#84「“正しい会話”が人を閉じさせるとき」
「ちゃんと話し合った方がいいよ」
その言葉が、
逆に人を
追い詰めることがあります。
話し合い。
本来は、
分かり合うためのものです。
気持ちを伝える。
誤解を減らす。
お互いを理解する。
たしかに、
大切なことです。
でも現実には、
“話し合い”という形をしながら、
どちらかが
責められていることがある。
「なんで分かってくれないの?」
「ちゃんと説明したよね?」
「話し合おうとしてるのに」
言葉は冷静でも、
片方だけが、
“理解される側”になっている。
すると、
話すほど苦しくなる。
本当は、
安心できる場じゃないのに、
「向き合わなきゃいけない空気」だけがある。
だから人は、
黙る。
言っても伝わらない。
どうせ否定される。
また疲れる。
その経験が積み重なると、
“話し合い”そのものが
怖くなる。
でも、
人間関係って、
全部を言葉で
解決できるわけではありません。
タイミング。
温度差。
受け取る余裕。
同じ言葉でも、
状態が違えば、
まったく違う意味になる。
だから本当は、
「話し合えること」より、
“安心して話せる空気があるか”
の方が大事だったりする。
正しい言葉より、
途中で遮られないこと。
論破されないこと。
すぐ結論にされないこと。
そういう小さな安心が、
人を少しずつ
開かせていく。
話し合いとは、
勝ち負けを決めることではなく、
“違ったまま置いておけるか”
なのかもしれません。
全部分かり合えなくてもいい。
ただ、
相手を変えるためだけの
話し合いは、
きっとどこかで苦しくなる。
だから、
もし今、
「ちゃんと話さなきゃ」と
疲れているなら、
まず必要なのは、
正しい会話ではなく、
安心して黙れる関係
なのかもしれません。
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