年ぶりの再会なのか思い出せないくらい久しぶりの友人も駆けつけてくれた。

自分の劇団の公演ではなく、イベントで短編戯曲を取り上げてもらうだけなのだが、時間を作り、チケットを買い、たった一回の上演機会をつかまえに来てくれるのがとてもうれしい。

何年ぶりか思い出せないくらい久しぶりに再会した安藤美樹さん。会わない間に「ゆるピラ(ゆるくて楽しいピラティス)」の先生になって、本を出していた。

稽古からの化けっぷり

いよいよ開演。

開会挨拶でリーディングフェスタ2024は「新人育成を目的にしている」と語られた。

新・人・育・成

選ばれたら上演してもらえる!と飛びついて応募したが、これから演劇界を背負って立つ人材を育てる会だったのだ。その人材を見つけるための戯曲募集だったのだ。

道理で若者が集まるわけだ。

でも、劇作家経験の浅さなら、いい勝負かもしれない。

などと一人ソワソワザワザワしているうちに最初の上演作品「納期」のリーディングが始まろうとしていた。職人の矢米俊博さん、客の森下亮さん、SDの鈴木裕樹さんが位置に着く。SDはStage Directionのことらしく、ト書き部分を読み上げる。

SDの場面説明に続いて、客のセリフ、職人のセリフ。

あれっ?と思った。

職人も客も稽古のときとかなり違う。特に二人の間合いが違う。

そうかと思い至った。稽古の後、矢柴さんと森下さんに「いかがでしたか」と聞かれ、「導入はもっと腹を探り合う感じで、会話が噛み合わないぎこちなさがあるとうれしいです」と畏れ多くもリクエストをした。職人を劇作家に重ねたこと、仕事への誇りや作品への愛着が客との会話で暴走していくところを面白く見せたい、といったことも話した。

矢柴さんと森下さんは「なるほど」とうなずかれたのだが、それが反映されての本番なのだった。

こんなに化けるのかと驚いた。

腹を探り合うぎこちない会話のテンポが少しずつ上がり、売り言葉に売り言葉で意地を張り合い、歯止めがきかなくなっていく。稽古で聞いたときより可笑しみが増し、二人の意地の張り合いがさらに喜劇になっていた。わたしの笑い声が浮かないくらい、客席もよく笑っていて、とても気分が良かった。

自分の作品が先に終わったおかげで、あとの作品は落ち着いて楽しむことに専念できた。どの作品もやはり戯曲を読んだとき以上に面白く魅力的だった。当日の朝に集合して半日の稽古でここまで仕上げてしまう役者さんたちの力量に感服した。

戯曲を読んだとき何度も吹き出した『贔屓貝』は、さらに奇妙な味わいを極めていた。鈴木裕樹さん演じる大輔が「大輔だよ」と名乗るだけで、どうしてこんなにおかしいのか。大輔は打ち上げでも大人気だった。

リーディングなので舞台には大道具も美術もなく、各自が頭の中に情景を思い描く。扉の大きさもや重さや質感やドアノブの形も。見ている景色はそれぞれだけど同じところで笑ったりうなずいたりして、場内の空気がどんどん温まっていく。

作者の一人として、観客として、その空気の中にいられるのは、とてもとても幸せだった。

稽古のときに撮らせていただいた舞台。タイトルの入った大きなスクリーンの前にパイプ椅子。

首がもげるほどうなずく

6作品の上演が終わった後の舞台袖で「面白かったー」「面白かったですね!」などと興奮を分かち合い、すぐさま後半のブラッシュアップ。

司会の山田裕幸さん、ゲストの小野寺邦彦さん、長田育恵さんとともに6人の作者も登壇。「改稿サポートする輪。」は挙手した観客がどんどん感想を言っていき、最後にゲストが講評する形だったが、リーディングフェスタでは最初に作者が一人ずつ挨拶した後、ゲストのお二人が一作品ずつ講評。確かにどんどん講評しないと時間が足りない。

この講評がとても勉強になった。

わたしとしては、できる限りのことをして、持てるものをすべて持たせ、原稿を送り出したつもりだったのだが、「言われてみれば確かに」と気づかされる指摘の連続で、まだまだ直せる余地だらけだった。

「箱の正体がわかるのが遅い」という指摘には、「アサミちゃんに言われてだいぶ早めたのに、まだ遅いのか」と驚き、「最初からわかっていてもいい」、つまりは正体を知るまでの引っ張りすらいらないのではと言われ、アゴが外れそうになった。

ここ大事、ここ面白い、と作者が肩に力を入れて守っているものが、作者が思うほど面白くないということは、よくある。人の書いたものだと客観的に見られるが、自分が書いたものだと思い入れが邪魔をしてしまう。「納期」は特に「あの箱に扉をつけたら面白い」という思いつきから膨らませた作品なので、そこが肝だと思い込んでしまっていた。

箱の正体がわかってから物語が動き出すのだから、さっさと正体をわからせて、その後に時間を割くべき。言われてみれば、確かにそうだし、逆に言うと、箱の正体がわかるまでは物語は止まっている。

アサミちゃんは「メインディッシュがなかなか出てこない」と言ったが、箱の正体はメインディッシュではなく前菜に過ぎず、いっそ最初からテーブルに出ていても良いのだった。

