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「控除を使わないと損」と言う兄と、板挟みになった人へ

「3,000万円控除を使わないと損だから、絶対売るべきだ」

相続した空き家の売却で、お兄さんがそう強く主張している。

ほかのご家族は、損得だけで決めることに違和感を持っていて、相談者さんはそのあいだで板挟みになっていました。

僕はまず、お兄さんの主張を否定しません。

空き家の売却で使える特例は、要件が合えば税負担が大きく変わる、大事な制度です。期限もあります。調べて、家族のために提案していること自体は、間違いではありません。

でも、「制度が使えること」と「売ると決めること」は、別の話です。

制度は、売ると決めた人の負担を軽くしてくれるものであって、売ることを決めてくれるものではありません。

だから僕は、判断の材料を三つに分けて並べます。

一つ目は、制度の話。特例の要件に本当に合うのか、期限はいつか。ここは税理士や税務署に確認する領域です。

二つ目は、お金の話。売った場合と持ち続けた場合、それぞれの収支。

三つ目は、価値観の話。この家を、家族はどうしたいのか。違和感を持っている人は、何に引っかかっているのか。

三つ目を飛ばして一つ目だけで決めると、税金は軽くなっても、家族の中に「損得で押し切られた」という気持ちが残ることがあります。

その気持ちは、あとからずっと重いのです。

損をしないことは、大切です。

でも、後悔をしないことは、もっと大切だと思います。

制度の期限を確認したうえで、その期限までの時間を、家族の納得のために使う。

板挟みのあなたが一人で抱えなくていいように、材料の整理から一緒にやりましょう。

※特例の適用要件や税額は個別事情で異なります。税理士、税務署等へご確認ください。

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きくちまさお|千葉の空き家・相続・終活 ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 もし「もっといろんな文章書いてほしいな」と感じていただけたら、そのお気持ちだけで充分です。 現場で大切にしている考え方を、これからも言葉にしていけたらと思っています。