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シュークリームが膨らまない・しぼむ失敗の9割はコレが原因|製菓の科学で解く『生地の水分と焼成温度』の落とし穴

「レシピ通りに作ったのに、なぜかぺしゃんこ」——そんな経験、ありませんか?

オーブンの窓越しに、シューがぷっくり立ち上がるのをワクワクしながら見つめていたのに、扉を開けた瞬間に「しゅん…」としぼんでいく。あの絶望感、わたしも何度も味わってきました。

シュークリームは、お菓子作りの中でもとくに**「なぜ失敗したのか原因がわかりにくい」**お菓子です。焼き色はいいのに膨らまない。膨らんだのに冷めたらしぼむ。割ってみたら中がみっちり詰まって空洞ゼロ——。

でも安心してください。シューがうまくいかない失敗の9割は、たった3つのポイントに集約されます。しかもそれ、全部「理屈」で説明できるんです。今日はその仕組みを、お店でシューを焼いてきた立場からお話しします。

そもそもシューは「水蒸気」で膨らんでいる

まず大前提として、シュー生地(パータ・シュー)はベーキングパウダーもイーストも使いません。ではあの空洞は何で膨らんでいるのか。

答えは水蒸気です。

生地の中の水分が、オーブンの熱で一気に水蒸気に変わる。水は蒸気になると体積が約1700倍にふくらみます。この爆発的な力が、生地を内側から風船のように押し広げる——これがシューが膨らむ正体です。

そして、膨らんだ生地をしぼませずに支えているのが、

糊化したデンプン(加熱でとろみを持ったでんぷん)
卵と小麦粉のグルテンが作る膜
この2つが「風船の皮」の役割を果たします。つまりシュー作りとは、**「たっぷりの蒸気を発生させ、それをしっかりした膜で受け止める」**という2つの条件を同時に満たす作業なんです。

ここが崩れると、次のように失敗します。

失敗の正体は、この3つ

膨らまない・しぼむ・空洞ができない。この代表的な悩みは、次の3点で説明がつきます。

① 生地の水分量が足りない/多すぎる

蒸気の材料は水分です。水分が少なければ膨らむ力が足りず、多すぎれば膜がゆるくて支えきれずしぼみます。

② 卵を加えるときの生地温度

「卵を全部入れたらゆるすぎた」——これ、超あるある。実は卵を混ぜるタイミングと生地の温度が、仕上がりの硬さを大きく左右します。

③ 焼成中に扉を開けてしまう

膨らんでいる途中でオーブンを開けると、温度が下がって蒸気が一気に減り、膜が固まる前にしぼみます。「焼いてる途中は絶対に開けない」——理由まで知ると、もう開けられなくなります。

ここまでが結論です。膨らまないのは、水分・生地温度・焼成温度の3つのどれかが崩れているから。 では、それぞれ「具体的に何度で、どうすればいいのか」を、現場の感覚も交えて解説していきます。


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