「納期」だけでなくすべての作品への講評に愛と気づきがあふれていて、首がもげるほどうなずいた。

途中でふと、「他の人の講評なのに、わたしがゲストのお二人に向かって激しくうなずいているのは不自然では?」と気づいてうなずくのをやめ、視線のやりどころがわからなくなって彷徨い、足元を見て長田育恵さんの足の揃え方が美しいなと思ったりした。

セリフがないときの立ち方で役者さんの力量がうかがえたりするが、トークのときもセリフがないときにいかに自然に佇むことができるかが無茶苦茶難しいことを実感した。

撮影を担当されていた吉田康一さんに打ち上げのときに「目が泳いでませんでした?」と聞いたらうなずかれたので、かなり落ち着きがなく見えていたことと思う。

打ち上げまで温かかった

打ち上げは皆が口々に感想を言い合い、労いの言葉をかけ合い、和やかで温かい会だった。「演劇界にようこそ」という歓迎会の空気もあった。

町中華の一角にテーブルを二つ並べ、誰かが遅れて来ると詰めあって場所を作り、どんどんぎゅうぎゅう詰めになっていったのが、来るもの拒まず一緒に楽しくやろうよという演劇界の懐の深さが感じられて、好きだなと思った。

脚本の世界が冷たいというわけではないのだけれど、うっすらと膜のような縄張りが張られていて、初めての人を緊張させたり気後れさせたりするよそよそしさがあると感じる。リーディングフェスタ2024の打ち上げでの扉を開けっ放しにしているような風通しの良さは、わたしにはカルチャーショックだった。

「演劇は自分が芝居を打ちたいと思えばできる。(放送枠や予算といった)パイを取り合うわけじゃないから、新しい人が入ってきても仕事を取られる危機感がないし、一緒に演劇界を盛り上げていきましょうってなるのかも」と言った人がいて、なるほどとなった。

戯曲と脚本を両方書いている人もいるし、住む人がまったく違う別世界というわけでもないのだが、それぞれの色は確かにある。

小野寺邦彦さんは台本を開いて、好きなセリフを教えてくれ、そのセリフを立たせるために直後のセリフを切ったほうがいいとブラッシュアップの続きをやってくださった。情熱がほとばしる人だった。

今日出会った劇作家さんや役者さんの舞台を観に行きたいと思った。

すでに出会っていた人もいて、「学生だったときにNHKのラジオドラマの制作現場を見せてもらったんですけど、そこで会ってたと思います」と吉田康一さんが言った。

演出が保科義久さんで上杉祥三さんが出演されていたというからFMシアター「夢の波間」だろう。上杉祥三さんは廻船問屋の主役で、夢の中で時を超えて彼と交流する初老の男性を柳生博さんが演じた。

FMシアターでのご縁といえば、リーディングフェスタ2024で司会を務められていた西山水木さんは「金魚鉢の教室」に担任の小林先生役で出演されていた。学習支援員・井口役の石村みかさんが主演されていた演劇ユニットてがみ座の舞台「空のハモニカ」を「とにかく観てください」と保科さんに勧められ、観に行ったのだが、その戯曲を書かれていたのが、てがみ座の長田育恵さんだった。

「金魚鉢の教室」はラジオドラマ脚本を戯曲にし、あわせてセリフを変えたり話者を持ち変えたりし、戯曲デジタルアーカイブに登録させてもらった(こちら)。劇作家協会の会員になると一年に一本、作品を登録することができるのだが、最初の一本に選んだのが「金魚鉢の教室」だった。

今回取り上げていただいた「納期」を手直しして、戯曲デジタルアーカイブにという目標ができた。その前に長編にして改稿サポートする輪。に取り上げてもらえたらと野望が膨らむ。

アーカイブ配信は3月31日まで

リーディングフェスタ2024年のアーカイブが1月15日に公開された。赤べこのようにうなずいているわたしが視覚的にうるさくてゲストのせっかくの良い話が入ってこないかもしれないが、リーディング上演に続けてブラッシュアップもぜひ。わたしもあらためて観てみようと思う。

1『納期』今井雅子
職人/矢柴俊博
客/森下亮
SD/鈴木裕樹

2『ドラマなんて起こらない箱の中か外』富田晴紀
朝日/鈴木裕樹
タ/玉置玲央
夜空/井上加奈子
SD/矢柴俊博

3『便所での事件簿』カタモトキザオ
ドロボウ/玉置玲央
自殺願望者/鈴木裕樹
SD/森下亮

4『贔屓貝』新宮虎太郎
西尾魚九郎(ギョクロウ)/矢柴俊博
大輔(ダイスケ)/鈴木裕樹
暮屋(ボヤ)/玉置玲央
沢木(サワギ)/森下亮 
SD・留守番電話の音声/井上加奈子

5『天国への扉』高山遥
男A/矢柴俊博
男B/森下亮
SD・ナレーションの声/玉置玲央

6『ライスがえらべる!サバの夏野菜ソース 洋風小鉢付き定食』中野そてっつ
スー/鈴木裕樹
オン/玉置玲央
ソバ/井上加奈子
SD/矢柴俊博

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脚本家・今井雅子📚言葉遊びが好きな物書き 目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。