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朝3時、牛丼 作る年末かな

冷蔵庫を開けたら、少し臭った。牛肉が腐敗を始める兆しである。薄切りのバラ肉で牛丼向きである。そこで、牛丼を作ることにした。

先日、娘と妻が外出して牛丼を買ってきてくれた。自分で作ったもの以外を食べるのは久しぶりであったが、僕の牛丼ではなかった。

タップリの玉ねぎに「薄めの牛バラ肉」をしっかりと煮て、玉ねぎの味が落ちる直前に食べる。玉ねぎは水から入れる第一陣と終わりの方に追加する「追い玉ねぎ」の2段階に入れる。一番手の玉ねぎは汁に美味しさを出してトロトロになっていき、二番手の玉ねぎは玉ねぎの美味しさをノコ押している。シャリッと感が好きなヒトは早めに食うがいい。「鍋の法則・焼き肉の鉄則」がここにも存在する。自分で食べごろは感じ取るがいい。

味は顆粒だしと醤油で十分。少し味醂と酒を加えるといい感じである。
玉ねぎは、煮すぎると美味しくない。微妙な一線がある。そこを超えてはならない。かつて牛丼を店々で煮ていた時代はその一線と向き合う店員さんがいたのだ。今の牛丼店では、トッピングやらその他の食材でにぎやかにするが、やっぱり「牛丼」で勝負してもらいたい(笑)。
工場でマニュアル通りに生産すれば「商品」として大量に同じ品質のものは作れるだろうが、誰からも文句が出ない(=特に美味しくもない)ものでしかない。素材の様子を見ながら味を調節していくことこそが大事。
食事は生命である。マニュアルでは扱えないのだ。

ご飯を少しだけ「底細りの椀」に入れて、タップリのネギを入れる。ネギダクである。牛肉は少しでいい。汁がタップリのほうが美味しい。

生姜を加えて、ザクザクと食らう。

ちょうど片付けが終わり、少し小腹も空いていた。

冷蔵庫に木綿豆腐と刺し身があったことに気がついた。スイッチオンである。

もう丁度いいくらいまで玉ねぎが煮えていたので、汁だけを分けて豆腐を煮た。
そうなのだ、美味しい牛丼は調理のスキルが必要なのだ。30年以上前に東京にいた頃は、様々な牛丼屋さんがあった。やがて、チェンー店に置き換えられていく。スキルの高い店員を雇うということは「キャピタリスト(オーナー)」の利益を圧迫する。

僕の好きだった、新宿駅西口の「大黒屋」さんでは、玉ねぎの煮え具合でザルに上げておいて汁はどんどん旨味が深まっていくのだ。店の混みぐわいとか食材のたちを考慮に入れて、鍋に愛をささやくのである。

豆腐がまた美味いのである。

刺し身は紫蘇とニンニクで漬け丼にした。

今年もいい一年であった。
一年の締めくくりにふさわしい牛丼であった。
明日は何を作ろうか。


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幸運な病のレシピ 厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。