固定支持層(絶対支持層)が他党下げをするのに自党上げをしないのは何故か
前々回、前回と、「何々党一択」と言いはするが党員にならない固定支持層の「ローコスト戦略」について述べています。
今回は、ローコスト戦略だけでは読み解けない、「他党叩き」について述べていきます。
何故か他党の党幹部に詳しい
固定支持層は支持政党に思考や判断を丸投げすることで、認知的負荷を最小にしています。
ゆえに、「秒で選んで、秒で忘れる」のです。
投票先であるはずの小選挙区選出議員に対して、「そういうのはどうでもいい」と言うのも。
支持政党の重鎮議員や論客議員を(元幹部でさえも)本当に知らないことが多いのも。
認知的負荷を最小にするというローコスト戦略でそうなっていると捉えると辻褄が合ってきます。
しかしながら、ローコスト戦略だけでは読み解けないものがあります。
それは「何故か他党の幹部に詳しいこと」です。
ローコスト戦略によって認知的負荷を最小にする人々であるにもかかわらず。
支持政党の重鎮議員や論客議員でさえも覚えない(覚えておかない)人々なのに。
何故か他党の党幹部には詳しいのです。
認知的負荷を徹底的に避けている人々なのに。
他党の党幹部に詳しくなるのは何故か
では、他党の党幹部に詳しくなるのは何故か。
簡単な話で、「他党叩きをするため」です。
固定支持層の中には、政党支持の固定化が進み、絶対化にまでなっている人々がいます。
「何々党一択、これは絶対である」という人々は支持政党に対する指摘を強く嫌がります。
何故か。
支持政党への絶対化と同一視があるからです。
支持政党が批判されていると、自分が攻撃されているように感じる人々は、一定数います。
彼らにとって、「党イコール自分」であるため、支持政党への批判は「批判イコール攻撃」と認識してしまっているのです。
彼らにとって、党への批判とは、「考察や改善のための材料」にはなりません。
彼らは思考や判断を党本部に丸投げしているので考察や改善を行うことはないのです。
では、批判を受けた時、彼らは何をしているか。
「他党叩き」です。「反撃」なんですね。
彼らにとって、批判は批判ではありません。
支持政党への批判は自分への攻撃と同様。
支持政党に対しての絶対化と同一視があるため、「党と自分」を分けて考えないのです。
ゆえに、彼らにとっては認知的負荷になるはずの他党幹部を覚えておくことになります。
「他党叩き」をするための材料であるからです。
彼らにとって「他党幹部は攻撃してくる敵」で、「他党幹部の名前は敵幹部の名前」なんです。
※彼らにとっては、の話。
自党の議員に詳しくないのは何故か
では、自党の議員に詳しくないのは何故か。
※彼らは党員になりたがらないため「自党」ではないのですが、同一視しているので、「自党」。
「自党上げ」をする必要を感じないからです。
彼らにとって、「党イコール自分」であるため、「自党上げ」の材料なんて要らないのです。
ゆえに、支持政党の小選挙区選出議員に対しては「そういうのはどうでもいい」と誤魔化す。
私には誤魔化しているように見えていましたが、実際は「認知的負荷にはしない」です。
一方で、「他党叩き」はする。
認知的負荷になろうとも構わずする。
「党イコール自分」という認識の人間からすれば「他党下げ」をしないと自分を守れないから。
彼らにとっての「他党叩き」とは自己防衛です。
「党イコール自分」であるから。
「自党上げ」には認知的負荷を徹底的に回避するのに、「他党下げ」には認知的負荷を厭わない。
私には不思議なことなんですが、「政党に対して絶対化や同一視をしている」と見ると辻褄が合うように思います。
