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卒業の日に、未来の君を想う。

今日、息子が小学校を卒業した。
六年間。
長かったようで、
ああ、でももう終わっちゃうのかって、
不思議な心持ちだ。

どこか現実感のない気持ちのまま、
その時間の中に座っていた。
式の最中、
ふと六年前の入学式を思い出した。

あの頃は、コロナ禍の直前。
世界はどこか息をひそめるようで、
見えない不安に包まれていた。

あの閉塞感を思えば、
今日の空気はずいぶんとやわらかく、
あたたかかった。
子どもたちは皆、晴れやかな顔をしていた。
言葉の端々や立ち振る舞いひとつひとつに、
確かな「未来」が宿っているように見えた。


世界に目を向ければ、
決して平穏とは言い切れない状況が
続いているけれど、
それでも、目の前にあるこの光景は、
確かに希望だと思えたんだ。

大人たちの表情も、どこか穏やかで。
少しだけ心に余白が戻ってきたような、
そんな時間だった。


今日、君は
小学校の全過程を修了したんだね
心からおめでとう
まわりの全てに
感謝の気持ちを伝えたい


そして何より、妻のことを思う。
この六年間、息子の学校生活のために、
本当に多くの時間と心を注いできた。
その積み重ねが、
今日という一日に結びついている。
そう思うと、
胸の奥がじんわりとあたたかくなる。


帰り道、どこか現実から少しだけ浮いたような気持ちのまま、家路につく。
いつもの場所でいつものように
コーヒーを淹れる。

湯気と一緒に立ちのぼる香りが、
今日という一日を、
ゆっくりと身体の中にほどいていく。

ひと口飲むと、少しだけ世界が静かになる。
あの式の空気や、子どもたちの表情が、
やわらかく胸の中に戻ってくる。

そして最近、息子もまた、
毎日コツコツとコーヒーを淹れているんだ。
まだ少しぎこちない手つきで、
それでも丁寧に、湯を注いでいる。
日を重ねるごとに、
味は少しずつ整ってきていて、
その変化を、僕は静かに見つめている。

それが何につながるのか、
今はまだわからない。
けれどきっと、
なにかに続いていくのだと思う。

目には見えないけれど、
湯気のように、その香りのように
ゆっくりと立ちのぼっていくものがある。



ひと口飲むと、少しだけ世界が静かになる。
あの式の空気や、子どもたちの表情が、
やわらかく胸の中に戻ってくる。



早咲きの桜が
見守ってくれている
そんな一日だったんだ



この春、息子は中学生になる。
新しい生活がはじまるんだ。
親として、
これから自分に何ができるのだろう。


きっとこれから、反抗期もやってくる。
すでにその兆しのようなものも感じている。
ぶつかることもあるだろう。
思わずイラッとしてしまうことや
大人気ない態度をとってしまう日も
あるにちがいない。

それでも。

できるだけ、
息子の気持ちに寄り添っていたい。

すべてを理解できなくてもいい。
ただ、隣にいる存在でありたいと思う。


今日、卒業式で見た息子の背中は、
少し大きくなっていて、
でもまだ、どこか頼りなくて。
その両方が、とても愛おしかった。



春になったら、庭に人が集まって、
コーヒーを淹れる予定がある。
湯を注ぐと、
ふわりと花のようにひらく香り。


誰かと誰かが、言葉を交わす前に、
その香りが、そっと場をつないでくれる。

今日感じたこのやわらかな時間も、
きっとあの場所に、
静かに続いていくのだと思う。

未来はきっと、
思っているよりも不確かで、
でも、
思っているよりもやさしいのかもしれない。


カップの中で揺らぐ
春の気配を見つめながら、
そんなことを、静かに感じている。










イベントのお知らせだよ
麗らかな春のひとときを
共に感じられる
そんな場所にできたらいいな




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