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この痼を抱えて生きていく|シロクマ文芸部
忘れたいのに
この心の痼は
まるでガン細胞のように
わたしを侵食する
これ以上蝕まれると
命が危なくて
ある日わたしは
手術を受けると決めた
医師はメスを持ち
わたしの胸を抉る
でも腫瘍を抉った途端に
医師は手術を諦めた
もう手遅れだったのだ
治る見込みはなかった
ただ薄紙を剥がすように
痼を解す方法だけが残された
治る見込みはないけれど
取り除くことはできないけれど
あの世に行くまでには
少しは薄くなるだろうか
でもきっと天に召されたら
そんな傷は溶けるだろう
だってあなたに会えるから
あなたと話せるから
この傷が小さくなるにつれ
あなたに会える日が近づく
傷が完全に消えるとき
それはわたしが天に召されるとき
その日が来るまでわたしは
この痼を抱えて生きることにする
こちらは、シロクマ文芸部の去年のお題です。
シロクマ文芸部は締め切りを過ぎていても提出OKなので、出すことにしました。
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